ワタミ過労自殺遺族が話し合いを求める再申入書/全国一般東京東部労働組合 から

2012-11-02 10:55:53 | 労働運動
居酒屋チェーン「和民」で正社員として働いていた森美菜さん(当時26歳)が入
社2カ月後に過労自殺した問題で、遺族である両親の森豪さんと森祐子さんは、
11月1日付で、ワタミ株式会社の渡辺美樹会長ら経営者に対し、直接交渉を再度
求める申入書を郵送しましたのでお知らせします。

森夫妻は9月20日にワタミ本社を訪問し経営者との話し合いを申し入れましたが、
ワタミ側からは代理人弁護士を通して拒否する回答が届きました。また、森夫妻
が加入している全国一般東京東部労働組合が10月12日に団体交渉を申し入れまし
たが、これにもワタミ側は代理人弁護士を通して拒否の回答でした。いずれの回
答も、遺族との話し合いは代理人の弁護士が対応したいとの内容でした。

遺族が求めているは、あくまでワタミの労働実態や再発防止について話し合える
経営者や責任ある立場の人との直接交渉です。回答期限は11 月8日です。会社
の回答については皆様に追って連絡させていただきます。

今回の再申入書は、亡くなった森美菜さんからの「質問」という形で両親が書か
れています。
「答えていただくまでは、私たちは答えを求めることをやめません。」
「娘を安からにしてやってください。」
全文は以下のブログに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/1da724ca222b71fd72becebd592b333a


2012年11月1日
ワタミ株式会社
取締役会長 渡邉美樹 殿
取締役社長 桑原豊 殿
ワタミフードサービス株式会社
代表取締役社長 桑原豊 殿

森 豪
森 祐子

申し入れ書

 10月20日に貴社代理人より、全国一般東京東部労働組合との団体交渉には応じられない旨の書面が届きましたので、ここに改めて遺族より、貴社へ直接交渉を申し入れます。
 私たち遺族は、改めて私たちの娘が何故死ななければならなかったのか、その説明を貴社に求めます。そのためには、貴社の労働現場のことを何も知らない代理人ではなく、貴社の各部署の責任者、そして経営責任者から直接話を聞きたいと考えています。

日時:2012年11月15日(木)午後2時
場所:NPO法人労働相談センター
東京都葛飾区青戸3-33-3野々村ビル1階
(日時や場所については、調整に応じます)
当方参加者:
遺族 森 豪
遺族 森 祐子
代理人 須田 光照
代理人 菅野 存
代理人 長崎 広
代理人 矢部 明浩

 私たちの一日は、娘に手を合わせることから始まります。私たちの一日は、娘に手を合わせて終わります。しかし始まりと終りもなく、寝ても覚めても、娘の声が聞こえます。

 私は、何で死んだの?
 ワタミという会社は私の思った会社、信じた会社とは違った、何故なの?

 娘は夜となく昼となく問い続けています。娘の問いかけに、どうか、答えてください。
 私たちは、娘の問いかけに答えようと、当事者との協議を申し入れました。そして私たちに2通の手紙が届きました。そこには、代理人との話し合いに応じると書いてありました。なぜ当事者が会おうとしないのでしょうか。なぜ、第三者の代理人の向こうに隠れようとするのですか。
 私たちが、当事者との直接の話し合いが必要だと思ったのは、貴社の代理人弁護士との交渉を通じてです。貴社の代理人弁護士は、「自分たちには、何の権限もありません」と言い、「ただ承っておきます」と繰り返すだけの代理人弁護士でした。貴社からの回答書について質問しても、「さあ、そう書いてありますね」と言うだけでした。このような言葉しか言えない代理人と、実のある話ができるでしょうか。「だったら権限のある人と話し合いたい」というのは、ごく自然なことではないでしょうか。
 私たちは、改めて、当事者である会長、社長、そして、各部署の責任者と会って、協議したいと思います。娘の置かれた状況の一つ一つについて確かめたい。問いに一つ一つ答えてください。

 もう一度尋ねたい、
 なぜ、娘を、深夜勤務の後、始発電車まで待たねばならない社宅に入れたのか。

 もう一度と言いましたのは、2008年に、ワタミフードサービス(株)栗原社長以下が、私たちのもとを訪ね、娘の位牌にお参りすることを希望されたときに、私たちがそのように尋ねたことがあったからです。娘が亡くなった当初、栗原社長、ワタミフードサービス(株)の澤橋和民首都圏営業本部部長、ワタミフードサービス(株)の大根田人材教育部長、ワタミ(株)の小林人材開発本部人事部統括本部長、そしてワタミ(株)の星野業務部本部長が、娘の位牌にお参りをされましたが、今はもう私たちに会うことも拒絶されるのでしょうか。娘が亡くなった当初、できたことが、今は、できないのでしょうか。労災が下りて、業務上の死であることが決定的になった今、なぜ直接に会うことができないのでしょうか。
 娘は、文字通り、「世界で一番たくさんのありがとうを集める」会社であることを信じて入社しました。それなのに、事ここに至っても、なお、娘を裏切るのでしょうか。貴社には誠実さがないのでしょうか。
 企業には、説明責任があります。一部上場会社であれば、当然、ご存じだと思います。事故や不始末があれば、必ず、その原因結果について、説明しなければならない。社会のための企業であるならば、社会貢献を唱える企業であればなおさら、説明しなければならない。貴社の業務により娘は自殺しました。その原因について、貴社には説明責任があります。その説明を私たちは、要望します。私たちは、私たちの信頼する代理人と一緒に説明を聞き、協議したいと思います。

 以下に、現在、伺いたいこと、これは、私たちというよりは、死んだ娘が知りたかったこと、娘が問い続けていることをあげます。娘に答えるつもりで、どうか答えてください。娘からの質問への回答を要望します。
 
娘からの質問

1.何故、入社説明会において、実際の就業規則とは全く違う労働条件(労働時間・連続深夜勤務の日数等)を明示したのですか?
2.何故、実際に配属された店舗では、就業規則で決められた時間より早くから出勤を求められたのですか?
3.何故、就業規則で決められた休憩時間を最初から取らせようとしなかったのですか?
4.何故、身体を横たえることのできる休憩室が無かったのですか?
5.何故、週休2日といいながら、連続7日間も深夜勤務が続くのですか?
6.昼夜逆転の深夜長時間勤務を強いておきながら、何故、ボランティアと称して昼間の研修をさせるのですか?それも休日扱いの日に?
7.何故、深夜勤務を終えて、普通なら眠っている時間帯に、本社まで出勤させて新卒研修会を行うのですか?
8.ドアtoドアで30分以内に社宅を用意するといいながら、何故、深夜勤務後、始発電車が出るまで帰れないところに社宅を定めたのですか?
9.何故、手帳や渡邉美樹氏の著作を強制的に買わせ、給与から天引きするのですか?
10.何故、大量のレポートを書かせるのですか?
11.何故、私たち遺族は、娘の命を奪われたうえに、その死に至るまでの説明を求めただけで、貴社代理人弁護士から脅しの書面を送りつけられなければならないのですか?

 以上の質問に答えてください。答えていただくまでは、私たちは答えを求めることをやめません。娘の答えを求める声が止まないからです。娘を安らかにしてやってください。貴社に真心があるのであれば、どうか、誠実に答えてください。

回答期限:2012年11月8日(木)までに以下の連絡先に書面で回答してください。
連絡先:NPO法人労働相談センター(担当・須田光照)
東京都葛飾区青戸3-33-3野々村ビル1階
ファックス 03-3690-1154



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