ウェブニュースでは、中国ホンダのストライキは終結した、という情報が流れま
くっています。
◎ホンダ部品工場のストライキ終了、東風ホンダは2日から生産再開へ
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0531&f=business_0531_127.shtml
しかし現地からの情報では、一部の労働者は妥協して仕事に戻ったが、いまだス
トライキは続いています。
マスコミは会社発表だけを鵜呑みにするな!
香港を拠点に中国労働者の状況をウォッチしている「労工世界網」(http://www.worldlabour.org
)は、以下の国際支援の呼びかけを発しています。日本からの連帯署名を!
個人、団体の署名を求めています。
=====
国際支援:ホンダ労働者の闘争を支援し、賃金引上げと組合の改選を求める
労働組合、民間組織、中国の労働状況に関心をもたれる友人のみなさん
広東省佛山市のホンダ自動車部品製造有限公司(本田汽車零部件製造有限公司)
の労働者のストライキは14日目に突入しました。これは近年の中国労働者によ
って行われるストライキにおいては比較的持続したものであり、中国労働者の状
況に関心を持つ友人たちが富士康(フォックスコン)労働者の飛び降り自殺事件
で悲しみに暮れている最中、ホンダ労働者のこの闘争は疑いなく人びとを勇気づ
けるものでした。
闘争はすでに一定の成果をあげている、とホンダ労働者は語っています。およそ1800
名いる工場の労働者のうち、なんと8割もが技術学校に在籍中の実習生なのです
。かれらと会社がかわした実習契約によると、「労働法」は適用されず、賃金も
毎月900元で最低賃金を下回る水準で、社会保険にも加入していませんでした
。学校で募集があるとき、会社は食事と住居は保証すると約束しましたが、実際
には一食分しか保証されず、宿舎の光熱費は賃金から天引きされ、手取りはわず
か700元でした。実習生は一年ほどの実習を終えて卒業証書を取得したのちは
じめて正社員になることができます。しかし正社員になったとしても手取りは1
000元程度にしかならないのです。
5月17日、労働者たちはストライキに突入しました。会社側が召集した大会に
おいて、労働者たちは108項目の要求を提起し、会社側の要望を受け入れて3
0名の代表を選出しました。その後、会社側は誠意ある交渉に応じないだけでな
く、2名の労働者側代表を解雇し、見せしめにしようとしたのです。
5月24日になって会社側は55元の食事手当を提示しましたが、労働者たちに
拒否されました。実習生と正社員は高い勇気と団結を維持してストライキを堅持
しています。
5月26日に会社側が提示した案は、実習生の賃金を477元増額、正社員の賃
金は355元しか増額しないというものでした。労働者は会社側の分断提案を拒
否しました。
5月27日、全体で協議して再度会社側に以下の重要な点を要求しました。
1)基本給を800元増額し、増額した三日以内に労働契約を結びなおし、年間
昇給は15%以上とし、年末一時金、祝日手当は前年度を下回らないこと、
2)年齢手当を追加すること。一年あたり100元の増額、10年を上限、
3)ストライキに参加した労働者に対する報復を行わないこと、解雇された労働
者を復職させること、
4)労働組合を再編成し、委員長および関連人員の再選挙を行うこと。
5月28日、会社側は再度新たな提案を行った。実習生の賃金は三ヶ月目から6
34元増額する、正社員については355元の増額というものでした。同時に、
会社側はさまざまな手段を通じて仕事に復帰するよう実習生に圧力をかけ、31
日からの操業再開を要求しています。これら一連の過程の中で、ホンダ労組はス
トライキに参加した労働者に何ら支援の手を差し伸べないだけでなく、逆に早く
自分の持ち場に戻り生産を再開するよう労働者に要求しています。
会社側のさまざまな分断工作と弾圧に対して、今日5月31日、二週間持続して
いるホンダ争議は決定的なときを迎えます。わたしたちは中国労働者の状況に関
心を持つ全世界の労働組合、民間組織、友好人士に対して、中国ホンダ労働者の
正義の闘いを支持し、ホンダがストライキ参加者に対する分断と弾圧をやめ、労
働者の要求を公式に受け入れるよう圧力をかけることを呼びかけます。
1、すべての労働者に800元の昇給を行うこと
2、年齢手当100元を実施すること
