おぐち自給農園、2反百姓の日記

-都市の貧困と農村の貧しさをつなぐ、「生き方」としての有機農業を目指して-

お年寄り・自給・有機農業

2010年01月28日 22時27分24秒 | 有機農業
 先日実家に帰った時の夕飯にホウレンソウのおひたしが出た。今の時期、霜が降りて甘みを増したホウレンソウは格別にうまい。うちのちぢみホウレンソウは全部収穫しつくしてしまい、もうない。時期をずらして蒔いたホウレンソウも成長が悪く、もしかしたらここから暖かくなれば大きくなるかもしれないが、展望は暗い。あ~、パオパオかけておけばよかった。。。

 3軒隣に僕の家の本家がある。とくに跡継ぎが住んでいるわけでもなく、おばあちゃん、もう90歳近いのだが、一人で家を守り、自給分の農業、いや農的生活を送っている。一人しかいないので、当然、収穫する野菜は余ってしまう。なので近い僕の家まで届けてくれるらしい。僕はあまり会ったことないんだけど。僕のじいちゃんが生きていた時は、トラクターで畑を耕してあげたり、面倒を見ていたらしい。

 今回はホウレンソウを持ってきてくれた。何も肥料も入れず、薬もまかず、育てている。有機農業やっているとか、自然農やっているとか意図的にそういうことしているわけではない。90歳近くになるおばあちゃんは肥料を買いにいくことができないのだ。もうお年寄りだから。なので畑には化学肥料は入れていない、というか入れることができない。自分で食べるものだから、農薬なんてまかない。かろうじて苗や種なら近く、といっても、少し坂を登らなければいけないが、直売所があるのでそこで購入することができる。

 ただ、ホウレンソウが立派なこと立派なこと。ほとんど20cm以上あり、甘くておいしい。この時期、ホウレンソウは被覆資材を被せないとと言っていたみたい。いただいたハクサイも立派だったらしい。化学肥料や農薬買えなくったって、立派に育てている。ただただ関心するばかりだ。


玉ねぎの除草など

2010年01月26日 21時01分51秒 | 
 先週の木曜日あたりから体調を崩し、ちょっとへこんでいたのだが、緊急で病院に行き、薬をもらって一安心したところで、土日の週末はYMCA農村塾というプログラムのため静岡県の御殿場へ。新宿から箱根行きのバスで向かったが、その車内は外国の方が大半を占めていた。そしてほぼ全員が御殿場インターのところで降り、アウトレットへと向かった。まだまだ人が溢れているんですね、御殿場アウトレットは。

 3年ぶりの農村塾参加だった。今回は地域をテーマにしたプログラム。参加者は農家の方も多く、話を聞くだけで、僕にとっては勉強になる。毎回参加すると、あー実家を拠点に活動したいという思いが大きくなる。塾の内容については改めて書きたい。

 そんな思いを持ちつつ、新宿へ戻り、そのまま塩尻へ帰省した。ちょっとゆっくりしたいと思い、帰った。結局、ゆっくりはしていないのだが、今日は、日中よく晴れたので外で作業した。この時期、あまり作業することがなく、見回しても僕だけだった。

 畑には、大根やネギ、人参、カブ類がある。母親は寒いのであまり畑に出たくないみたいなので、家で食べる分の野菜を収穫。水が冷たい。

 花豆などの支柱を今さらながら片付け、ラジオを聴きながらネットに絡みついた豆のつるをハサミで切る。支柱は完全に倒れてしまっていたので、ネットは使い物にならないのだが、つるを取り外し、堆肥場に戻した。

 その後、玉ねぎの除草。ビニールマルチをしているが、隙間から雑草が伸びているので、ひと穴ひと穴雑草を抜き、霜で浮き、暖かくなりそれがとけてやわらかくなった土を手で押し、足で踏んで、玉ねぎの根と土を密着させた。

 昨年はこの作業をしなかったので、ほとんど全ての苗が地上に投げ出されていた。今年もいくつかの苗は、浮き上がり、地上に押し出されていた。こんな感じで。

     
 
 玉ねぎの苗は全体的に枯れていて、元気はないが、昨年もこんな感じだったので、これから暖かくなれば、元気になってくるだろう。ニンニクやワケギも顔を出していた。

      

 黒大豆の脱穀をしなければと思いつつ、全然手をつけていない。

     

