おぐち自給農園、2反百姓の日記

-都市の貧困と農村の貧しさをつなぐ、「生き方」としての有機農業を目指して-

森林ノ牧場(那須)に行ってきた。

2011年02月16日 09時41分09秒 | 有機農業
 もう2月中旬。昨日で、入試監督業務が終わり、僕も大学受験は浪人までして苦労しているので、学生たちを見て、懐かしい思いにふけり、大きい荷物を抱えているのを見ると、きっと地方から出てきて、今日で入試が終わるんだなと、当時の自分に重ね合わせてしまいます。僕も当時は1週間以上ホテルに缶詰になって、会場に向かったけ。最終日は、すごい荷物で。

 13日に、栃木県那須町、森林ノ牧場に行ってきました。鈍行に揺られること4時間。タクシーで15分ほど。色々打ち合わせをしたのですが、森林酪農という新しい酪農のスタイルで、森林の中で牛さんたちは暮らし、自然分娩。本当に、人間は搾乳するだけで、牛たちはのびのびと育っています。

 日本の酪農や畜産は、飼料高騰などで、相当不安定な環境にありますが、70%以上を占める日本の森林を活かしたこれからの酪農の1つのスタイルかもしれません。しかも小規模でもビジネスとして成り立つモデルという点では、森林ノ牧場のようにカフェを併設したり、プリンに加工したりと様々な可能性があり、地域を元気にするモデルのような気がします。

 そして、低温殺菌、ノンホモ牛乳。エサも安全で、健康。南会津で、化学物質過敏症の方の話を聞いて、「健康」は改めて、重要なキーワードになると思い、それを改めて考えなければならない現代社会がどうも矛盾に満ちていると痛感。この牛乳は、現代のニーズに十分応えているし、なによりも、むちゃくちゃ美味しい。

  

 ついつい買ってしまいました。後味、香りが本当に甘い。 

 新しい酪農スタイルの提案だけでなく、福祉や企業との連携など、多元的にその価値を広げていることも注目です。

 夏場、1ヶ月ほど研修でお世話になる予定です。

  

あたり前に生きたい、ムラでも、マチでも TPPでは生きられない! 座談会(2月26日)

2011年02月09日 20時06分45秒 | イベント
 大野和興さんや菅野芳秀さん、山下惣一さんらが呼びかけです。誰でもスピーチに参加できるそうです。ぜひご参加ください!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あたり前に生きたい、ムラでも、マチでも
 TPPでは生きられない! 座談会
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 TPP(環太平洋連携協定)というのをご存知ですか。まだ正体のよくわからないこの妖怪がわたしたちに襲いかかろうとしています。

 もともとは2006年に発効したニュージーランド、チリなど4カ国の小さなFTA(自由貿易協定)だったものが、新たにアメリカ、オーストラリアなど数カ国が参加を表明したため「バスに乗り遅れるな」とばかり菅首相が飛びつき、財界や大手マスコミが政府の尻を叩き、その賛否を巡っていまや大論争となっています。

 それぞれの家庭にそれぞれの事情や都合があるように国や地域にとってもそれは同じです。相手の立場に配慮して協議をすすめるのが貿易交渉ですが、TPPは例外なき自由化を強引に進めようとするものです。菅首相はこれに参加することを、明治維新、敗戦に次ぐ「第三の開国」と述べました。

 これが実行されたら、コメをはじめとして畑作物、乳製品から沖縄のサトウキビまでほとんどが輸入物に置き換わり、食料自給率は14%まで低下すると農水省は試算しています。これは地域の崩壊を意味し、人が暮らし続けることができるバランスのとれた社会としての「日本」の終わりを意味します。

 マスコミの一部は「牛丼が200円になる」とはしゃいでいますが、労働力も自由化され、際限のない賃金水準まで下がりつづけ、安い牛丼すら食えなくなることを覚悟しておくべきでしょう。ワーキングプア、非正規社員はふえつづけ、農村からの離村者なども含め、都市に失業者があふれることにもなりかねません。

