在日米軍再編に関する中間報告「日米同盟 未来のための変革と再編」

2005-10-30 20:03:21 | 沖縄
在日米軍再編に関する中間報告「日米同盟 未来のための変革と再編」が外務省サイトに掲載されました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/henkaku_saihen.html
日米同盟:未来のための変革と再編(仮訳)

普天間関連部分を引用
===================以下、引用==========================================

・柔軟な危機対応のための地域における米海兵隊の再編
 世界的な態勢見直しの取組の一環として、米国は、太平洋における兵力構成
を強化するためのいくつかの変更を行ってきている。これらの変更には、海兵
隊の緊急事態への対応能力の強化や、それらの能力のハワイ、グアム及び沖縄
の間での再分配が含まれる。これによって、個別の事態の性質や場所に応じ
て、適切な能力を伴った対応がより柔軟になる。また、これらの変更は、地域
の諸国との戦域的な安全保障協力の増進を可能とするものであり、これによ
り、安全保障環境全般が改善される。この再編との関連で、双方は、沖縄の負
担を大幅に軽減することにもなる相互に関連する総合的な措置を特定した。

* 普天間飛行場移設の加速:沖縄住民が米海兵隊普天間飛行場の早期返還
を強く要望し、いかなる普天間飛行場代替施設であっても沖縄県外での設置を
希望していることを念頭に置きつつ、双方は、将来も必要であり続ける抑止力
を維持しながらこれらの要望を満たす選択肢について検討した。双方は、米海
兵隊兵力のプレゼンスが提供する緊急事態への迅速な対応能力は、双方が地域
に維持することを望む、決定的に重要な同盟の能力である、と判断した。さら
に、双方は、航空、陸、後方支援及び司令部組織から成るこれらの能力を維持
するためには、定期的な訓練、演習及び作戦においてこれらの組織が相互に連
携し合うことが必要であり続けるということを認識した。このような理由か
ら、双方は、普天間飛行場代替施設は、普天間飛行場に現在駐留する回転翼機
が、日常的に活動をともにする他の組織の近くに位置するよう、沖縄県内に設
けられなければならないと結論付けた。
* 双方は、海の深い部分にある珊瑚礁上の軍民共用施設に普天間飛行場を
移設するという、1996年の沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の計画に関連
する多くの問題のために、普天間飛行場の移設が大幅に遅延していることを認
識し、運用上の能力を維持しつつ、普天間飛行場の返還を加速できるような、
沖縄県内での移設のあり得べき他の多くの選択肢を検討した。双方は、この作
業において、以下を含む複数の要素を考慮した。
o 近接する地域及び軍要員の安全
o 普天間飛行場代替施設の近隣で起こり得る、将来的な住宅及び商
業開発の態様を考慮した、地元への騒音の影響
o 環境に対する悪影響の極小化
o 平時及び緊急時において運用上及び任務上の所要を支援するため
の普天間飛行場代替施設の能力
o 地元住民の生活に悪影響を与えかねない交通渋滞その他の諸問題
の発生を避けるために、普天間飛行場代替施設の中に必要な運用上の支援施
設、宿泊及び関連の施設を含めること
* このような要素に留意しつつ、双方は、キャンプ・シュワブの海岸線の
区域とこれに近接する大浦湾の水域を結ぶL字型に普天間代替施設を設置す
る。同施設の滑走路部分は、大浦湾から、キャンプ・シュワブの南側海岸線に
沿った水域へと辺野古崎を横切ることになる。北東から南西の方向に配置され
る同施設の下方部分は、滑走路及びオーバーランを含み、護岸を除いた合計の
長さが1800メートルとなる。格納庫、整備施設、燃料補給用の桟橋及び関連設
備、並びに新たな施設の運用上必要なその他の航空支援活動は、代替施設のう
ち大浦湾内に建設される予定の区域に置かれる。さらに、キャンプ・シュワブ
区域内の施設は、普天間飛行場に関連する活動の移転を受け入れるために、必
要に応じて、再編成される。(参照:2005年10月26日付のイニシャルされた概
念図)
* 両政府は、普天間飛行場に現在ある他の能力が、以下の調整が行われた
上で、SACO最終報告にあるとおり、移設され、維持されることで一致した。
o SACO 最終報告において普天間飛行場から岩国飛行場に移駐され
ることとなっているKC-130については、他の移駐先として、海上自衛隊鹿屋
基地が優先して、検討される。双方は、最終的な配置の在り方については、現
在行われている運用上及び技術上の検討を基に決定することとなる。
o 緊急時における航空自衛隊新田原基地及び築城基地の米軍による
使用が強化される。この緊急時の使用を支援するため、これらの基地の運用施
設が整備される。また、整備後の施設は、この報告の役割・任務・能力の部分
で記載されている、拡大された二国間の訓練活動を支援することとなる。
o 普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動
のため、緊急時における米軍による民間施設の使用を改善する。
* 双方は、上述の措置を早期に実現することが、長期にわたり望まれてき
た普天間飛行場返還の実現に加えて、沖縄における海兵隊のプレゼンスを再編
する上で不可欠の要素であることを認識した。
* 兵力削減:上記の太平洋地域における米海兵隊の能力再編に関連し、第
3海兵機動展開部隊(IIIMEF)司令部はグアム及び他の場所に移転され、ま
た、残りの在沖縄海兵隊部隊は再編されて海兵機動展開旅団(MEB)に縮小さ
れる。この沖縄における再編は、約7000名の海兵隊将校及び兵員、並びにその
家族の沖縄外への移転を含む。これらの要員は、海兵隊航空団、戦務支援群及
び第3海兵師団の一部を含む、海兵隊の能力(航空、陸、後方支援及び司令
部)の各組織の部隊から移転される。
* 日本国政府は、このような兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄
住民の強い希望を認識しつつ、米国政府と協力して、これらのグアムへの移転
を実現可能とするための適切な資金的その他の措置を見出すための検討を行
う。
* 土地の返還及び施設の共同使用:上記の普天間飛行場移設及び兵力削減
が成功裡に行われることが、兵力の更なる統合及び土地の返還を可能にするこ
とを認識しつつ、双方は、沖縄に残る海兵隊部隊を、土地の総面積を縮小する
ように統合する構想について議論した。これは、嘉手納飛行場以南の人口が集
中している地域にある相当規模の土地の返還を可能にする。米国は、日本国政
府と協力して、この構想の具体的な計画を作成し、実施する意思を強調した。
* さらに、自衛隊がアクセスを有する沖縄の施設が限られており、またそ
の大半が都市部にあることを認識しつつ、米国は、日本国政府と協力して、嘉
手納飛行場、キャンプ・ハンセンその他の沖縄にある米軍施設・区域の共同使
用を実施する意思も強調した。このような共同使用は、この報告の役割・任務
・能力の部分に記述されているように、共同訓練並びに自衛隊及び米軍の間の
相互運用性を促進し、それにより、全体的な同盟の能力を強化するものと双方
は考える。
* SACO最終報告の着実な実施:双方は、この文書における勧告によって変
更されない限りにおいて、SACO最終報告の着実な実施の重要性を確認した。