 あ、花豆もビンに入れて保存しなければ。ここから今年用の豆を残し、先日の農村塾で手に入れた花豆も今年育てる用にしよう。

 そうそう、僕の先生からキクイモももらった。少し種イモ用に保存しようと思う。調べたら、背丈は3m以上になり、きれいなオレンジの花が咲くらしい。が、土中の栄養分をすごく吸収するらしい。どうしよう。



日本有機農業研究会全国大会に出ます。

2010年01月19日 07時34分50秒 | イベント
 3月6日(土)、7日(日)に日本有機農業研究会の全国集会が開かれます。今年は神奈川県で、横浜市にあるかながわ労働プラザが会場です。→ http://www.joaa.net/moyoosi/mys-69-1105.html

 6日の分科会、第2分科会「畑から考える平和と共生」の座長を僕がつとめます。分科会の中では最も広いテーマを扱うのではないかと思います。そのため、発題者もアジア、アフリカ、ヨーロッパ、日本と各国の事例を紹介してくれます。まとめるの難しそうですが、楽しみたいです。他の分科会も面白そうです。他のも聞きたいのですが。。。

 というか、こんな若造が座長をやってもいいのかという感じで、ちょっと役が大きすぎるという気もするのだが、とにかく場数を踏んで、刺激をもらわなきゃですかね。

 農業と平和は僕の関心テーマであり、将来的にはきちんと整理したいテーマでもあるので、少し平和という観点から改めて農業ないし農を考えてみます、勉強します。当たり前のような感じもするんですがね、まず農業は食を生み出し、そのほかにも衣、住もまた創り出す営みなのだから。当たり前だと思っていることを整理して客観的に考えるのは大事ですね。

 関東近辺の方、実践していなくても有機農業に関心のある方、消費者、学生、どなたでも参加できますので、ぜひ!

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第38回日本有機農業研究会大会
全国有機農業の集い 神奈川大会大会「有機でひらこう! 日本農業と食の未来を」

■日 時: 3月6日(土)~7日(日)
■会 場: 神奈川県立 かながわ労働プラザ(℡ 045-633-5413)
      宿泊:東横イン横浜スタジアム前(℡ 045-228-0045)
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【1日目:3月6日(土)】 受付開始 12:00
■基調講演:13:30~14:45 かながわ労働プラザ多目的ホール
 「日本農業の進むべき道」 講師:鈴木宣弘さん(東京大学大学院教授)
■分科会:15:30~18:00
 ★詳細後述
■懇親会:18:30~20:30
■新規就農の語らい:20:30~21:50

【2日目:3月7日(日)】 受付開始 9:30
■記念講演:10:30~12:00
 「農薬と人体被害の実態」 講師:青山美子さん・平久美子さん
■種苗研修会・種苗交換会:13:30~16:30
 ・自家採種と有機農業(岩政利さん・林重孝さん)
 ・有機農業における種苗調査報告(今井優子さん)
 ・自家採種種苗の説明(種苗提供者)
   ※種苗交換会に提供する種苗は、説明文を付けて小分けしてください。
■種苗研修・交換会に出席しない人のプログラム
①躁体法 ②映画上映「みんな生きなければならない」
 ③横浜ウォーク ④平和展示室と鎌倉めぐり
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★分科会タイトル・座長・発表者★
第1分科会 有機農業の技を語り合う
  座長:大平勝(大平農園)
  発表者:林重孝(林農園)、舘野廣幸(舘野農園)

第2分科会 畑から考える平和と共生
  座長:小口広太(おぐち自給農園)
  発表者:勝俣誠(明治学院大学国際部教授)、丑久保完二(ネパーリ・バザーロ副代表)、島岡博子(横浜共同購入の会代表、あーすぷらざ展示ボランティア)

第3分科会 都市生活者と有機農業
  座長:相原成行(相原農場)
  発表者:近藤勇機(農業)、松田ゆり(カフェ経営)、石田周一(地域作業所グリーン所長)、中原茂樹(あしがら農の会)

第4分科会 産む力 -食べ方と暮らし方のかかわりの中で
  座長:田中信子(横浜共同購入の会)
  発表者:横田裕美(はぐくみ自然農園、助産師)、柳谷励子(わらしべ農園)、大津綾子(マナ農園)

