芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

ねじれ直し再び

2017-01-04 17:16:44 | ねじれ直し


以前鍛冶屋さんにねじれ直しについて教えて頂いたのだが、自分でやっても一つも上手くいかないので再度訪ねてきた。



まず、「ねじれは、研ぐ前に直すのが基本。研いであると、どうねじれているか解かりづらくなる」との事。
次に、叩く事の力量分布として「ねじれに作用するのが2~3割。残りの7~8割がねじれとは関係ない部分に作用している事を承知しておいて」と前置きされた。



要するにちょっと叩けば、関係ない所の方が動いているので、常にどう言う状態かチェックし軌道修正しなければならないと言う事。





更に叩く位置や巾は勿論の事、元々の作り(=すき具合、厚みや地金の硬さなど)も影響して来るので、どういう治療をして行くかの方針だてが出来ていないと収拾がつかなくなる。御本家は手元に小さい差し金を置いて、こごみ具合やすき具合を絶えずチェックされていた。



簡略化した例として上の様にねじれている場合、左のこごみ具合が次の画像



右が次の通り



右側の方が比較的まっすぐなので、左の反りのきつい方を叩いて平ら方向へ直す方針へと言った感じ。

さて、横から見た時の作りで一般によくあるタイプの作りが次①



判りずらいが実際の写真;上下空いて中が定規面に着いている。



この作りだと砥石乗せる位置で裏の当たり方がその都度変わってしまうので、御本家の最近の作は次の様にかい先までべたっと砥石に乗せても、裏しか当たらない様になっている。②



しかしこの作りでも、使っている内に縦裏が広がって来るので理想形として次③



どんな下手くそが研いでも必ず刃先の裏が砥石に当たるとの事。

話を聞いただけなので、図が間違っているかもしれない。いわゆる裏出し不要鉋とは違う作りで、使いつづけるとひょうたん裏になるそうだ。最近売り出された「ひょうたん印 軟木用」がこのタイプと思われる。

元々①の作りの鉋を無理を言って②の作りにして貰った例;手前の頭側が反り上がっている。





ちなみに下図の叩き方で左右それぞれ直されていた。












明けましておめでとうございます

2017-01-04 11:31:43 | 柄の話
明けましておめでとうございます、例年通り、もたついている間に年が明けてしまいました。

うっかりウィンドウズ10にしてから、写真の取り込み方が分からなくなってしまった事もあり、すっかりご無沙汰しています。(デジカメ~パソコン~画像圧縮~ブログ用画像フォルダーへアップと言った大変時代遅れなやり方でやっているので御察し下さい。)

こんなずぼらブログでも、毎日多くの方が楽しみにしてアクセスして頂いている様です、有難う御座います。今年も気長にお付き合い下さい。

では、早速





以前送って頂いた裏出し用の槌、櫃穴の精度が全く出ていなかったのでヤスリで擦り直し。

今回の柄は御本家を意識して太めにする事に。





上が御本家そして・・









寸法:左側が長さ=260ミリ 肩の断面=30×21ミリ 柄尻の断面=42×32ミリ 櫃穴=29×11ミリ

右側 長さ=243ミリ 肩断面=25×21ミリ 柄尻断面=44×31ミリ 櫃穴=21×11ミリ

今回太さを確保したかったので、首の所に肩(=胴付き)をつけた。





左側の物は、穴の背が30ミリも有るのが功を奏して、かなり良い感じの握り易さに出来た。今後150匁~の重めの玄翁は肩を作ってこの形にしようと思う。

右の物握り心地悪くないが、首付近の断面は縦にひらたい方がずっと良い。見た目はおかしくなるが高さ方向にも肩を作れば良かったと後悔した。柄尻の大きさは、2本共ほぼ同じなのに大分印象が変わってしまう。