芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

あけましておめでとうございます~前回のつづき

2018-01-04 07:34:28 | 道具、砥ぎの話
明けましておめでとうございます、今年も宜しくお願い致します。



では早速前回のつづき:伊那市での削ろう会2日目

石川県の武田外志雄氏による講習会「初心者の為の鉋の仕込み」が行なわれた。

が、しかし丁度池田目立てさんに自分の鋸を目立ててもらっている最中で、殆ど話が聞けなかった。

断片的に聞けた部分をまとめると

●鉋削りというのは、鉄(=刃)と石(=砥石)と木(=鉋台、削り材)の3つの要素で成り立っている。この3つ全てをきちんと調整しコントロール出来ないと成立しない。「二兎を追う者は一兎をも得ず」のことわざがあるが、薄削りを目指すなら三兎も四兎も追わなければならないとの事。

●砥石の調整という事で、砥面の平面を出す。(確かアトマの様なダイヤ砥石と思うが不明)

●刃の調整:表刃と裏の研ぎ方だが、殆ど聞けなかった。裏押しをしたら表刃も若干動くので、もう一度研ぎ直す様な事。また最終的な研ぎ終わりの時に研ぎ角度を1度位鈍角に立てて1ミリだけ前に動かされていた。※片道1回のみ

●台の調整:大きく分けて刃が入る穴側のあたり具合と台の下端の状態。これもあまり詳しく聞けなかったが、仕込み具合として刃を手だけでギュッと押し込んで下から1ミリ手前で止まる位~若干刃が出る位。表なじみに当てるポイント教えて頂いたメモを無くしてしまいうる覚えだが、全体的ではなかった気がする。(機会があれば確認します)

下端は画像の通り厚めのガラス板に粘着式サンドペーパーを使用する。まず長手方向にこすって全体の平面を出し、次に鉋台をガラス板に対し垂直に持ち前後に動かして必要ない箇所を削り落としていく。この作業をする為に試行錯誤の末、丁度よい寸法のペーパーの貼り方になっている。

●ペーパーの粉が刃こぼれの原因になるので、すぐに掃除機で吸い取る事。(エアーで吹き飛ばすのは良くないとの事)

例えば下端をこうして刃を出せば、切れ味はべつとして必ず削れる。この工程に関しては間違いない、ならば上手く行っていない原因はどこか?研ぎなのか何なのか?とにかく各工程でチェックして次に進むといった言われてみればごく当たり前の事だが、意外とそんな風にシンプルに考えて来れなかったし、全体的に曖昧に事を進めてきたなあと反省した。

「鉄」「石」「木」のどこかに結果をつくる原因があり、何がどういう結果をもたらしているかをもっと意識せねばならないようだ。

さて話かわるが、今回より全国大会に向けて展示販売される道具屋さんブースも設けられた。

薄削りの方は全くダメだったので、せめてもと各ブースお買い物気分楽しませて頂いた。そんな中で思わぬ発見

持参の鉋で仕上げ砥石の試し研ぎをしているとふらっと現れたSさん。「ちょっと貸してみ」と私の刃を同じ砥石で研がれたのだが、不思議な事に気になっていた傷が消えてしまった。

あれっと思い私が研ぎ直すとまた傷が・・・(=下画像、斜めに入っている白い筋)



今までず~っと水にゴミが入っているせいだと思っていた傷、研ぎ方が原因だとハッキリした。

その後砥石屋さんにもアドバイス受け、手首をロックしたりしていると上手く行く時もチラホラ、だが少し気を抜くと逆戻り。知らないうちに付いた癖を直すのは難しい。