鳩山首相来県 民の声は「普天間撤去」/琉球新報・社説 ほか

2010-05-01 06:29:25 | 沖縄
米軍普天間飛行場の移設について「最低でも県外」と繰り返し表明してきた鳩山由紀夫首相が来月4日、「仲井真知事、県民に直接話を聞きたい」として来県する。
 県民の声に耳を傾け公約実現の決意を語るなら、県民はもろ手を挙げて首相を歓迎するだろう。
 しかし、政府から漏れ伝わるのは、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる現行計画を修正し、くい打ち桟橋(QIP)方式の建設案を軸に最終調整しているというものだ。
 鹿児島県徳之島に一部訓練や部隊を移転することも併せて検討。首相はこうした政府方針について県民の理解を得たい考えとされる。
 「最低でも県外」とあおりながら「実は県内」と詭弁(きべん)を弄(ろう)すなら、県民への背信行為というほかない。
 だが、県民は鳩山首相になお望みを託している。普天間県外移設や、野党時代とは言え「常時駐留なき安保」を主張したリーダーは、首相経験者では異例だからだ。
 この国では政治家やメディアが米国の心証を害する鳩山首相を異端扱いしている。閣僚や官僚の抵抗を前にたじろく首相を「リーダーシップが欠如」と批判し、普天間の「5月末決着」が実現しなければ退陣を迫るありさまだ。
 「日米同盟」を金科玉条のものとして過大評価せず、外交・安全保障政策の選択肢の一つと相対化して見る感覚、長期にわたり外国軍隊が常時駐留することに疑念を挟む感覚のどこがいけないのか。
 首相に民意否定を促す官僚群。政権内の「辺野古回帰」は紛れもない民意の封殺であり、主権在民の否定、民主主義国家の自殺行為だ。こんな乱暴は断じて許せない。
 埋め立てもQIP方式も、海に壊滅的打撃を与える計画は実現不可能だ。辺野古への新基地計画に関しては、国際自然保護連合(IUCN)が過去に3度、国際保護獣ジュゴンの保護を勧告している。
 国内世論の多数は普天間の「県外・国外」移設を求め、IUCNに象徴されるように国際世論も日米の計画に疑義を唱えている。
 「県内移設」を強行すれば、鳩山、オバマ両政権とも世論に背を向けた非民主的な政権として歴史に刻まれるだろう。鳩山首相は自国の民主主義、国民の人権を犠牲にして成立する外交、安全保障政策の異常さに気づき、今こそ民主政治の真価を指し示す時だ。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-161485-storytopic-11.html

[鳩山首相来県]「県内回帰」を憂慮する/沖縄タイムス・社説
鳩山由紀夫首相はゴールデンウイーク期間中の5月4日来県し、普天間問題に関する政府方針を仲井真弘多知事に説明する。

 鳩山首相が仲井真知事に正式に政府案を提示し、協力を求めるのは初めてだ。事態が大きく動き出した。

 だが、伝えられる政府案は、「現行案の修正案」と「徳之島への一部移設案」をセットにしたもので、民意とは大きな隔たりがある。

 稲嶺進名護市長は、現行案であれ修正案であれ県内移設に「強く反対する」との考えをあらためて表明した。徳之島の天城・伊仙・徳之島3町長も移設反対の姿勢を明確にしている。

 地元の合意を得る余地はまったくない。

 修正案は過去に検討済みの案だ。八方ふさがりの状況の中で万策尽き、昔の案に逆戻りしてしまう―あってはならないシナリオである。

 民主党の鳩山代表が特別国会で第93代首相に選ばれたのは昨年9月16日。「最低でも県外」だと主張して衆院選に大勝した民主党代表が、政権交代で総理の座についたことで、県民の期待は一気に高まった。

 7カ月余りの間に県議会も市町村も、県内移設反対でまとまった。25日の県民大会には予想を上回る約9万人(主催者発表)の人たちが参加している。

 県内移設に反対する集会に党派を超えてこれだけの人たちが集まったことは過去にない。

 県内の民意は明確だ。現行案を放棄した以上、県内に戻ることがあってはならないのである。

 東京からの報道によると、政府は名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部に2本のV字形滑走路を建設する現行案を放棄し、その代わり沖合の浅瀬に「くい打ち桟橋方式(QIP方式)」による滑走路を1本建設する修正案を検討しているのだという。

 QIP方式は海底に4000本ともいわれる多数のくいを打ち、その上に滑走路を造る方式で、かって検討された3工法のうちの一つだ。

 相当数のくい打ちが必要なため、それが海生生物や潮流に影響を与えるのは避けられない。滑走路によって太陽光が遮られるエリアが広範囲に発生することも、海の生態系を崩すことになるだろう。

