芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

積層台への道 15歩目

2018-07-15 16:12:42 | 積層台


前回作った積層台、寸六だった事やその他いろいろとやり直したかったので、寸八でもう一つ作ってみた。






今回は裏板も接着した後に通常通り墨付けし、やはり包み口にしてみた。

刃口狭いので通常の鑿では使えない。新品鑿を改造するには忍びないので、フリーマーケットでたまたま見つけた400円の薄鑿をダイヤモンドやすりで摺り下ろしてみる。






これだけだと刃口仕上げきれないので、カッターの刃をグラインダーで成形して、ペーパーを貼り付けた物で磨く。




最近分かったのだが、下図の部分きちんと仕上がっていないと、くずが詰まったり割れたりする。




こう言う詰まり方の時は、刃を一度抜いてくずを取り除かないと何も削れなくなる。今までは刃の切れ味のせいか、口の狭さのせいか分からなかった。




1の面、鑿で突いただけでは綺麗に仕上がっている様で意外に仕上がっていない。前に作った寸六台もこの面をペーパーで磨き直してやったら、格段にくずが詰まらなくなった。(使用ペーパーは180番~400番)



刃巾一杯に削るなら、3の部分も隅々まで綺麗にしないと、くずが引っ掛ったり裂けたりする。


そうして出来た今回の寸八台。調子が良ければこの位の削り








2のエッジについて:材質によって粘りが少なく欠け易い木の場合、少し削っただけで下端へこむので、思い切って真鍮板埋めてみるのも良いかもしれない

画像は別の台 真鍮板は初めに45度にカットしておいた。巾も押さえ溝に掛からない長さにし、平行具合や隙間の様子を見ながら、何回かに分けて後ろへ下げていく(=刃口を広げていく)と上手くいった。







最後に積層台動かないかどうか? 思ったよりは動く(刃を何日も抜いておくと刺さらなくなるので、ムクの台に瞬間接着剤・ウレタン塗装仕上げしたのとあまり変わらない位)ので、それでもやってみたい覚悟がない人には勧めない。


自分の場合作った芯材がまだあるので、在庫分はコツコツと試してみようと思う。

積層台への道 -14歩目ー

2016-08-15 18:51:50 | 積層台

1年以上も放っておいたので、刃が入らなくなってしまった。

押さえ溝のすき間も肝心の刃先に出ているし、左右のすき間の出具合も違っている。

今までの経験上、刃が斜めに刺さっていって失敗パターンの予感。とは言え、たとえ綺麗に仕込めなくても屑が出るまではやってみたいので進める。



刃の平行を注意しつつ上の方を重点的に削り、刃を寝かせて、刃先のすき間を少しでも少なくする作戦





何とかこれ位まで持って来れた。(表馴染みは見ての通り刃先当たらないまま)

●ガラス板に240番のペーパーを貼り付け下端平らにし、刃口の墨付け直し。









●山本さんの資料にならい、深さ1ミリの溝を作りそこに45度の木っ端をクランプ。それをガイドに畔引き鋸とダボ切鋸で刃口を切っていく。









貫通した様子:意外と上手くいった



●包みの波うち防止の為、表裏に瞬間接着剤ぬり



●押さえ溝の鋸ひきなおし:本当は内側と刃口側が一直線に繋がるはずだが、片側だけしか上手くいかなかった。気にせず次へ・・

●鏝のみ使い包み部分堀り進める。



ここで問題発生、鑿の側面と上面がつっかえて使えない。鍛冶屋さんには申し訳ないが、ダイヤ砥で擦って使える状態へ







ついでに黒染め



●刃のしのぎ面にも鉛筆を塗って包み部どんどん掘り進める



刃が包み押している様子







包み部に塗った瞬間接着剤、塗った部分わずかに削る位ならば確かに包みの動き抑えられているのだが、一定量こえて削ると魔法が消えてしまい刃が少しでも包みに触れると下端が膨らむ。

どうもこの調子ではエンドレスに包みを削り続けて、しまいには口を広げてしまいそうなので作戦変更。先に全体を瞬間接着剤と塗装で固めて台の動き止め、包み部のは調整あとにする事へ。



●包み部:刃抜いた状態だと下端へこんだままなので、刃ある程度叩き込んだ状態で瞬間接着剤塗る。刃に瞬間接着剤付かない様にマスキング必要



サンディング後、水性ウレタン塗装刷毛塗り



●乾燥後 再度仕込み直し。包み部若干多めに削り最後にエポキシ樹脂塗り刃削れる状態まで出して硬化させる。





この際刃に剥離剤塗るとなっているのだが、この剥離剤が何か不明。自分の場合機械油使ったが、引っ付き過ぎて台が割れる程叩かないと刃がはずれないので今後の検討課題である。