3、解雇された労働者代表を復職させること
4、労働組合の再選挙
中国労働者に関心を持つ友人の皆さんに、今後の展開に注目し、労働者の要求を
支持するよう訴えます。
労工世界網:http://www.worldlabour.org/chi/(中国語)
メールアドレス:info@worldlabour.org
2010年5月31日
------------------------------
中国ホンダのニュースは全世界に発信されていて、6月1日の午後4時から、San
Francisco Hondaが中国ホンダのストライキを支援するデモをやるそうです。
日本でも何かできるといいんですけど。
------------------------------------
ホンダ中国スト、外資系に飛び火懸念 賃金上昇で“世界の工場”転機/産経
【上海=河崎真澄】部品工場のストでホンダが生産の全面停止に追い込まれた中国で、外資系製造業にストが飛び火する懸念が出ている。中国紙「京華時報」(電子版)は31日、北京にある韓国現代自動車系部品工場でも1千人規模の賃上げ要求ストが起き、完成車の生産に影響が出たと伝えた。出稼ぎ農民の減少による労働力の不足も背景にあり、外資にとっては賃金コストの上昇は避けられない。スト多発は、安くて豊富な労働力を背景とした「世界の工場」の転機を象徴している。
同紙によると、ホンダ系に続いてストを打った韓国現代系の自動車部品メーカーは北京星宇車科技。同社の部品供給先である完成メーカーで特別手当が支給されたことから、同様の手当を求め、生産がストップした。現代側の調停でストは収拾に向かっているが、大幅な賃上げ要求は撤回されていない。
ホンダと韓国現代のケースで共通しているのは、完成車工場と部品工場の待遇差だ。外資系企業では、より高い付加価値を産み出す労働にはより高い賃金で報いるとの考え方が一般的。だが、計画経済時代の意識が残る中国のブルーワーカーからすれば、同じ工場労働にもかかわらず部品工場が冷遇されているとの差別感がある。
中国内の急速な需要拡大に対応するため、完成車工場での厚遇を進めたこともあだになった。しかも、工場労働者は日本や韓国など本国から派遣された管理職や駐在員とのケタ違いの給与格差が中国メディアで報道されたことで、被害者意識を増幅させている。
経済成長率よりも低い工場勤務の賃上げ率に、現場の不満がここにきて一気に噴き出した格好だ。
中国に進出している外資系製造業の給与格差問題は、ほぼすべての業種に当てはまる。労組の全国組織である中華全国総工会が、外資系の製造業をターゲットに厳格な労使交渉を進めるよう指示しているとの情報もある。
工場従業員の大半は「農民工」と呼ばれる農村からの出稼ぎ労働者だが、少子化と高学歴化の影響で、供給が減少。しかも4兆元(約52兆円)にのぼる景気対策で内陸部の公共工事が増大し、「沿岸都市部に出稼ぎする労働者に不足感がでている」(みずほ総研上席主任研究員の鈴木貴元氏)。
中国では2008年の労働契約法施行で労働者の権利意識が高まり、昨年は約60万件の労働争議が発生している。06年の倍の勢いで、今年も増加傾向にある。また「同一労働、同一賃金」を明文化する「賃金法」の年内成立も検討されており、鈴木氏は「中国人従業員とのあいまいな労使契約が多い日系企業に紛争が広がる懸念がある」と警告している。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100531/biz1005312134022-n1.htm
ストライキが起きた中国のホンダの部品工場(広東省仏山)が31日、部分的に稼働を再開した。ただ、スト自体は続いており、部品も十分な量を供給できないことなどから、完成車工場の稼働は早くても2日以降となる。今後も部品工場の従業員とのぎりぎりの交渉が続きそうだ。
ホンダによると、ストに参加していない従業員を中心に、一部の変速機の組み立てを31日に再開した。ただ、部品工場全体の稼働ではないことから、比較的距離が近い広東省広州の3つの完成車工場は1日まで、距離のある湖北省武漢の完成車工場は2日までの停止を決めている。
同社はストが起きてから2度、賃上げを提示しており、現在は各従業員と個別に交渉を重ねている。
日本人との賃金格差に不満 ストの影響、他社も危機感/共同