第5分科会 一楽思想とこれからの「提携」
  座長:関塚学(関塚農場)
  発表者:並木芳雄(並木農園)、今道代(今ファミリーファーム)、若島礼子(安全な食べ物をつくって食べる会)、浅井まり子(食生活研究会、地元の農業を考える会)

第6分科会 森・里・海の循環と腐植
  座長:魚住道郎(魚住農園)
  発表者:西田雄三(金沢医科大学総合医学研究所)

第7分科会 工業的農業から有機農業ヘ-「種子」から見る
  座長:安田節子(食政策センタービジョン21)
  発表者:生井兵冶(筑波大学農林学系元教授)

第8分科会 食農教育の実践
  座長:松沢政満(福津農園)
  発表者:澤登早苗(恵泉女学園大学大学院准教授)、窪川典子(織座農園)
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■参加費
①全日程参加(大会:1日目~2日目、懇親会、宿泊:客室シングル) 16000円
②全日程参加(大会:1日目~2日目、懇親会、宿泊:客室ツイン) 14000円
③全日程参加(大会:1日目~2日目、懇親会参加、宿泊なし) 9000円
④全日程参加(大会:1日目~2日目、懇親会参加なし、宿泊なし) 4000円
⑤1日のみ参加(第1日目のみ、又は第2日目のみ参加) 2000円
⑥懇親会のみ参加 5000円
※宿泊の部屋数は、シングル部屋は80室、ツイン部屋は、30室(2人×30=60人)先着願に受け付けます。事前に部屋の空きを事務局に確認のうえ、早めにお申込みください。

■申込方法
 振込用紙に上記の番号と内訳、男女別、希望する分科会番号を記入のうえ合計金額を締切日までにご送金ください。
【ゆうちょ銀行口座番号】00240-8-53226
【口座名称】神奈川大会実行委員会

■申込締切り 2月15日
※参加申込みを取り消す場合は2月25日までに、大会実行委員会窓口の日本有機農業研究会事務局にご連絡ください。それ以降の取消は参加費の払い戻しができません。

■会場への交通案内など
<神奈川県立かながわ労働プラザ>
1.東京駅から京浜東北・根岸線で「石川町駅」下車。中華街口(北口)徒歩3分。
2.東海道新幹線からは、新横浜駅でJR横浜線に乗り換え、横浜駅で根岸線に乗り換えて「石川町駅」下車。
3.車の方で東横インに宿泊の場合は、チェックイン前から駐車できます。
 労働プラザにも駐車場があります。
 いずれも有料ですが、東横インの方が割安です。

<宿泊:東横イン横浜スタジアム前>
1.次のいずれの駅からも徒歩5分
 JR根岸線「関内駅」、又は「石川町駅」(北口)
 横浜一市営地下鉄「関内駅」
 みなとみらい線「日本大通駅」
2.契約駐車場有;先着90台
 16:00~翌日10:00 800円
 それ以外の時間は1時間200円(上限1500円)、1日上限2300円
3.チェックイン前、チェックアウト後の荷物の預かり可能です。
4.朝食はおにぎり・味噌汁、パン・コーヒーから自由に選べます。


花豆とライ豆

2010年01月17日 11時48分14秒 | 
 ようやく大学院に提出する書類を書き上げて、先週提出した。2月の面接に向けてパワーポイント資料を簡単に作らなければ、と思いつつ少し肩の荷が下りた感じはあったが、まだまだかかなければならない文章がいくつかあり、今度はそちらに力を向けなければならない。農閑期なので、長野に帰ることも今は少ないので、パソコンに向かう時間が増えてもいいのだが、メールを返したり、文章を書いたり、長時間はやはり疲れる。

 田口ランディさんの小説『モザイク』を電車の中とかで読んでいるが、そこには電磁波のことが出てくる。パソコンの前に座っていることで、相当な被害を受けているのかな~と思いながら、そこに居なければ仕事が進まないので、どうしたもんかな~と思う。

 正月は帰省し、3日間という短い時間であったが、テレビ見て、美味しいもん食べて、ゆっくり寝て、寝て、という生活。雪はパラパラ降ったり、時々ふぶいたり、やはり寒さはピカイチであったが、2日は太陽が出ていたので、外で豆類の脱穀をした。花豆とライ豆の2種類。

     

     

 上が花豆で、下がライ豆。まだ選別していない。正月に間に合うように脱穀すればよかったが、間に合わず、正月は違う農家からもらった花豆が出てきた。それもおいしかった。今年まく豆を保存して、他は食べてしまおうか。ちょうど再来週には帰れるので、その時に煮豆を食べよう。

