旅人

旅大好き 人生は旅よ
あと 何回行けるかな~

シリアの花嫁

2009-03-10 | 
               

靖国通りを西へ 白山通りとの交差点に岩波ホールはあります。

本屋を覗きながらの、のろのろ歩きで 開演に少々遅れて入りました。 

”入れ替え制ですよ。いいんですか?” と2度 念を押し 窓口のお嬢さん 切符を渡してくれました。

こちら方面に来たときは 何時もここ 岩波映画に 立ち寄ります。
今日も 演目 目当てというよりも ついで という感じです。

それでも 何時も見終わった時 感激してるのです。今日もそうでした。

イスラエル占領下の 村の女性が ゴラン高原を越えて、シリアの男性に 嫁入りする事になりましたが、
この村 全員 無国籍者。しかも両国の取り決めで 国境越えたら 2度と 里帰りは出来ません。

こんな状態で する結婚 本人はもとより家族も 暗い気持ちで式当日を迎えました。
又家族が夫々問題を抱えながらの 集合でした。父は思想問題で、警察の監視下にあり。兄はロシア人と結婚した為本来ならば 入国は不可。次兄はイタリアで貿易をし、弟はシリアの大学生(なのでゲートの向こうから花婿と拡声器で会話する状態)
残る姉も 自分の生き方に疑問を持ち 子供の成長を機に 生き方を変えようと思っている。 

映画は夫々のエピソードを盛り込みながら 式 当日一日だけの 物語りになっています。

日本と同様に お世話になった人たちに馳走し 家族共々花嫁は国境に向かいます。
そこでの 出国手続きがすんなりいきません。印鑑が有るとか無いとか・・
国境に駐在している 赤十字の女性が行ったり来たりして、双方に納得を求めるのですが
埒明きません。遂にUnの女性も お手上げしてしまいます。
皆が 思案投首の状態でいる時 花嫁は静かに一人ゲートを潜り 花婿に向かって静かに歩いていきました。

ここでカメラは 振り返る花嫁の顔を 取っただけで その先追い駆けていません。
後は夫々の感慨に お任せしたのかも知れません。多くの問題を含んでいるのですが、
案外コミカルな、部分もあって 暗い気分には成りませんでした。

2004年制作 モントリオール映画祭で受賞。監督・エラン・リクリス(イスラエル)

今日は東京大空襲の有った日。戦争・国の争いで、多くの人が犠牲になっています。
未だに争いが絶えません。 

今日の日めくりカレンダー  Makes sense. なるほどね。