【広州共同】中国広東省仏山市のホンダ部品工場を舞台にしたストライキは30日、発生から2週間を迎えた。中国人従業員らは工場に勤務する日本人駐在員との給与格差に不満を強め、労使交渉で態度を硬化させている。ストの影響で四つの完成車工場は操業を全面停止、同省に進出する他の日系メーカーも影響拡大を懸念している。
ホンダは29日、労使交渉を行った。同部品工場から約10キロ離れた寮では、従業員らが「日本人社員は中国人労働者の50倍もの月給をもらっており、こんなに格差があるのは不公平だ」などとまくしたてた。
しかし、ホンダは日本人社員の所得額を明らかにしておらず、従業員らは情報の出所について「同僚から聞いた」と言うばかり。従業員間のうわさで「50倍」という数字が独り歩きし、日本人の「高所得」がやり玉に挙げられている。
同工場は中国人従業員が1900人なのに対し、日本人駐在員は約30人。中国人従業員は月給を800元(約1万円)前後増額するよう求めている。
広東省にはホンダのほか、トヨタ自動車や日産自動車など大手日系メーカーが進出。物価上昇や労働者の権利意識向上で賃金交渉は厳しさを増しており、ある日系メーカーの現地法人社員は「ホンダのストが長引くと、いつうちに波及するか分からない。早期に解決してほしい」と危機感を募らせている。
中国のインターネット上では「スト支持」の声が広がり、反日的な書き込みも相次ぐ。「全国の労働者のため戦い抜け」などの意見が寄せられた掲示板は閉鎖され、中国当局が騒動の拡大に神経をとがらせていることをうかがわせる。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201005300221.html
日本人駐在員との給与格差「50倍」やり玉 中国ホンダ系工場スト /産経
中国広東省仏山にあるホンダ系の自動車部品工場で賃上げを求めて従業員らが行っているストライキで28日、中国人従業員らが日本から派遣された駐在員との「50倍」という給与格差問題をやり玉に挙げ、経営側を突き上げていることが分かった。
江西省の衛星テレビなどが同日伝えたところによると、ストが起きている「本田自動車部品製造」の女性従業員が手取りで月額平均約1千元(約1万3500円)なのに対し、駐在する日本人技術者は同5万元。従業員らは経営側に日本人の給与を公表するよう迫ったという。
中国では年内にも「同一労働同一賃金」を柱とする「賃金法」の成立が見込まれており、中国人従業員らはこうした法整備をにらみながら労使交渉を進めているものとみられる。
部品工場のストには1千人以上が参加。経営側は約350元(約4700円)の賃上げを提示したものの、従業員側は拒否した。賃金の倍増となる1800~2000元への引き上げを求めており、交渉は難航しているようだ。
工場からの部品供給がストップしたため、中国国内に4カ所あるホンダの完成車工場も操業停止に追い込まれる深刻な事態となっている。
ホンダは28日、中国国内の工場について月内の稼働を断念したことを明らかにした。31日に再交渉し、6月1日から稼働できるかどうか判断する。広東省広州の輸出専用工場に関しては31日、変速機の在庫がある50台だけ生産。関係者は「部品工場の復旧が最優先だが、並行して部品供給を検討中だ」と述べ、日本からの変速機輸送を検討する方針を示した。
生産停止の影響について「在庫があるため当面、問題はない」としているが、事態が想定以上長引いて生産計画に波及すれば悪影響が出る可能性も否めない。4月の四輪車の生産実績によると、中国でのホンダの生産は前年4月を28・7%上回る5万8814台で、4月としては過去最高だった。それでも、1~4月が前年比4割増という好調な販売状況に追いつかず、ホンダは中国での増産方針を発表したばかりだった。
現地事情に詳しい関係者は「中国政府が労働者の権益保護に力を入れる一方、経済発展と一人っ子政策の結果、労働者にとって“売り手市場”になっている」と指摘する。
ホンダに限らず、中国に進出している企業にとって、労使トラブルや労務コストの増大は頭痛のタネとなりそうだ。(上海 河崎真澄、高橋寛次)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100529/biz1005290806001-n1.htm
中国ホンダのストライキを支援するウェブ署名はじまる/レイバーネットML
中国ホンダの工場でストライキまだまだ続く/レイバーネットML
中国ホンダの工場でストライキ続く/レイバーネットML
よろしければ、下のマークをクリックして!
