芭屋框組(はなや かまちぐみ)

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玄翁柄すげ -参考・耕木杜-

2012-05-06 17:49:19 | 柄の話


10年程前に自分で柄入れした玄翁もついでにすげ直してみた。

今回は、耕木杜の阿保さんの寸法を参考にして、
100匁で太さ27.8×33長さ308㎜
150匁で太さ33×45長さ288㎜

阿保さんのデーターでは100匁で32×42×308㎜ 160匁で34×46×288㎜
実際その太さだとあまりにも太い感じがしたので、縦横同じ比率で一回り小さな
寸法にしてみた。







まずは柄抜き。




  
原寸図を作図してみる:打面を下にして、玄翁を垂直に立てた際に、
床から5分隙間がいく角度に設定。全体の長さの3分の1ぐらいまでを
真っ直ぐにしてそこから柄尻までをアールで結ぶ。





櫃穴に入る部分は以前に紹介した通り、実際の櫃穴のアキ寸法プラス0.6㎜。

ノギスで穴の上側と下側の寸法を測ってみて、表裏の寸法が、
同じになっているのが理想だが、誤差が大きいようならば、ヤスリで真四角に
なるように整形しておく。



差金を使って、直線部とアール部を繋げる墨付け。



木表が下端に来るように木取り



アールの深さまで鋸目を入れておいて、鑿と鉋で成型していく。









100匁も同様に作成。









削り終わったら、仕上に堅木をこすり付けてやる。すると不思議な事に
使い込んだ様な艶が出てくる。





柄尻を丸めて出来上がり。150の方は、ちょっとごつい感じ。
100の方は今迄作った中で、一番しっくりくる形。



これに比べると土田刃物式の寸法は柄尻が細すぎて80匁以上の重さだと
振った際に、すっぽ抜けそうになるので、親指と人差し指の間に余計な
力がかかってしまう。(頭が軽いとつまむ感じで振れるのでいいのだが)

今回の柄尻の寸法だとどちらかと言うと、小指、薬指の辺りにフイットして
スムーズに振れる感じ。