法律の周辺

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政治家のふるさと納税に係る寄附について

2008-06-09 21:09:32 | Weblog
菅前総務相,ふるさと納税目録贈呈 湯沢市と県に計30万円 - さきがけ on the Web

 ふるさと納税は,応援したい県や市町村などに寄附した場合に,住民税や所得税の税額から寄附金の5千円を超える部分の一定限度まで控除されるという制度(地方税法第37条の2参照)。菅氏は,総務相当時,ふるさと納税制度の導入を提唱された方である。

公選法第199条の2第1項には「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は,当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し,いかなる名義をもつてするを問わず,寄附をしてはならない。ただし,政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会(参加者に対して饗応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)が行われるようなもの,当該選挙区外において行われるもの及び第百九十九条の五第四項各号の区分による当該選挙ごとに当該各号に定める期間内に行われるものを除く。以下この条において同じ。)に関し必要やむを得ない実費の補償(食事についての実費の補償を除く。以下この条において同じ。)としてする場合は,この限りでない。」とあり,第249条の2第1項には「第百九十九条の二第一項の規定に違反して当該選挙に関し寄附をした者は,一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。」とある。
記事にあるとおり,菅氏の出身は湯沢市だが,選挙区は衆議院神奈川2区。よって,菅氏が秋田県や湯沢市にふるさと納税に係る寄附をおこなっても,公選法違反の問題は生じない。

秋田県選挙管理委員会 Q7禁止されている寄付はどのようなものですか?

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地方税法の関連条文

(寄附金税額控除)
第三十七条の二 道府県は,所得割の納税義務者が,前年中に次に掲げる寄附金を支出し,当該寄附金の額の合計額(当該合計額が前年の総所得金額,退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の三十に相当する金額を超える場合には,当該百分の三十に相当する金額)が五千円を超える場合には,その超える金額の百分の四に相当する金額(当該納税義務者が前年中に第一号に掲げる寄附金を支出し,当該寄附金の額の合計額が五千円を超える場合にあつては,当該百分の四に相当する金額に特例控除額を加算した金額。以下この項において「控除額」という。)をその者の第三十五条及び前条の規定を適用した場合の所得割の額から控除するものとする。この場合において,当該控除額が当該所得割の額を超えるときは,当該控除額は,当該所得割の額に相当する金額とする。
一 都道府県,市町村又は特別区に対する寄附金(当該納税義務者がその寄附によつて設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益が当該納税義務者に及ぶと認められるものを除く。)
二 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第百十三条第二項に規定する共同募金会(その主たる事務所を当該納税義務者に係る賦課期日現在における住所所在の道府県内に有するものに限る。)に対する寄附金又は日本赤十字社に対する寄附金(当該納税義務者に係る賦課期日現在における住所所在の道府県内に事務所を有する日本赤十字社の支部において収納されたものに限る。)で,政令で定めるもの
三 所得税法第七十八条第二項第二号及び第三号に掲げる寄附金(同条第三項及び租税特別措置法第四十一条の十八の三の規定により特定寄附金とみなされるものを含む。)のうち,住民の福祉の増進に寄与する寄附金として当該道府県の条例で定めるもの
2 前項の特例控除額は,同項の所得割の納税義務者が前年中に支出した同項第一号に掲げる寄附金の額の合計額のうち五千円を超える金額に,次の各号に掲げる場合の区分に応じ,当該各号に定める割合を乗じて得た金額の五分の二に相当する金額(当該金額が当該納税義務者の第三十五条及び前条の規定を適用した場合の所得割の額の百分の十に相当する金額を超えるときは,当該百分の十に相当する金額)とする。
一 当該納税義務者が第三十五条第二項に規定する課税総所得金額(以下この項において「課税総所得金額」という。)を有する場合において,当該課税総所得金額から当該納税義務者に係る前条第一号イに掲げる金額(以下この項において「人的控除差調整額」という。)を控除した金額が零以上であるとき 当該控除後の金額について,次の表の上欄に掲げる金額の区分に応じ,それぞれ同表の下欄に掲げる割合
百九十五万円以下の金額
 百分の八十五
百九十五万円を超え三百三十万円以下の金額
 百分の八十
三百三十万円を超え六百九十五万円以下の金額
 百分の七十
六百九十五万円を超え九百万円以下の金額
 百分の六十七
九百万円を超え千八百万円以下の金額
 百分の五十七
千八百万円を超える金額
 百分の五十
二 当該納税義務者が課税総所得金額を有する場合において,当該課税総所得金額から当該納税義務者に係る人的控除差調整額を控除した金額が零を下回るときであつて,当該納税義務者が第三十五条第二項に規定する課税山林所得金額(以下この項において「課税山林所得金額」という。)及び同条第二項に規定する課税退職所得金額(以下この項において「課税退職所得金額」という。)を有しないとき 百分の九十
三 当該納税義務者が課税総所得金額を有する場合において当該課税総所得金額から当該納税義務者に係る人的控除差調整額を控除した金額が零を下回るとき又は当該納税義務者が課税総所得金額を有しない場合であつて,当該納税義務者が課税山林所得金額又は課税退職所得金額を有するとき 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ,それぞれイ又はロに定める割合(イ及びロに掲げる場合のいずれにも該当するときは,当該イ又はロに定める割合のうちいずれか低い割合)
イ 課税山林所得金額を有する場合 当該課税山林所得金額の五分の一に相当する金額について,第一号の表の上欄に掲げる金額の区分に応じ,それぞれ同表の下欄に掲げる割合
ロ 課税退職所得金額を有する場合 当該課税退職所得金額について,第一号の表の上欄に掲げる金額の区分に応じ,それぞれ同表の下欄に掲げる割合