くっています。
◎ホンダ部品工場のストライキ終了、東風ホンダは2日から生産再開へ
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0531&f=business_0531_127.shtml
しかし現地からの情報では、一部の労働者は妥協して仕事に戻ったが、いまだス
トライキは続いています。
マスコミは会社発表だけを鵜呑みにするな!
香港を拠点に中国労働者の状況をウォッチしている「労工世界網」(http://www.worldlabour.org
)は、以下の国際支援の呼びかけを発しています。日本からの連帯署名を!
個人、団体の署名を求めています。
=====
国際支援:ホンダ労働者の闘争を支援し、賃金引上げと組合の改選を求める
労働組合、民間組織、中国の労働状況に関心をもたれる友人のみなさん
広東省佛山市のホンダ自動車部品製造有限公司(本田汽車零部件製造有限公司)
の労働者のストライキは14日目に突入しました。これは近年の中国労働者によ
って行われるストライキにおいては比較的持続したものであり、中国労働者の状
況に関心を持つ友人たちが富士康(フォックスコン)労働者の飛び降り自殺事件
で悲しみに暮れている最中、ホンダ労働者のこの闘争は疑いなく人びとを勇気づ
けるものでした。
闘争はすでに一定の成果をあげている、とホンダ労働者は語っています。およそ1800
名いる工場の労働者のうち、なんと8割もが技術学校に在籍中の実習生なのです
。かれらと会社がかわした実習契約によると、「労働法」は適用されず、賃金も
毎月900元で最低賃金を下回る水準で、社会保険にも加入していませんでした
。学校で募集があるとき、会社は食事と住居は保証すると約束しましたが、実際
には一食分しか保証されず、宿舎の光熱費は賃金から天引きされ、手取りはわず
か700元でした。実習生は一年ほどの実習を終えて卒業証書を取得したのちは
じめて正社員になることができます。しかし正社員になったとしても手取りは1
000元程度にしかならないのです。
5月17日、労働者たちはストライキに突入しました。会社側が召集した大会に
おいて、労働者たちは108項目の要求を提起し、会社側の要望を受け入れて3
0名の代表を選出しました。その後、会社側は誠意ある交渉に応じないだけでな
く、2名の労働者側代表を解雇し、見せしめにしようとしたのです。
5月24日になって会社側は55元の食事手当を提示しましたが、労働者たちに
拒否されました。実習生と正社員は高い勇気と団結を維持してストライキを堅持
しています。
5月26日に会社側が提示した案は、実習生の賃金を477元増額、正社員の賃
金は355元しか増額しないというものでした。労働者は会社側の分断提案を拒
否しました。
5月27日、全体で協議して再度会社側に以下の重要な点を要求しました。
1)基本給を800元増額し、増額した三日以内に労働契約を結びなおし、年間
昇給は15%以上とし、年末一時金、祝日手当は前年度を下回らないこと、
2)年齢手当を追加すること。一年あたり100元の増額、10年を上限、
3)ストライキに参加した労働者に対する報復を行わないこと、解雇された労働
者を復職させること、
4)労働組合を再編成し、委員長および関連人員の再選挙を行うこと。
5月28日、会社側は再度新たな提案を行った。実習生の賃金は三ヶ月目から6
34元増額する、正社員については355元の増額というものでした。同時に、
会社側はさまざまな手段を通じて仕事に復帰するよう実習生に圧力をかけ、31
日からの操業再開を要求しています。これら一連の過程の中で、ホンダ労組はス
トライキに参加した労働者に何ら支援の手を差し伸べないだけでなく、逆に早く
自分の持ち場に戻り生産を再開するよう労働者に要求しています。
会社側のさまざまな分断工作と弾圧に対して、今日5月31日、二週間持続して
いるホンダ争議は決定的なときを迎えます。わたしたちは中国労働者の状況に関
心を持つ全世界の労働組合、民間組織、友好人士に対して、中国ホンダ労働者の
正義の闘いを支持し、ホンダがストライキ参加者に対する分断と弾圧をやめ、労
働者の要求を公式に受け入れるよう圧力をかけることを呼びかけます。
1、すべての労働者に800元の昇給を行うこと
2、年齢手当100元を実施すること
3、解雇された労働者代表を復職させること
4、労働組合の再選挙
