私は執念深い訳ではありませんが さすがに理不尽な話で怒鳴り散らかさたりなんかすると 記憶から消え去る事はありません。 もう20年以上前の話ですが ある同業者とトラブルになった事があります。 その業者の社有物件を客付したのですが 契約が済んでからとんでもない事を言いました。 “仲介料は半分しか払えない” と 理由は私がつけたお客様が値引きの交渉をしたからです。 その値引きの交渉を飲んで契約したにも関わらず。 その業者は契約後に その値引き交渉を理由にして 私に払う仲介料を半額にすると一方的に言ったのです。 本来なら 契約前にその話をするべきなのに 契約は流れて欲しくない でも仲介料は値切りたい そんな情けない心理から 契約後になって値切って来たのです。 私も若かったですから ガンガンやり合いました で 最後は納得して 仲介料は全額払う って事になったのですが 今度は決済当日 その決済が終わり 仲介料を支払う段階になって 小切手で払うから事務所に取りに来いって話になりました。 で 領収書を持ってその事務所に行くと 手渡されたのは半額の小切手 で そこでまた怒鳴り合いとなりました。 しかも情けない事に その社長 無関係の人相の悪い男を3人事務所に呼んでありました。 まあこれから先はとてもブログには書けませんが 大変な騒ぎとなりました。 結果は しっかり全額払ってもらいましたが もうこの男の顔は2度とみたくない そう強く思いました。 その後 その人との接触は全くありませんが 会社がつぶれた事 そして 会社をつぶした後 奥さんの名義で細々と営業してるのは耳にしていました が それ以上の事は知る由もありません 2度と会う事もないでしょう。 実際その後 全く消息は耳にしませんでした で 20年以上の月日が流れましたが 先日偶然会う事になりました 当社にやって来たのです。 当社の管理物件にお客様を案内するため 鍵を借りに来たのです。 最初は社員が対応していましたが 社員が私を呼びに来ました。 その人が社長に会いたいから私を呼んでくれって言ったそうです。 で 私は出向き顔を見て すぐに分かりました。 20年以上経過しても あの出来事とあの顔は私の記憶から消える事はありません。 で 私も少し緊張して “久しぶりです” なんて事務的に挨拶すると その方 本当に親しげに “社長懐かしいね~ 随分立派になって大したもんだ” なんて話かけてきました。 それからしばらく言葉を交わしましたが 驚いた事にこの人 私とトラブルになったあの出来事 すっかり忘れてました。 逆に言えば だから私の所に来れるのです。 本当は私は今でも嫌な思い出として残ってますが まあこちらも大人ですからね 当たり障りのない話をして にこやかに別れました。 で 帰ったあと色々思った訳です。 なぜ私が永遠に記憶から消える事のない強烈な事を 本人は忘れてるのか? まあハッキリ理由は分かりませんが ひとつは 私にとっては大きな出来事ですが その人は誰とでもそんな感じで商売してたのでしょうから 特に記憶に残るトラブルでもなかったんでしょうね。 私との出来事は たくさんあるトラブルのひとつだった訳です。 で もうひとつの理由 これは多分加害者と被害者の違いと一緒ですね。 小さな追突事故で よくドライバー同士が怒鳴り合いをしてますが これは事故の衝撃の感じ方の違いに原因がある事があります つまり 実際体験すると分かりますが 車が軽くコツンとブツかった時 ぶつけた方の衝撃は軽いのですが ぶつけらた方は大きく感じます。 多分理論的には 備えができてるのとそうでないのとの違い それと慣性の法則による衝撃の違い この二つが重なって 感じ方に大きな違いが出る訳です。 これと同じで 当時のトラブルは 手数料を値切った方は 私の反応は全て想定して しかけてきた訳で 私が激怒するのは想定の範囲内だった訳です。 それに比べ私は 全くの不意打ちを食らいましたから 動転し 感情的になった訳です。 まあしかし 随分腹が立ちましたが 今その方はヨボヨボの老人です。 その姿を見ると 良い勉強をさせてもらった そんな気持ちが湧いてきました。 また 当時の自分の未熟さもよく分かります。 今であれば 相手の豹変はほぼ予測できますので トラブルになる前に しっかり備える事ができます。 当時の自分は 今にして思えば 小僧だった そう思ってます。 |