 黒大豆はまだ全然脱穀せずに、立てかけて乾燥させているので、今度帰ったら脱穀でもしようかな。畑はまだまだ寒く、土がカチンカチンなので、作業はさほどできない。作付計画でも立てながら、1年間の予定を立てよう。
 





農家の台所@恵比寿

2010年01月08日 07時01分51秒 | 有機農業
 一昨日、久しぶりに大学時代の友人に会い、ご飯を食べに行った。僕も含め3人とも農業・環境関係の仕事についている。連れていってもらった夕飯のセレクトもそんな感じのところ。恵比寿にある「農家の台所」というレストランだ。

 普段、9割以上、居酒屋しか行かないので、久々にレストランというか、お酒を「飲みにいく」という感じではなく、「ご飯を食べにいく」という夜だった。

 農家の台所は、かの有名な、最近、農業に参入し色々とメディアにも取り上げられている高橋がなり氏主宰の国立ファームが運営している。3店舗あるらしく、国立、恵比寿、新宿3丁目にある。お金ありますね。

 食材もそれになりのこだわりがあり、キャッチフレーズは「野菜のためのレストラン」。そして、「ニッポンの篤農家から直送で届く旬の野菜たち」。無農薬や減農薬、有機栽培をメインに全国から選りすぐりの食材を集めている。

 お店の入口には野菜や加工品販売コーナーが設けられており、店内は厨房を見渡せるカウンター席、2階にも樽の形をした個室スペースのようなものがあった。お客は、若い女性、カップル、僕らみたいなむさくるしく男3人と様々。女性が多かったですかね。
 
 しかも生産者の垂れ幕のような大きな写真、選挙ポスター風の写真がずっらっと飾ってあり、以前群馬に行ったときにお話を聞いた農家の写真まであるではないか。これはインパクト大だ。根菜名人党みたいに党の名前まで付いている。キャッチフレーズもあり、「稲作はやめた。レンコン一筋30年」みたいに。ユーモアたっぷり。

 ディナーは、野菜、肉、魚の割合で決めることができ、それぞれの比率が、10:0:0、6:2:2、4:3:3と分かれている。好みによってその割合を選ぶことができ、3,800円、4,800円、5,800円とコースの値段設定がされている。なかなか斬新なメニューでした。今は、ローフードだとかベジタリアンが増えているので、こういうのもありかなという感じ。

    

 やっぱ、携帯が古いのか、携帯で撮る写真はぼけてしまう。もう5年も使用しているのでしょうがない。8種類の料理からなるコースだ。前菜からデザートまで、いたれりつくせり、こんなディナーは久々だ。いつもよりもビールがおいしく感じてしまう。

    

 なんといってもサラダバーがあるのがうれしい。人参、キャベツ、サラダホウレンソウ、大根、カブ、レタスなど10種類くらいあったかな。サラダはとり放題、食べ放題。ドレッシングも3種類ある。

     

 山芋やイチゴを混ぜ合わせたという野菜ジュース。これはおいしかった。意外な組み合わせなのに、絶妙な味。一口サイズがピッタリだった。

     

 そしてポトフ。人参の下にあるのはサトイモの一種で、名前を忘れてしまったが、東京でとれる地元野菜みたい。あー思い出せない。最初はお正月だからブリだと思ってしまったが、食べてみるとお芋だ。普通のサトイモよりも、パサパサしている感じ。料理には地元野菜をよく使っていた。

 ここからはお酒が入り、写真は撮らなかったが、入口付近の加工品・野菜売り場の様子。

     

 珍しい野菜はたくさん並んでました。マイクロトマトや黄色いトマト、アイスプラントとか。正直、見たことないものが多かった。 

 といった感じで、農家のレストランを堪能した。今、こういうお店いっぱいあるけど、お店によって見せ方も売りも様々だ。貧乏なので3800円コースだったが、それでも十分満足がいく内容だった。

 ぜひ一度行ってみると、野菜のことを色々考えながら、話しながら味わうことができるだろう。野菜について尋ねると、店員さんも親切に応えてくれる。もうちょいメニューを詳しく載せてくれるとうれしいかなとも思うが、これも店員に話しかけるように仕向ける作戦か。
 
 農家の台所のHPはこちら→http://www.noukanodaidokoro.com/