芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

引き続きこんな物も届いたので

2016-01-10 17:06:05 | 道具、砥ぎの話




裏出しレールに続いて刃の方も到着。見ての通り見事な裏出し

下手に触ってこの状態を壊さない様に、作ったご本人に電話でアドバイスして頂いた。





Q砥石にどこまで掛ければよいか? 

A普通の刃みたいに屈んでいないので、カイサキまで砥石に乗せても頭の方は当たらない。逆に刃先だけで当てない方が良い。


Q糸裏をキープするコツは?

A縦裏(脚)はどうしてもいずれ太くなりますよ。

との事。



画像では見づらいがこの様にベタッと置いてもカイサキより上の頭の部分は浮いていて、必要な部分が平らになっている。

更に後日台打ちした際に気付いたのだが、2枚の刃がほぼ同寸法で出来ていて、お互いの台を入れ替えても少し直せば使える精度が出ている。

以前仕事場にお邪魔した際も、目の前でグラインダーを使い刃を成形して貰ったのだが、フリーハンドでやったにも関わらず全て刃角28度 傾きも全くなかった。慣れてるとは言え驚きの身体能力である。



ところで今回55ミリを2丁作って頂いたのだが、この直後にこのサイズの鉋まとまって出回った。黒裏作るの大変らしいので、沢山作った中から1番良いものを内に送って貰ったのでは!?と勝手に想像している。


遅くなりましたが・・・

2016-01-10 15:26:38 | 道具、砥ぎの話


遅くなりましたが、明けましておめでとう御座います

ろくに更新もしないのに毎日沢山の方が訪問して下さり有り難い事です、今年もお付き合いの程宜しくお願いします。


さて早速なのですが、以前浩樹さんの記事で玄翁の櫃穴を開ける「目打ちがね」の材質についてコメントして頂いたので紹介しておきます。

「熱間ダイス鋼」ではないですか:金属は高温になると強度が下がるが「熱間ダイス鋼」は300~400度ならば強度、硬度がたもたれる。

それ以上の熱対抗性を持つ「ハイス鋼」は硬過ぎて耐衝撃性の面で不安があるので、使われないのではないかとの事。非常に的確な御指摘ありがとうございました。


それから話が飛びますが気になった事:道具好きの方のブログで私の記事が無断引用されているのを見かける様になって来ました。

そんな中で「鉋の裏出し」について少し間違って解釈されていたので訂正させて頂きますと・・・

裏出しの前にまず:
 
1)ねじれのチェック ※ねじれあれば、割れ防止の為に刃先をつぶします(ここを勘違いされてた)

2)ねじれ直し

ねじれ修正後:

3)潰していた刃先を荒砥石、グラインダー等で通常の刃角へ整形

4)軽く仕上げ砥石にあてて裏の出具合チェック

5)ここで初めて裏出し

しのぎ面ある程度叩いて耕された状態になると、玄翁の効きが悪くなるのとどこを叩くか判りづらくなるので、一旦叩き傷消えるまで荒砥石で研ぎ直し、希望の裏出るまで繰り返し。


6)刃研ぎ(中砥から)

7)台打ち~台直しへ

引用される方 折角なら正しく引用して下さい。それから何かしらコメント頂ければ嬉しいです。