中国労働者に関心を持つ友人の皆さんに、今後の展開に注目し、労働者の要求を
支持するよう訴えます。
労工世界網:http://www.worldlabour.org/chi/(中国語)
メールアドレス:info@worldlabour.org
2010年5月31日
------------------------------
中国ホンダのニュースは全世界に発信されていて、6月1日の午後4時から、San
Francisco Hondaが中国ホンダのストライキを支援するデモをやるそうです。
日本でも何かできるといいんですけど。
------------------------------------
ホンダ中国スト、外資系に飛び火懸念 賃金上昇で“世界の工場”転機/産経
【上海=河崎真澄】部品工場のストでホンダが生産の全面停止に追い込まれた中国で、外資系製造業にストが飛び火する懸念が出ている。中国紙「京華時報」(電子版)は31日、北京にある韓国現代自動車系部品工場でも1千人規模の賃上げ要求ストが起き、完成車の生産に影響が出たと伝えた。出稼ぎ農民の減少による労働力の不足も背景にあり、外資にとっては賃金コストの上昇は避けられない。スト多発は、安くて豊富な労働力を背景とした「世界の工場」の転機を象徴している。
同紙によると、ホンダ系に続いてストを打った韓国現代系の自動車部品メーカーは北京星宇車科技。同社の部品供給先である完成メーカーで特別手当が支給されたことから、同様の手当を求め、生産がストップした。現代側の調停でストは収拾に向かっているが、大幅な賃上げ要求は撤回されていない。
ホンダと韓国現代のケースで共通しているのは、完成車工場と部品工場の待遇差だ。外資系企業では、より高い付加価値を産み出す労働にはより高い賃金で報いるとの考え方が一般的。だが、計画経済時代の意識が残る中国のブルーワーカーからすれば、同じ工場労働にもかかわらず部品工場が冷遇されているとの差別感がある。
中国内の急速な需要拡大に対応するため、完成車工場での厚遇を進めたこともあだになった。しかも、工場労働者は日本や韓国など本国から派遣された管理職や駐在員とのケタ違いの給与格差が中国メディアで報道されたことで、被害者意識を増幅させている。
経済成長率よりも低い工場勤務の賃上げ率に、現場の不満がここにきて一気に噴き出した格好だ。
中国に進出している外資系製造業の給与格差問題は、ほぼすべての業種に当てはまる。労組の全国組織である中華全国総工会が、外資系の製造業をターゲットに厳格な労使交渉を進めるよう指示しているとの情報もある。
工場従業員の大半は「農民工」と呼ばれる農村からの出稼ぎ労働者だが、少子化と高学歴化の影響で、供給が減少。しかも4兆元(約52兆円)にのぼる景気対策で内陸部の公共工事が増大し、「沿岸都市部に出稼ぎする労働者に不足感がでている」(みずほ総研上席主任研究員の鈴木貴元氏)。
中国では2008年の労働契約法施行で労働者の権利意識が高まり、昨年は約60万件の労働争議が発生している。06年の倍の勢いで、今年も増加傾向にある。また「同一労働、同一賃金」を明文化する「賃金法」の年内成立も検討されており、鈴木氏は「中国人従業員とのあいまいな労使契約が多い日系企業に紛争が広がる懸念がある」と警告している。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100531/biz1005312134022-n1.htm
ストライキが起きた中国のホンダの部品工場(広東省仏山)が31日、部分的に稼働を再開した。ただ、スト自体は続いており、部品も十分な量を供給できないことなどから、完成車工場の稼働は早くても2日以降となる。今後も部品工場の従業員とのぎりぎりの交渉が続きそうだ。
ホンダによると、ストに参加していない従業員を中心に、一部の変速機の組み立てを31日に再開した。ただ、部品工場全体の稼働ではないことから、比較的距離が近い広東省広州の3つの完成車工場は1日まで、距離のある湖北省武漢の完成車工場は2日までの停止を決めている。
同社はストが起きてから2度、賃上げを提示しており、現在は各従業員と個別に交渉を重ねている。
日本人との賃金格差に不満 ストの影響、他社も危機感/共同
【広州共同】中国広東省仏山市のホンダ部品工場を舞台にしたストライキは30日、発生から2週間を迎えた。中国人従業員らは工場に勤務する日本人駐在員との給与格差に不満を強め、労使交渉で態度を硬化させている。ストの影響で四つの完成車工場は操業を全面停止、同省に進出する他の日系メーカーも影響拡大を懸念している。