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米、中国軍の台頭に先手・在日米軍再編 日経
 【ワシントン=秋田浩之】米国にとって今回の在日米軍再編案は、中国軍の台頭に先手を打つ意味合いが大きい。台湾海峡の危機などに日米が即応できる体制を敷く一方、沖縄海兵隊の中枢機能を中国軍の短距離ミサイルの射程外に移す狙いもある。

 米安全保障担当者によると、米軍はグアム島に戦略爆撃機や攻撃型原潜を追加配備し、中国の軍拡に対抗する布石を打ちつつある。だが台湾海峡などで危機が発生した場合、米軍だけで対処するのは難しく、自衛隊による側面支援が不可欠とみている。 (07:01)

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沖縄知事、米海兵隊の7000人削減「想像を超える数字」日経
 稲嶺恵一沖縄県知事は29日、在日米軍再編に関する中間報告で4000人規模といわれていた沖縄海兵隊の削減数が7000人で合意されたことについて「想像を超える数字だ」と述べ、一定の評価をした。那覇市内で記者団の質問に答えた。 (21:37)

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在日米軍再編の合意文書の本文が下記に掲載されました。ライス、ラムズフェルド、町村、大野の署名入り。10月29日付け。

US-Japan Alliance: Transformation and Realignment For the Future http://www.defenselink.mil/news/Oct2005/d20051029document.pdf

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