旅人

旅大好き 人生は旅よ
あと 何回行けるかな~

RUN BOY RUN

2015-12-07 | 映画
この所続けて、戦争による弱者の悲劇の映画を見てきました。


【ふたつの名前を持つ少年】独仏合作映画 監督 べべ・ダンカート(独) 主演の少年(8歳)の役には、双子の兄弟が、演じ分けていました。(見ていて分からなかったけど)
ドイツ人の監督で、この映画が作られたことにも感動しました。自国の過去の出来事に真摯に向う行動には日本も学ばねばと思います。
ポーランドに住むユダヤ系のパン屋一家。ナチスがポーランドに侵攻し、ユダヤ人狩りが始まる。
父は息子に、『名前を変えろ。父や母の名を忘れてもユダヤ人の心は決して忘れずに生き抜け!』の言葉を最後に左右に分かれて逃げ、父は射殺される。少年スリルックは、ユレクに名を変え、寒さに向う森の中へと逃げた。
暖かく迎えてくれた、パルチザンの夫を持つ夫人からは、生き延びる知恵を、教えられる。一度はナチに捕まるも、少年の持つ知恵で逃れ、ナチの将校が”ユダヤ人でなければ!”と、嘆息する程。物乞い、手伝いなどしながら 転々と放浪する中、種々の経験からユレクの知恵は深まり、命を守る方法を自得していきます。

ドイツの敗戦でユレクは自由に?と思いきや、ユダヤ人の孤児収容所に、入れられ教育を受けることになります。
戦後70年、ユダヤ人も日本人も、やっと手に入れた平和を死守しないと犠牲になった人達が浮かばれませんね。同じ事の繰り返しはない様にと、強く思いました。

命のビザ

2015-12-06 | 映画


エストニア・ラトビア・リトアニア のバルト三国に行ったのは、3年前になるかな。リトアニア カウナスに有る日本領事館にも立ち寄りました。
杉原千畝の成した命のビザの関連資料にも、出会えて興奮したのを覚えています。
時間を惜しんだかの様に、書きなぐったサインが印象に残っています。これらの資料は「ユネスコ 世界記憶遺産に登録されています。
北から エ・ラ・リ と 縦に繋がる三國は、東側はぴったりロシアにひっついていますし、
南には、ポーランド、ベラルーシ。更に南にはドイツが。
大強国に挟まれた弱小国の歴史は、何時の時代も悲惨です。
この映画も、第二次世界戦争時代、ヒットラーが勢力を増す時代です。ユダヤ全滅を掲げるドイツの刃から逃げ惑う人達に、他国は強国の睨みに怯え、ビザの発給を拒否する中、日本のリトアニア領事館のみ、ビザを発給し (2139枚、 6000人)多くの人達に救いの手を指し伸べました。日本領事館杉原さんの正義と勇気には脱帽です。本国の許可も得ない中でのこの行動は、当時の常識から言えば、仕事は勿論、命も危ない非常識な行動です。
戦後は 公務員の資格は、剥奪されました。
しかし今世界に居られるこの方達の子孫は4万人になると、言われています。そして、皆さん 感謝の念を忘れてはいません。
難民問題は今も起こっていまそす。この映画は皆に考えるきっかけになればいいなと思います。

鎮魂

2015-12-04 | 私の本棚
キューバからお土産に持ち帰った風邪もやっと治り、心も体もホッとしています。
友人からこんな本が送られてきました。

「鎮魂」科田玲子 著 〈しなた れいこ。81歳〉


作者は、私と同年代の方。縦軸に家族の歴史を追いながら、横軸にその時々の歴史を語る、まるで一冊の昭和史になっておりました。
母 静 の手記を紐解きながら、娘 昭子の 想いを重ねて書いています。その時々の世相は、私も経験した 共通の空気を感じ、追体験しながら 読み進めてしまいました。

友人曰く 【その時代を生きた人達だけが理解出来るような本なので、見向きもされないかも!又 果たして書店で扱ってもらえるか?】等々、心配する文書も同梱されておりました。
私は強く思いました。戦争を知らない人達にこそこの本を読んで欲しいと!

その時々の市井の人達の生活、感情も細やかに描かれ、政治的な事象も、改めて納得してしまう様に丹念に調べ上げ、記されております。

12月1日初売の由、是非店頭に並び、多くの人に読んで欲しいな~~