 そんなこんなのさまざまな問題点が指摘され、「くい打ち桟橋方式」と「ポンツーン工法(メガフロート)」は採用されなかった。現行案の「埋め立て工法」は、一部地元業者が支持するものの、環境への影響が大きい。

 現行案の修正案は米国が乗りやすい案には違いない。しかし、この案は、1996年の返還合意から14年間の紆余(うよ)曲折を完全に無駄にしてしまうものであり、政治的に取るべき選択肢ではない。

 14年間、翻弄(ほんろう)され続けた県民が再び、普天間問題で翻弄されるようなことがあってはならないのだ。

 日米両政府が民意に反して県内移設を強行すれば県民の失望と怒りは計り知れないものになるだろう。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-04-29_6123/


徳之島に新型ヘリ部隊配備を想定 普天間で政府、米拒否/共同
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、鳩山政権が鹿児島県・徳之島に新型ヘリコプターの垂直離着陸輸送機MV22オスプレーの部隊を配備する構想を検討していることが分かった。複数の日本政府関係者が30日、明らかにした。米側は2012年にも普天間飛行場にオスプレーの配備を始める予定だが、徳之島への配備については沖縄の地上部隊との一体的な運用ができないとして拒否する姿勢を崩していない。

 政府は米側に対し、沖縄本島東約50キロの海域に位置する水域「ホテル・ホテル訓練区域」の一部と沖縄本島の西約100キロにある久米島と鳥島の射爆撃場の返還も要求。キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)を埋め立てる現行計画は、くい打ち桟橋(QIP)方式を軸として変更し、南西の沖合へ移動させる方針だ。滑走路は現行より200メートル長い1800メートル
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010043001001106.html

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鳩山政権は誰の立場に立つのか(4.30首相官邸前行動)
本日(4月30日)夕、
首相官邸前抗議・要請行動が行われました。
(参加者60名)
そこで二つの要請文が読み上げられました。
以下にその一部を紹介したいと思います。

<本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)>
・・・・・・・・・・・・・
鳩山首相は、5月4日に沖縄を訪問されるとのことです。
沖縄の意志は「普天間基地の即時閉鎖・返還、
県内への新基地建設反対」であり、一致団結して
鳩山政権にイエローカードを突きつけています。
そこへ、のこのこ出かけて行って、「結局、辺野古で、
一部は徳之島に移設ということでお願いします」
というつもりなのでしょうか?
 
その勇気があるなら、それをアメリカ政府に向けて下さい。
国の最高責任者らしくアメリカと交渉することのほうが
先ではありませんか。沖縄の民意を代表して、
普天間基地の無条件返還を要求して下さい。
・・・・・・・・・・・・・・
日米安全保障条約により、沖縄では、いまだに
日本国憲法が適用されていません。憲法の
三原則と矛盾する日米安保条約は、憲法違反です。
日米安保条約も見直しの方向で臨んで当然です。
・・・・・・・・・・・・・・・・

<北限のジュゴンを見守る会>
・・・・・「県民の総意」をあなたは「民意の一つ」と表現しましたが、
あなたの内閣の現実の動きは、
「沖縄県民の総意」を踏みにじろうとしているのでは
ないでしょうか。

県民大会の翌日、4月26日に、これまで中断していた
日米外務・防衛実務者協議がワシントンで始まりました。
「日本側の提案に勇気づけられている」という
キャンベル米国務次官補の発言は米国政府の
並々ならぬ決意を反映しています。
そのような米国政府の姿勢は明らかに、
日本政府が八方ふさがりの普天間問題の解決を
2006年の日米合意案である「キャンプ・シュワブ沿岸域案」
に見出す方向に転じたことによるものです。

諸報道は政府が「キャンプ・シュワブ沿岸域案」を「修正」して
米国政府に承認を求めるつもりであると伝えています。
その「修正」とは・・沖合いに移動させることと、
建設の工法をくい打ち桟橋方式(QIP)あるいはメガフロート方式に
することと報じられています。
私たちは両工法とも、埋め立て同様、
海の生態系を決定的に破壊すると確信しています。
・・・・・・
要するに、両工法ともリーフにフタをして海を殺してしまうのです。
それは埋め立てと同様の海の生態系の破壊であり、
それこそあなた自身がのべた「自然への冒涜」にほかなりません。
・・・・・・・・・・・・

あなたがなすべきことは、移設先探しではなく、
普天間基地の一日も早い撤去を、
米国政府に対し、毅然として要求することです。
・・・・・
ジュゴンと共に生きたいという願う地元住民と共に
辺野古の浜に6年間座り込み、非暴力の抵抗で
ジュゴンの海に1本の杭(くい)も打たせなかった私たちは、
いかなる工法であろうとも辺野古への新基地建設を
許しません。
・・・・・・

都教委包囲首都圏ネットワーク
  http://kenken.cscblog.jp/


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