見苦しい写真で申し訳ない。次女が「おとうさん」と言って自分の食い残したケーキをくれるのだ。食い残したもなにも、これだよ。クリームだけ食っている。ずいぶん昔、自分が学生だった頃、友達と、ケーキ半分こしようぜ、おれ上半分な、とかいってゲラゲラ馬鹿笑いしあったことを思い出す。
自閉症の常か、ひどく偏食だ。ただのわがままなのか、味覚がおかしいのか。抗がん剤の時の味覚の異常感覚をおぼえている妻は、食べないのは食べられないのだ、あのときは食いもんが食いもんとは思えなかった、と言う。そうかもしれないし、納豆を3パックも開けて、ちょっとずつ食べて残りを「おとうさん」と寄こすのを見ていると、味覚だけではないだろうとも思う。ほんとうのところはわかるはずもない。本人もさぞかし生きにくいのではないかとも思うし、基本的には機嫌良くいてくれ、まわりもかわいがってくれているので、本当にありがたい。