公職選挙法の関連条文

(公職の候補者等の寄附の禁止)
第百九十九条の二  公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は,当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し,いかなる名義をもつてするを問わず,寄附をしてはならない。ただし,政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会(参加者に対して饗応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)が行われるようなもの,当該選挙区外において行われるもの及び第百九十九条の五第四項各号の区分による当該選挙ごとに当該各号に定める期間内に行われるものを除く。以下この条において同じ。)に関し必要やむを得ない実費の補償(食事についての実費の補償を除く。以下この条において同じ。)としてする場合は,この限りでない。
2  公職の候補者等を寄附の名義人とする当該選挙区内にある者に対する寄附については,当該公職の候補者等以外の者は,いかなる名義をもつてするを問わず,これをしてはならない。ただし,当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする場合は,この限りでない。
3  何人も,公職の候補者等に対して,当該選挙区内にある者に対する寄附を勧誘し,又は要求してはならない。ただし,政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者等の親族に対する寄附を勧誘し,又は要求する場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする寄附を勧誘し,又は要求する場合は,この限りでない。
4  何人も,公職の候補者等を寄附の名義人とする当該選挙区内にある者に対する寄附については,当該公職の候補者等以外の者に対して,これを勧誘し,又は要求してはならない。ただし,当該公職の候補者等の親族に対する寄附を勧誘し,又は要求する場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする寄附を勧誘し,又は要求する場合は,この限りでない。

(公職の候補者等の寄附の制限違反)
第二百四十九条の二  第百九十九条の二第一項の規定に違反して当該選挙に関し寄附をした者は,一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
2  通常一般の社交の程度を超えて第百九十九条の二第一項の規定に違反して寄附をした者は,当該選挙に関して同項の規定に違反したものとみなす。
3  第百九十九条の二第一項の規定に違反して寄附(当該選挙に関しないもので,かつ,通常一般の社交の程度を超えないものに限る。)をした者で,次の各号に掲げる寄附以外の寄附をしたものは,五十万円以下の罰金に処する。
一  当該公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)が結婚披露宴に自ら出席しその場においてする当該結婚に関する祝儀の供与
二  当該公職の候補者等が葬式(告別式を含む。以下この号において同じ。)に自ら出席しその場においてする香典(これに類する弔意を表すために供与する金銭を含む。以下この号において同じ。)の供与又は当該公職の候補者等が葬式の日(葬式が二回以上行われる場合にあつては,最初に行われる葬式の日)までの間に自ら弔問しその場においてする香典の供与
4  第百九十九条の二第二項の規定に違反して寄附をした者(会社その他の法人又は団体にあつては,その役職員又は構成員として当該違反行為をした者)は,五十万円以下の罰金に処する。
5  第百九十九条の二第三項の規定に違反して,公職の候補者等を威迫して,寄附を勧誘し又は要求した者は,一年以下の懲役若しくは禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
6  公職の候補者等の当選又は被選挙権を失わせる目的をもつて,第百九十九条の二第三項の規定に違反して第三項各号に掲げる寄附(当該選挙に関しないもので,かつ,通常一般の社交の程度を超えないものに限る。)以外の寄附を勧誘し又は要求した者は,三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
7  第百九十九条の二第四項の規定に違反して,当該公職の候補者等以外の者(当該公職の候補者等以外の者が会社その他の法人又は団体であるときは,その役職員又は構成員)を威迫して,寄附を勧誘し又は要求した者は,一年以下の懲役若しくは禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。

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