今年も恒例、松本での研修会が行われた。
今回の講師は畳屋の三枝さん、お題は「畳の話」
いぐさの種類や編み方、歴史などを話して頂いたのだが、
30分程で途中休憩を、入れたのが運のつき
そのまま削り会に突入してしまった。
なにせ、当の本人の三枝さんが「これ本物だよ」と言って出してきたのが
いきなりの是秀鉋「籐四朗」そりゃあ~畳そっちのけになりますわな。
大物スターに、サインでもして貰えるかの様なミーハーな気分で
ちょっと引かせて貰うと、私の様な下手くそでも かる~く屑が上がってくる。
この日 他にも色んな方々の鉋を引かせてもらったが、一番引きが軽かった様に思う。
そんな事の後 自分の道具を触る自己嫌悪感といったら・・・
たまにしか触らない鉋を、間際に調整した所でドロ縄状態
ここ最近で一番ダメダメだった。前日まで大雨が続いていたので、
台を調整せずにいたのも、さらにいけなかった。
直前に下端をペーパーで平らにして、無謀にも現場で4点付きに挑戦していたが
やはり 世の中そんなに甘くいってたら誰も苦労しない。
幸い、周りに良いお手本が沢山おられるので、実物を見せて頂きながら
色んな事を教えて貰えた。そんな話の中から幾つか・・
刃口と台尻をあてる2点付き:いままで自分もこの方式だった。確実に削れるが、
何回も削っていると、削り材のまんなかの方がへこんでくる。
台頭、刃口、台尻をあてる3点付き:いわゆる教科書通りの方式だが、台頭では無く
頭から2センチ程、刃口よりを当てている方もおられた。
台頭、刃口前(つつみ部分)、刃口、台尻を当てる4点付き:調整1番難しい。
つつみ部分当てる巾5ミリ前後、なおかつ台頭と共に他2点よりも弱く(=触れない様に)当てる。
漉き取りやすくする為にスリットを入れている方おられた。
甲丸台の効用:丸くした上端の方が表面積が増える為、下端側に縮まって
へこもうとする力を、通常よりも抑えられる。
同様にスリット部分も、表面積が増える為に何もしなければ、より乾燥が進み
下端の方が縮んで反ってしまうので、コーキング等で呼吸を止める必要あり。
その他御殿場の武藤さんが、製作された木のパズルのコーナー
バラすと元に戻らなくなってしまった。
右端には、去年に引き続き遠方からおいで下さった、小川三夫さんの姿も。
最後に亡くなった前場棟梁の遺品の古道具を少し分けて頂けた。
本当に有意義な1日に感謝