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虚構の城  高杉 良

2023年03月17日 | 
「経済小説の巨匠」高杉良のデビュー作とのこと。出光興産をモデルにしたもので、その大家族主義というか反組合の力により左遷された男の戦いというか、戦っているのか、翻弄される姿を描いている。一部に「成功と挫折」みたいに書いてあるが、成功なんてなにも書いてない、成功したことが書いてあるだけ。挫折というか、会社あるいはその上層部のあまりにあからさまな反組合主義によるあれこれが、リアル?に書いてあるのだろう、あまりに不快で胸が悪くなった。
 出光は今は株式上場したちゃんとした会社です!とネットに書いてあったりするけれど、ほんとかね?この本のあとがきにも「創業者の遺伝子は受け継がれている。新入社員はさぞや戸惑うことだろう。」とある。さもありなん。
 著者は竹中平蔵を「「実体経済を知らない」と酷評し、竹中とその側近であった木村剛・岸博幸のトリオを、日本経済を誤った方向に導く悪人的存在として、小説中に仮名でたびたび登場させている。(以上wiki)」と言うし、日本経済新聞と戦っていたり、ともかく強いものと戦う姿勢に感心し、尊敬する。