 いったい誰のための自由化でしょうか。私たち農民はもとより、多くの人たちにとって、なんのメリットもありません。どうか、みなさん。この愚挙、この暴挙を阻止するために、私たちと共に立ち上がってください。

 2月26日に全国の百姓が東京に集まり声を挙げます。多くのみなさんの参加を呼びかけます。
  

  【とき】2月26日(土)午後1時~5時
       ※ 終了後は経団連へのキャンドルデモ(5時30分に錦華公園集合、キャンドルは各自持参)

  【ところ】明治大学リバティータワー2階1021教室
        JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水駅」下車徒歩3分
        東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」 下車徒歩5分
        都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線「神保町駅」 下車徒歩5分

-----------------------

【プログラム】

■基調講演 
 
◎中野剛志さん(京都大学大学院工学研究科(都市社会工学専攻)助教)
〈プロフィール〉  
 1971年生まれ、東京大学教養学部(国際関係論)卒業。通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年よりエディンバラ大学留学、2005年博士号取得。経済産業省産業構造課課長補佐等を経て現職。TPP問題については反対の立場を鮮明にあらわし、新聞、ネット上などで反対論を展開している。著書に『自由貿易の罠』(青土社,2009)、『考えるヒントで考える』(幻戯書房,2010)、編著に『成長なき時代の「国家」を構想する―経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン―』(ナカニシヤ出版,2011)などがある。

◎自由化と闘う韓国農民からの報告(全国農民会総連盟・郭吉子政策局長)
 
■TPPやグローバリゼーションの影響を受ける多くの人たちからの3分間スピーチ
     
-----------------------

【主  催】 TPPに反対する人々の運動実行委員会

【共同代表】 山下惣一(佐賀・百姓) 、菅野芳秀(山形・百姓)、 天明伸浩(新潟・百姓)

【問い合わせ先】
  平和フォーラム事務局内 市村
  Tel:03-5289-8222 Fax:03-5289-8223 Email:ichimura@gensuikin.org

★全国のみなさんからのメッセージを募集しています。ムラでもマチでも当たり前に生きたい、という当たり前の思いをぜひお寄せください。集会で参加者へ配布し、共有したいと思います。
  宛先:E-mailあるいはファックスで上記問い合わせ先へ。200字以内でお願いします。

★集会へ賛同していただける団体・個人を募集中です。上記の問い合わせ先まで連絡をお願いします。
 (賛同金は不要ですが、カンパは大歓迎!です。 下記口座へよろしくお願いします。)

<振り込み口座>  カンパをお願いします
  ゆうちょ銀行
  口座記号番号 00170-4-457096番 「TPP反対連絡会」

☆最新情報は下記サイトをご覧ください
http://www.geocities.jp/yaoyahyakusho/muramachi/home.html

***

遺伝子組み換えを問う!NON-GMO映画祭(2月9日、11日、12日)

2011年02月09日 12時05分52秒 | 映画
「パーシー・シュマイザー-モンサントとたたかう」は遺伝子組換えの入門編としてのわかりやすい映画です。

/////////////////////////////////////////////////
2月9日(水) 中野区 野方区民ホール

■会場:野方区民ホール
(東京都中野区野方5-3-1 野方WIZ地下2階)
 西武新宿線野方駅から徒歩3分

■スケジュール: 18:30 開場
19:00 「Life running out of Control 」上映
20:00 天笠啓祐さん講演
 (市民バイオテクノロジー情報室代表)
20:35 「パーシー・シュマイザー」上映



2月11日(金祝)12日(土)  新横浜 スペース・オルタ

■会場: スペース・オルタ
(神奈川県横浜市港北区新横浜2-8-4 オルタナティブ生活館B1)
 新横浜駅 徒歩7分  TEL 045-472-6349       

■スケジュール: 開場は各回とも30分前
 1回目上映 
14:00 「Life running out of Control 」
15:10 「パーシー・シュマイザー」
 *講演  16:30 ~18:00 
 2回目上映 
18:30 「Life running out of Control 」
19:40 「パーシー・シュマイザー」