はみ出たエポキシ綺麗に取り去り、下端調整しようやく屑出る様に。





もう少し調整が必要だが、続きは次回に。


積層台への道 -13歩目ー

2015-06-28 18:04:17 | 積層台
台打ちつづき



鋸を曳き終えたので、お役御免になった鏡部分を本来の墨通りに堀り進める。





ご覧の様に定規面はすっかり無い。



下端材を置いてみた所



下端材接着用のマスキング



接着後、案の定ボンドでべたべた。





上面の時は、結構へこみが出たのでボンドをたっぷり塗ったら、表面に染み出てきた。



はみ出たボンドを鑿で削る。



溝の中は刃先が斜めでないと削れない。





予想はしていたが、いきなり作業がやっかいになった。

接着剤硬化も兼ねて、ここでしばらく作業中断。








積層台への道 -12歩目ー

2015-06-28 16:57:42 | 積層台




上面接着後何気なく表面を触ると、掘り込んだ形にへこんでいる様だった。

様子見の為にガラス盤に貼ったペーパーに軽く当ててみる。





下端定規でも





一番肝心の面が結構へこんでいるが、後で何とかするとして次へ。

今回試してみたい事として、包み掘りに挑戦する事。

基本的に長台は、うす削りの前の下ならしをする役割なので、2枚刃 普通口が本来の仕様。

なのでこれからの仕様は、あくまでどうなるかの試しをしていると了承して頂きたい。

手順としては、下端の板を仮止めしたうえで刃口以外を出来るだけ台打ちする。

下端貫通の前に仮止めの板を外して、押さえ溝や鏡も先に作ってから下端板接着。

それから改めて台打ち再開。と言う事でここからは、ダイジェストで・・・・

















押さえ溝を曳く際の定規面にする為、わざと鏡面を少し堀り残して一旦8寸5分勾配の面を作る。









刃巾の墨をし直す














積層台への道 -11歩目ー

2015-06-28 15:53:58 | 積層台




木端材接着後、はみ出したボンドを鑿で出来るだけ削り取る。

次に木端材が、本体より上下に1㎜ずつ幅広くなっているので、小鉋でメチ払い。



やってみて判ったのだが、はみ出たボンドを取る作業が思いのほか大変!!

それから、このエポキシの粘度がくせ者で、まぜたり塗ったりしている時は割と腰があるのだが、暫く放置すると緩んできて想像以上に垂れ拡がる。

本体のマスキングに加えて作業スペースの床にも何かしらの対策必要。

もう1点、ステンレスメッシュ用の掘り込みについて、後から掘り込むのは大変だと思い、先に昇降盤で荒取りしておいたのだが、殆ど意味が無かった。

掘り込み深さ1㎜なので、刃にかかる抵抗かなり少なく作業出来る。事前にやっておくとしても、せいぜい際のラインに丸ノコで切り込みを入れる位で充分。





金切り鋏でメッシュを切ったが、どうも綺麗に切れない。(特に穴の部分)

上下面それぞれの様子



ある考えの為、ずれ防止のビスを四隅に打って上面だけ接着。












積層台への道 -10歩目ー

2015-06-14 20:11:01 | 積層台


2㎜厚のアルミプレートの掘り込み;本体側に1.5㎜、木端材側に1㎜深さの掘り込みをする。

角パイプ用のウレタンフォームを3㎜厚にカット













プレートの方にも角パイプの位置とずらした所に、パンチングメタル風の穴あけ




ここで、ステンレスメッシュ用の掘り込みをどういう手順で加工するかについて考える。

Aパターン; 木端材貼り付ける前に昇降盤で欠きとる。但し次の工程の為、定規面として要所々々を欠き取らないで残しておく。

木端接着後にメチ払いして、上下面をそれぞれ平らに整えてから残った掘り込みをする。







Bパターン;木端材貼り付け後にトリマーで掘り込み。





色々悩んでみた挙句今回は、始めに欠き取るパターンで行く事にした。



接着剤については今まで、あまり深く考えていなかったが、木工用のボンドでは水分を含んでいる為に金属を閉じ込めると内部でサビが発生するんじゃないかと言う事にハタと気が付いた。

