芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

南京鉋の刃口直し

2010-06-27 11:11:21 | 道具、砥ぎの話
南京鉋の下端がガタガタになってきたので、真鍮板を埋めてみた。



刃口周辺の様子:結構磨り減ってへこんでいる







基準面が無いので、真鍮板を当てがってみて、鑿で掘り進める。







上側も同じように掘る。深さも後で削り落とす分を考えつつ様子を見る




当て木にサンドペーパーを貼り付けて、丸くこすり落としていく(♯120、♯240使用)






木部も一緒に丸く整え、刃をはめてみて、刃口の隙間を調整。

実際刃を出して削ってみて、上手く削れないようならば、おでこの方を少し
落としてやる等の最終調整をして完成。
















鑿の振れ止め

2010-06-20 09:48:56 | 道具、砥ぎの話
自作の鑿箱作り:鑿同士がぶつからないように、振れ止めを作る。

まずは割付、墨付け(巾方向):この作業が一番時間がかかる




墨付け(深さ方向)




墨付け完了




鋸と鑿で荒掘り






実際の鑿をあてがって、ひかり付け作業




様子を見ながら掘り進める



完成した感じ




首の所で決まっていて前後左右に殆ど動かないので、刃を痛める心配がない




手前の狭い部分には入りきらない鑿や小物類が入れられるようにしてある




道具箱本体に納めた感じ:下の段には鉋類等現場道具一式が入っている
他の道具類も納めやすい内寸(一尺一寸×九寸八分)に統一してある










くらふてぃあ 杜の市

2010-06-06 15:22:22 | 趣味


天気が良いので、隣町のクラフトフェアへ行ってきた。

先週は松本。秋頃には八ヶ岳でもこうしたクラフトフェアが行われ、
こうして考えると、長野県だけでも結構なイベントがあることが改めて
うかがえる。




木工、金工、陶芸、染色、織物等様々なブースが立ち並ぶ。
そんな中で毎年楽しみにしているのが、手道具の展示販売。

イベント開催以来、毎年新潟の大謙さんが舟弘さんや、
横坂さんを連れて、やって来てくれる。

舟弘さんが若い頃に作った鑿や、中古の鉋を見切り品として
格安で売っているので、何度か購入したことがある。

今年は珍しく姿を見かけなかった。その代わりに、
三木の高田さん新潟の平出商店さんが出店されていた。







平出さんのブースの奥にいるおじさんは、田斎さんではありませんか!
高田さん舟弘さんを始め、地元のほとんどの人はこうした有名な鍛冶屋さんに
気付くことなく、通り過ぎて行く。



舟弘さんは毎年サービスで包丁砥ぎをされていたが、買っていったおばさん達は
ただの気の良い兄さんだとしか思っていないだろう。

さてさて私はといえば、高田さんの所で、散々砥石のためし砥ぎをさせてもらい、
彫刻刀用の巾狭砥石を買って帰った。満足々々


刃角の直し おまけ

2010-06-06 08:46:36 | 道具、砥ぎの話


寝すぎている刃の角度を研ぎ直す場合、常に刃返りが出続けるので、
始めに刃を止めておく。



刃を立てて、手前に何回か引く。この時注意しなくてはいけないのは、
刃表を自分の方に向けてしまうと、刃裏の方に刃返りが出来てしまうので、
必ず刃裏の方を自分に向けて手前に引く。

刃先に細かな刃こぼれが出来た時も、同じ方法で一度刃先を真っ直ぐに
してやる方が、研ぎ易いように感じる。



こんなに潰してしまうと、刃をつけるのが大変なので、
もっと少なめで良いと思う。

リンゴが教えてくれたこと を読んで

2010-06-03 10:49:31 | 建具屋のかあちゃん
青森の木村秋則さんが、無農薬でリンゴを栽培するということをテレビで
知った時、リンゴ農家が農薬がかからないように体全体を完全防備して、
機械で農薬を撒くのを見たことがあるだけに、そのようなことをしなくても
おいしいリンゴを育てることが出来ると知って、とても信じられない思いでした。

それで木村さんの本「リンゴが教えてくれたこと」を読み、リンゴの自然栽培
にたどりつくまでにご家族共に長年大変な苦労があったという事実を知りました。
リンゴが取れるようになるまでは、村一番の貧乏な家庭と陰口を叩かれて、
それでも奥さんと娘さん達は必死におとうさんを支えたそうです。

私は木村さんの奥さんや娘さんの側から見た「木村秋則」という人、「リンゴの
自然栽培」について思うことが書かれた本があったら是非読みたいと思います。
苦労を支えたその思いを知りたいと思うのです。