 *講演は、2/11は白井和宏さん(生活クラブ・スピリッツ)
  訳書「それでも遺伝子組み換え食品を食べますか?」他
  2/12は天笠啓祐さん(市民バイオテクノロジー情報室代表)
  *1回目上映と2回目上映の間で、どちらの方も参加できます。

■料金:予約・前売り1300円/当日1500円
■共催:遺伝子組み換えを考える上映会/スペース・オルタ/小林大木企画
 後援:遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
■予約・お問合せ:TEL/FAX 042-973-5502(小林大木企画) 
TEL 045-472-6349(スペース・オルタ)

詳しい映画の内容はこちらをご覧ください。
「 Life running out of Control  暴走する生命」       
http://www.bekkoame.ne.jp/ha/kook/liferunning.html

「パーシー・シュマイザー  モンサントとたたかう」
http://www.bekkoame.ne.jp/ha/kook/percypage1.html

懐かしい未来サロン 筧次郎さん(2月26日)

2011年02月09日 11時22分34秒 | イベント
 懐かしい未来のイベントです。ヘレナさんの映画『幸せの経済学』も完成したという連絡をいただき、上映会がいくつか企画されてますね。ヘレナさんもそれに合わせて来日。懐かしいです。対談も辻信一さんや丹羽順子さん鎌仲ひとみさん、などよく知っている人たちばかりです。どれも2月下旬で参加できないのが残念です。

 今回のサロンは、スワラジ学園の筧次郎さん。言わずと知れた有機農業の先駆者です。場所は、明治学院大学。ご都合の合う方はぜひ。


////////////////////////////////////////////////////////////////
懐かしい未来のサロン 第11回

   本当の豊かさと自立の生き方とは
     ――百姓暮らしからみえてきたこと

 工業社会の見せかけの豊かさではなく、自給自足的な生活の豊かさを求めて、でき
る限り機械に頼らない「昔の百姓暮らし」を目指し、それを実践してこられた筧次郎
さん。四半世紀以上にわたる筑波山麓でのその暮らしなかで、日々さまざまに思考し、
書き綴ってきたエッセイ集『百姓暮らしの思想』(新泉社)を最近発行しました。百姓
暮らしの中から見えてきた本当の豊かさと自立した生き方について筧さんに語ってい
ただきます。文末に筧さんの著書からいくつかの文を引用しておきましたのでご覧く
ださい。

■お話ししてくれる人 : 筧 次郎(かけい じろう)さん
 1947年水戸市に生まれる。言語哲学を学び、仏国留学、大学講師を経て1983年に茨
城県の八郷町に移住し百姓暮らしを始める。2002年には「スワラジ学園」を設立し、
自給自足の技術と自立の精神の普及につとめた。スワラジとはマハトマ・ガンジーの
説いた自治・自立の思想を意味する。また提携販売の会「スワデシの会」を主宰する。
「スワデシ」はガンジーの使った「国産品愛用」という意味の言葉。この会は、いわ
ゆるCSA(コミュニティサポーテッドアグリカルチャー)の実践例で、会員は野菜の代金
としてではなく、生産者の労働行為に対する対価として毎月の代金を払い、野菜の多
いときも少ないときも定額を払うという、生産者と消費者の間の深い信頼関係を基盤
にしてこそ成り立つユニークな方法をとっている。


【筧さんの著書より】
・私は自分の営みを「農業」と言わずに「百姓暮らし」と言ってきた…わずか五十年ほ
ど前まではあった本来の農の営みを、永続性も自立性もない今日の「農業」と区別す
るために、私は「百姓暮らし」と言っている。

・工業社会の豊かさは、本質的には帝国主義の時代と同じく、「収奪」によって得ら
れている…われわれは欲望を自制して農業中心の昔の社会へ立ち戻るべきである…工業
社会は邪悪な社会…工業文明は、譬えて言えば麻薬のようなものである。