サビは金属を膨張させる為、当然狂いに対して悪影響を及ぼす。

ようやく山本さんが、錆びないステンレスや水分を含まないエポキシ樹脂を選択された理由が腑に落ちた。

「だからビス止めもしてないんや」と一人で納得。

会報に紹介されていたEセットⅯは、最少で1キロ入りしかないので、余らす事を思って何とか代替え品が無いかと粘ってきたが、ようやく購入を決意。





ベタベタで取扱いはなかなか厄介だが、穴からはみ出したボンドの様子も予想通りである。










積層台への道 -9歩目ー

2015-06-07 20:25:21 | 積層台




巾方向の反り止め角パイプを仕込んだ後:

山本さん曰く、長手方向の反り止めとして、0.6㎜~1㎜のパンチングメタルを用いるとあったので取りあえず用意してみる。



削ろう会々報に載っていた尺鉋の図面では、後から木端に貼り付ける板の方にだけパンチングメタル分の掘り込みをしていたが、

ズレ防止と補強の為に2㎜厚のプレートを使用し、本体側にも掘り込みをする事にした。

と、ここまではやっている加工や意味合いも何とか理解できるのだが、次に出てくる上下面に貼るステンレスメッシュ

これがいまいちピンと来ない。



建築構造や力学に明るい知り合いに尋ねてみると、「コンクリートとメッシュの関係と同じで、圧縮と伸びに対して有効じゃないかな」

と山本さんと恐らく同じ事をイメージされている様だった。

まあ難しい事は理解出来ないが、狂いにくさにとっては必要不可欠である事は間違いない様だ。

土壁の下地の竹木舞と考えると、少しはイメージが湧いてきた。そう考えると木端のパンチングメタルは

穴から溢れ出るボンドが、それこそ土壁の様に躯体と絡みつきそうな気がして来た。






積層台への道 -8歩目ー

2015-05-24 14:47:07 | 積層台


厚みを貼り合わせる際にプレス機を使用したのだが、2台程ご覧の様に隙間がいってしまった。

あまり機械を過信してはいけないようだ。

透いている所をクランプしても動かないので機能上は問題ないのだろうが、やはり気に食わない。

短く使うか、バラして貼り直すか?色々考えたが、とりあえず実験も兼ねて長いまま使う事にした。

そんななか何気なく読んだ本に阿保さんの台の寸法が載っているじゃないですか!!





全長385ミリ 実際スケールを当ててみると、隙間部分ほぼ無くなるやん!これで行こう

と、めでたく問題解決。

次に角パイプの本数と割り付け:これも山本さんに倣って、但し台が長い分本数を増やした。





刃の位置をきめ、実際の台に15ミリ厚の桟木を並べ、パイプの間隔と本数を検討する。



正確な寸法は、以下の通り







以前ステンレスの16角パイプを使おうと用意していたが、切るのが大変なのでアルミの15角と12角を使用。

角のみの15ミリ一発で穴あけが出来ると思っていたが、パイプの方が若干太く断念。7・5ミリの細いキリで穴あけ。






積層台への道 -7歩目ー

2015-05-22 20:51:56 | 積層台




芯材の割り付けについて:

基本的には山本さんの作られた物にならって、上下に2層、巾方向に4~6分割して尚且つレンガ積みの様に上下で継ぎ目をずらす。 

あとは逆目の向きを揃えるのと、放射状組織の柾目が平面(上下面)になるようにした。




寸六~二寸用のそれぞれの寸法は、以下の通り。








接着に今回はコニシの2液性ウレタンボンド使用。

貼り合わせる度に、手押し鉋で歪みを取って厚み24ミリに。これに4ミリ厚の化粧板を貼り最終的に台厚32ミリになる予定。






そうして出来上がったのがこちら







寸六用×1 寸八用×4 二寸用×1 台直し用×1

最後の台直し用は狂いそうなので、はねた材を寄せ集めた物。これで仕入れた材料ほぼ全部使いきった。

積層台への道 -6歩目ー

2015-05-21 21:59:03 | 積層台






前回、瞬間接着剤で目止めした台に和信の水性ウレタンを塗ってみた。

垂らしたり、乾きはじめの所を補修しようとして、余計に刷毛むらにしてしまうなど何度か失敗したが

すぐに乾くので磨き直し~塗り直しで何とか完成。

ぽってり目に塗ると、刷毛目も目立たなくなり結構いい感じだ。ついでなので他の台にも塗ってみる。



はっきり言って寸八ぐらいまでのサイズならば、これで十分な気もしてきたが折角なので、積層台もせめて1個は作りたい。

という訳でまずは材の選別





追い柾、正柾に分別。さらにねじれや目がうねっていて、狂いが出そうな木をはねていく。





最終的な寸法と照らし合わせて組合せを決めていく。詳しくは追々という事でつづく