おぐち自給農園、2反百姓の日記

-都市の貧困と農村の貧しさをつなぐ、「生き方」としての有機農業を目指して-

都市に学ぶ

2009年07月27日 06時14分09秒 | 雑感
 なんだかんだ農家・農村を訪問する週末が続いている。仕事がらみではあるが、7月4日は栃木県の麻栽培農家へ、12日は小川町・霜里農場へ、17~18日は自分の農場へ、20日は練馬区・白石農園へ、25~26日は静岡県川根本町のお茶無農薬栽培農家へ。別にフィールドワークや調査などではない。

 研究者やNPOの人でもなんでもいいのだが、フィールドワークをすることの意義、目的等々、色々悩んでいるところが多々あるため、あまり今はお堅い考えで農村をまわりたくないと今は思っている。実家で地道な農業やっているほうが楽しいな~と思うし、あまりにもやらなければならないことが多い生活、情報が氾濫している生活から、農的生活にどんどんシフトしたいと考えてしまう。

 だけど、農家をまわっていると刺激をもらって帰ってくる。20日に初めて練馬区の白石農園を訪ねた。日本で最も有名な農業体験農園だ。農業体験用の農園には100以上の区画があり、そこを都市生活者がせっせと耕している。どこも立派な野菜を育てている。サトイモ、ネギ、トマト、ナス、落花生、キュウリなど、美しく育っている。自給用野菜だ。

 こんな暑い日に、電車や自転車で通って農業をやっている。農業やるために電車で通うなんて僕には考えられないのだが、それほどまでにみな農業というか農を欲している。何よりも参加者の意識がとても高い。

 そう、僕が大学進学のために長野から上京して早7年以上が経つ。当然だが、田舎から出てきている人よりも、関東近辺から通っている人のほうが多い。一番驚いたことが、都市生活者や非農家の人たちが、農業にとても関心があるということだ。ゼミごと田んぼをやったり、学内の空き地を耕したり、自分の家で耕したりと、先生方が特に熱心だった。

 都市に生活人たちがなぜここまで農的生活や田舎暮らしに憧れるのかが、僕も生活をしてみてようやくわかった気もするが、当時は不思議でならなかった。田舎にいるころは、農家だからそうなのだが、近くに田んぼもあるし、畑もあり、そこから日々の食生活が構成されていた。日常的な生活風景でしかなかった。

 田舎が都市生活者の熱心さを学ぶことも大切だ。この熱心さは素直に畑の美しさにあらわれる。うちの母親なんて、家続きですぐ裏にある畑に出ることでさえ、面倒だと文句を言うときもある。歩いて30秒もかからないのに。。。だからうちの畑は草ぼうぼうで、見るも無残な畑だ。

 都市が田舎に学ぶと同時に田舎も都市に学ぶことがあるな~としみじみと実感した日だった。