芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

玄翁の柄すげ直し

2011-08-21 15:35:06 | 柄の話
「鑿大全」に載っていた資料等を基に玄翁の柄すげ直し



左がおおよその資料通りの寸法:全長1尺、柄尻寸法=8分5厘×8分

左に比べ、柄の長さ、太さ共あるので振り心地重く



ヒツ穴部分の精度も悪い。



柄の抜き取り作業:







柄の長さ1尺にカット



ヒツ穴部分の加工:相田浩樹さんのページに習い、ヒツ穴寸法をノギスで測り+0.6ミリの寸法になるように木部を削る。

いろいろやってみたが、結局鑿で地道に削っていくのが一番確実で

やりやすかった。



ヒツ穴部分は完全に長方形、そこから柄尻に向かい3寸3分程同じ厚み、

後は柄尻に向かいラッパ状に削り込み。



出来上がった様子:ノギスで測ったきっちりした寸法があるのでその通りに

加工できればきれいにすげこめた。



引き続き大玄のすげ直し:これは玄翁の大きさに対してヒツ穴が小さい

ことと、抜けた柄を見てもらえばわかるが穴上部にクサビしろが取ってある為に

柄の上部が広くなっている。



片側だけ上に行くほど寸法が広がっている。

加えて上部の穴に何故か面が取ってあったので、そのままでは柄をすげた時に

上部に隙間が出来てしまう為、ヤスリで成型し直した。



玄翁の垂直と柄の水平の関係:指一本半程入る寸法にしてみた。



柄尻の寸法は図面通りの8分5厘×8分ではどう考えても細い気がしたので

1寸×9分5厘程にした。(中間のストレート部分は中玄の時と同様に)

好みや腕力のバランス等あるが、重い玄翁は柄を短く握り部分は太くした方が

安定して使える気がしていたが、耕木杜の阿保さんも同じように

感じられていたようで、重さによって9種類の柄の寸法を使い分けて

おられるので最後に紹介します。








台打ち治具

2011-08-16 21:30:05 | 道具、砥ぎの話
台打ち角度治具づくりについて:8寸勾配用





鏡及び2枚仕込みの刃口角度=70度



押し切り機だと45度までしか切れないので90度-8寸勾配の角度で
定規を作成。(刃は寝かせずにテーブルを回して切る)



それを定規に8寸勾配カット(刃、テーブル共90度で切れる)



あるいは材料に直接墨付けをして、その墨を狙ってカット。



テーブルと同じ高さの馬を使い、先端が左側にずれない程度の
ストッパーがあれば、殆ど目見当でも安定して切れる。



この要領でカットして出来上がった角度定規(8寸勾配)
墨付け定規と必ず同じセッティングでカットすれば厳密に8寸勾配
になっていなくてよいと思う。



刃厚のテーパー分8寸勾配より寝た角度 



並べるとこのくらい違う



裏側に滑りとめのペーパーを貼る





8寸勾配1枚刃だとこれだけの角度定規使用



逆勾配(80度)の台直し鉋の場合




2011松本研修会 その2

2011-08-14 15:47:05 | 道具、砥ぎの話
渡辺氏製作の組子見本:見付は0.8ミリ。この薄さになると超仕上げもかからない、

全て手鉋仕上げ。卍型に折れ曲がった部分は、元々一本の組子を折れ曲がる部分で

皮一枚残して、切り込みを入れ折れ曲げて作成されている。



材種の違いによってはもちろん同じ樹種でも違う板からの物を混ぜると

皮一枚の残し具合が変わってしまい、バランスが崩れてうまく組めなくなるそうだ。



メチ払いの様子:何処からかけても横ずりになるので、斜めに少しずつかける感じ

鉋の下端は刃口部分だけ当たる仕込み。



小川三夫さんも遠方から見に来られていた。



一定の深さに切り込みができる定規付鋸:定規をはさんでいる旗金も作る職人が

いなくなり今後困るそうだ。



ダイアン建築さんが特大突きのみの研ぎ器を持って来られた。

基本的には武藤さんの考案された研ぎ治具を発展させたような形



同じくダイアンさんの鉋研ぎ器





つんぼの手斧:矢羽根模様が美しい。







水野さんのおためし用鉋



水品さん所有、梨屋台小鉋:欅のもろ板目。狂わないか聞いてみたら

やはりめちゃめちゃ狂うそうである。それにしてもきれいに仕込んである。












圧力鍋で節約

2011-08-03 08:22:33 | 建具屋のかあちゃん


2年位前、私は鍋の中にテフロン加工がしてある圧力鍋を捜していました。

(本当はマーブルコートがしてあるのがいいと思っていたのですがありません)

それで、インターネットでいろいろ捜して、やっと見つけさっそくいろいろな

煮物に挑戦してみました。

例えば、大根の煮物は加熱時間が短時間で味がしみ、柔らかくできますし、

子供が好きな、ふかし芋も電子レンジで作るよりもおいしく中が濃い黄色

でホクホクしたおやつが出来上がります。

それで最近はゆで卵が圧力鍋でできないか考え、やってみた所

今迄は加熱時間が9分かかっていたのが、沸騰した湯の中に卵を入れ、

ふたをし、圧力をかけて1分程の加熱時間で火を消しふたをしたまま8分放置して

すぐに圧力を下げ、ふたをあければでき上がり。

そういう訳で、今ではほとんど毎日のように圧力鍋のお世話になっています。

ガス代も月に800円程安くなりました。

少しは二酸化炭素削減できたと思うとうれしくなります。