ホンダは29日、労使交渉を行った。同部品工場から約10キロ離れた寮では、従業員らが「日本人社員は中国人労働者の50倍もの月給をもらっており、こんなに格差があるのは不公平だ」などとまくしたてた。
しかし、ホンダは日本人社員の所得額を明らかにしておらず、従業員らは情報の出所について「同僚から聞いた」と言うばかり。従業員間のうわさで「50倍」という数字が独り歩きし、日本人の「高所得」がやり玉に挙げられている。
同工場は中国人従業員が1900人なのに対し、日本人駐在員は約30人。中国人従業員は月給を800元(約1万円)前後増額するよう求めている。
広東省にはホンダのほか、トヨタ自動車や日産自動車など大手日系メーカーが進出。物価上昇や労働者の権利意識向上で賃金交渉は厳しさを増しており、ある日系メーカーの現地法人社員は「ホンダのストが長引くと、いつうちに波及するか分からない。早期に解決してほしい」と危機感を募らせている。
中国のインターネット上では「スト支持」の声が広がり、反日的な書き込みも相次ぐ。「全国の労働者のため戦い抜け」などの意見が寄せられた掲示板は閉鎖され、中国当局が騒動の拡大に神経をとがらせていることをうかがわせる。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201005300221.html
日本人駐在員との給与格差「50倍」やり玉 中国ホンダ系工場スト /産経
中国広東省仏山にあるホンダ系の自動車部品工場で賃上げを求めて従業員らが行っているストライキで28日、中国人従業員らが日本から派遣された駐在員との「50倍」という給与格差問題をやり玉に挙げ、経営側を突き上げていることが分かった。
江西省の衛星テレビなどが同日伝えたところによると、ストが起きている「本田自動車部品製造」の女性従業員が手取りで月額平均約1千元(約1万3500円)なのに対し、駐在する日本人技術者は同5万元。従業員らは経営側に日本人の給与を公表するよう迫ったという。
中国では年内にも「同一労働同一賃金」を柱とする「賃金法」の成立が見込まれており、中国人従業員らはこうした法整備をにらみながら労使交渉を進めているものとみられる。
部品工場のストには1千人以上が参加。経営側は約350元(約4700円)の賃上げを提示したものの、従業員側は拒否した。賃金の倍増となる1800~2000元への引き上げを求めており、交渉は難航しているようだ。
工場からの部品供給がストップしたため、中国国内に4カ所あるホンダの完成車工場も操業停止に追い込まれる深刻な事態となっている。
ホンダは28日、中国国内の工場について月内の稼働を断念したことを明らかにした。31日に再交渉し、6月1日から稼働できるかどうか判断する。広東省広州の輸出専用工場に関しては31日、変速機の在庫がある50台だけ生産。関係者は「部品工場の復旧が最優先だが、並行して部品供給を検討中だ」と述べ、日本からの変速機輸送を検討する方針を示した。
生産停止の影響について「在庫があるため当面、問題はない」としているが、事態が想定以上長引いて生産計画に波及すれば悪影響が出る可能性も否めない。4月の四輪車の生産実績によると、中国でのホンダの生産は前年4月を28・7%上回る5万8814台で、4月としては過去最高だった。それでも、1~4月が前年比4割増という好調な販売状況に追いつかず、ホンダは中国での増産方針を発表したばかりだった。
現地事情に詳しい関係者は「中国政府が労働者の権益保護に力を入れる一方、経済発展と一人っ子政策の結果、労働者にとって“売り手市場”になっている」と指摘する。
ホンダに限らず、中国に進出している企業にとって、労使トラブルや労務コストの増大は頭痛のタネとなりそうだ。(上海 河崎真澄、高橋寛次)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100529/biz1005290806001-n1.htm
中国ホンダのストライキを支援するウェブ署名はじまる/レイバーネットML
中国ホンダの工場でストライキまだまだ続く/レイバーネットML
中国ホンダの工場でストライキ続く/レイバーネットML
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