・スピードがもたらす豊かさとは、長いあいだに地球に蓄積された資源を<速く消費す
る>という意味の豊かさで…社会全体としての富は少しも増えない。

・莫大な富の収奪の結果として自然科学の研究が可能になり、機械が発明される…機械
は、エネルギーを独占することによって工業国の人間だけが、しかも二十世紀の人間
だけが持つことのできるぜいたく品なのである。

・野菜も私たち人間も同じ生きものですからね、私たちが嫌がることは野菜にもしな
い、私たちが嬉しいことを野菜にもしてあげるということです。

・食べものは畑で穫れた旬の野菜ばかりの「ばっかり食」である。「ばっかり食は体
に悪い…」などと言う栄養学者がいるが、まったくのでたらめである。

・私は、かつては内臓の手術も経験し、薬を手放せないような生活を送っていたので
あるが、百姓暮らしをするようになってから病院のお世話になったことがない。

 
著書:『ことばの無明』(1979)、『百姓の思想』(1989年)、『ことばのニルヴァーナ』
(2004)(以上、邯鄲アートサービス)、『百姓入門-奪ワズ 汚サズ 争ワズ』
(1996、邯鄲アートサービス、新装版:新泉社)、『オーガニック自給菜園12ヵ月』
(2008、山と渓谷社)、『反科学宣言』(私家版)など。

■日 時:2月26日(土)午後2時~5時

■会 場:明治学院大学 白金キャンパス   本館4Fの1451教室
     港区白金台1-2-37
      http://www.meijigakuin.ac.jp/access/     南北線 ・ 都営地下鉄三田線 白金台駅(2番出口)・白金高輪駅 (1番出
口)より徒歩約7分
     都営地下鉄浅草線 高輪台駅(A2番出口)より徒歩約7分 
     

■参加費:1000円 

■主 催 : NPO法人懐かしい未来 http://afutures.net/ 

■申し込み/問合せ:リプトン

タイトルに、

懐かしい未来のサロン11回目参加希望

(↑コピペしてください)

と明記の上、お名前、連絡先をお知らせください。

メール:basho☆silver.ocn.ne.jp (☆を@マークに変えて送信ください)

新しい研究会の事務局を引き受ける。

2011年02月08日 18時34分04秒 | 有機農業
 非常に内容の濃い南会津での研究会から戻りました。1泊2日で、1日目は南会津町における有機農業の取り組みと広がりについての研究会。化学物質過敏症の方の行動から、それを町長が受け入れ、そして今、衣食住、町丸ごとオーガニック化が進んでいます。

 当事者の方々の話が聞けましたが、町長や栄養士さん、そして化学物質過敏症を背負いながら居場所を求め、南会津に移住し、あらかい健康キャンプ村(化学物質過敏症の方々の避難地)の長をつとめている方、それを支える有機農家さん、みな力強い方々ばかりで、圧倒されました。

 今回初めて化学物質過敏症の話を聞き、その現状に愕然としてしまいましたが、誰でも症状を発症する可能性は十分にあること、それへの理解がほとんど進んでいないこと、有害物質まみれの社会であること、など改めて安心な暮らしとは何ぞやと考えさせられました。僕も視野が狭かったなぁと反省です。有吉佐和子さんが書いた『複合汚染』はもう古典とも言える本ですが、古くて新しい問題提起をしている本だと改めて実感。

 1日目の夜から2日目にかけて、有機農業技術原論第1回研究会。僕は記録係として読んでいただき、有機農業運動をつくって、今も第1線で活動している諸先輩方の、しかもとにかくレベルの高い議論。自然科学系ではないのですが、話もわかりやすく、大方理解ができました。

 とくに明峰哲夫先生の問題提起は実に明快で、感動すらしました。ぜひ『有機農業の技術と考え方』を読んでください。明峰先生の本も読み返そう。

 この研究会の事務局を引き受けることになり、こんな若造のぺーぺーですが、微力ながらお役にたてればと思っています。北海道、興農ファームの本田さんからも激励をいただき、本当うれしい限りです。僕にとっても良い経験になりそうです。