芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

2012 松本研修会

2012-07-15 08:14:44 | 道具、砥ぎの話





今年も恒例、松本での研修会が行われた。

今回の講師は畳屋の三枝さん、お題は「畳の話」

いぐさの種類や編み方、歴史などを話して頂いたのだが、

30分程で途中休憩を、入れたのが運のつき

そのまま削り会に突入してしまった。

なにせ、当の本人の三枝さんが「これ本物だよ」と言って出してきたのが

いきなりの是秀鉋「籐四朗」そりゃあ~畳そっちのけになりますわな。








大物スターに、サインでもして貰えるかの様なミーハーな気分で

ちょっと引かせて貰うと、私の様な下手くそでも かる~く屑が上がってくる。






この日 他にも色んな方々の鉋を引かせてもらったが、一番引きが軽かった様に思う。

そんな事の後 自分の道具を触る自己嫌悪感といったら・・・

たまにしか触らない鉋を、間際に調整した所でドロ縄状態

ここ最近で一番ダメダメだった。前日まで大雨が続いていたので、

台を調整せずにいたのも、さらにいけなかった。

直前に下端をペーパーで平らにして、無謀にも現場で4点付きに挑戦していたが

やはり 世の中そんなに甘くいってたら誰も苦労しない。

幸い、周りに良いお手本が沢山おられるので、実物を見せて頂きながら

色んな事を教えて貰えた。そんな話の中から幾つか・・


刃口と台尻をあてる2点付き:いままで自分もこの方式だった。確実に削れるが、

何回も削っていると、削り材のまんなかの方がへこんでくる。




台頭、刃口、台尻をあてる3点付き:いわゆる教科書通りの方式だが、台頭では無く

頭から2センチ程、刃口よりを当てている方もおられた。


台頭、刃口前(つつみ部分)、刃口、台尻を当てる4点付き:調整1番難しい。

つつみ部分当てる巾5ミリ前後、なおかつ台頭と共に他2点よりも弱く(=触れない様に)当てる。

漉き取りやすくする為にスリットを入れている方おられた。



甲丸台の効用:丸くした上端の方が表面積が増える為、下端側に縮まって

へこもうとする力を、通常よりも抑えられる。

同様にスリット部分も、表面積が増える為に何もしなければ、より乾燥が進み

下端の方が縮んで反ってしまうので、コーキング等で呼吸を止める必要あり。




その他御殿場の武藤さんが、製作された木のパズルのコーナー

バラすと元に戻らなくなってしまった。


右端には、去年に引き続き遠方からおいで下さった、小川三夫さんの姿も。





最後に亡くなった前場棟梁の遺品の古道具を少し分けて頂けた。

本当に有意義な1日に感謝