芭屋框組(はなや かまちぐみ)

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台打ちをしてみての発見(その1)

2008-10-01 22:46:46 | 道具、砥ぎの話
通常、新品の鉋を買うと、そのままでは刃も出ないし、刃先自体も研ぎ直さないとならない状態で、使用者が最終調整をして、使える状態にする、いわゆる仕込という作業をしなければならない。

一般的には、刃の方の仕込みとしては、裏だしや表刃砥ぎ、また台の仕込みとしては表なじみを削り合わせたり、台下端の調整しか紹介されていない。

運がよければ、その程度の仕込みで問題なく使える訳だがいろいろセオリー通りにやっていても何か調子がおかしい事か多い。

例えば鉋頭の真ん中だけを叩いて平行に刃を出したいのに、出ない。もちろん少し刃を引っ込めたい時も平行に引っ込まない。

また、しょっちゅう台がねじれるなど他にも細々とあるが、調整しようとして、表なじみを削りすぎたり、下端を削りすぎて刃がゆるゆるになってしまったりして今までいくつかだめにしてしまった道具がある。

今までは理由がよく分からずに、いじり過ぎてだめにするよりはあまり触りずきない方がいいといった感じで、とりあえず削れる状態になっていれば、台の方はなるべく触らないようにしていた。

去年の夏に機会があり、新潟の台打ち職人の人が講師となり、実際自分で台打ちしてみることとなった。結局その日は時間が足りず、未完成のまま続きをどうしていいのかもよく分からないので、そのままほったらかしていたのだが、これもたまたま知り合った方に別の台打ちの方を紹介してもらって、今度は新潟まで泊りがけで台打ちを習いに行ってきた。

一応その日には鉋くずが出る状態までになって持って帰ってきたのだか、台の厚みを薄くしたり、自分なりにいじくったりしたことや、気候、おそらく湿度の変化ですっかり調子がおかしくなってしまった。

ところが、台打ちする際にどこをいじったらどうなるかということが、以前とは雲泥の差で考えられるようになってきたのか、いろんな人からのアドバイスが知識ではなく実感として捉えられ、今まで「ふーん」と思って聞いていたことが、「ああこういうことだったのか」という連発になった。

そんな中で、あまり一般的には言われていないことや、自分であみだした発見を順をおって紹介していきたい。言い出すと長い話になりそうなので、今回のポイントとしてはただ刃を研いで仕込んだだけでは不十分だということ、その前の段階にさかのぼって仕込みをやっていかないと本来の調子がでない。ということだけお伝えして次回につなげたいと思う。

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