芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

手足に物凄く汗をかく人へ 2

2014-06-29 20:07:44 | 健康
手足に物凄く汗をかく人=手掌多汗症と言う立派な病気で詳しくは、検索して頂いた方が分かりやすいと思はれるので、割愛させていただくとしてここではネットに出ていない事を少し紹介する事にする。

1)大量に汗が出て、それだけで本人にとっては十分不快なのだが、2~3日ある限界以上に汗が出続けると次の段階として、むくみや痒みを伴なう湿疹が発生する。



まぁ簡単に言えば「あせも」或いは「水虫」と考えてもらえれば、解かりやすいのではないだろうか。

2)痒みを我慢して7~10日程するとむくみが収まり、今度は雨季のあとの乾季の如く猛烈な乾燥が訪れる。





皮がべろべろにめくれてヒリヒリした痛みを伴なう。自分の場合はこの段階になって初めて、手荒れ用のハンドクリームを塗る。手荒れが収まれば、ひと段落つくというか、暫く汗の出方が少しましになる。

上手くすれば、汗をかくだけで済む年もあるが、だいたい年に1~2回多い時で3回この汗の「雨季」と「乾季」が訪れる。

やってはいけない事として、湿疹が出た時にブツブツを潰したり、掻きむしったりを絶対にしない事。余計にかゆくなり、治りも遅くなる。

それから汗が活発に出ている時に塗り薬を塗ると、余計に蒸れて汗がより出てくるので、止めた方が良い。

このままでは、むくみ→痒みが来るやばい状況というのは本人なら分かるので、そんな時は出来るだけ手を冷やす、洗うなどして次の段階に進ませない様にしてやれば、湿疹が出ずに軽い手荒れだけですませられる。

しかしながら、実際の日常生活でそんな事をしていられない場合の方が多いので結局は、ブツブツ~ヒリヒリ地獄を味わうはめになる。

せめてもの対処法として、痒みを伴なうむくみが出てきてしまった時は、水で手を洗うよりもかなり熱めのお湯(10秒手を入れているのが、やっとな位)に手を浸けてやると、むくみや痒みがかなり和らぐ。

完全に治療するには、交感神経を切る手術しかない様だが、副作用として代償性発汗=手からは発汗しなくなるが、代わりに今迄それ程かかなかった所から多量に発汗する様になる。

また余計な神経を傷付ける事によって、まぶたが垂れ下がったままになる=ホルネル症候群などの恐れがあるので、そういった事に対応している治療施設を選びたい。

私自身、手汗足汗治るならば、すぐに治したい所だが費用や副作用、また何処の病院が良いかなどで迷っている。なので実際治療受けられた方いらっしゃたら、情報お待ちしています。

そして同じ様な症状で悩まれている方、結構おられるようです。ともに頑張りましょう!



手足に物凄く汗をかく人へ 

2014-06-22 20:10:25 | 健康




手足に物凄く汗をかく人、それは何を隠そう私自身の事である。

普通の人には多分想像することが出来ないと思うが、日常生活にも結構支障をきたす。

症状によって3段階あり、わたしの場合中程度のグレード2=手のひらを握った状態で汗がしたたる(滴下する)状態。

今まで病院に何度かかかった事もあるが、よくわからん塗り薬をもらって塗ってみるものの、余計に汗が出る始末だったりでずっと治療など出来ぬものと諦めてきた。

家族 親戚をはじめ、こんな症状の人は周りに一人もいなかったので、てっきり特異体質だと思っていた。

そのうち自律神経失調症なんて言う言葉を聞くようになり、自分もそうなのかなぁと思いはしたものの、さして状況が変わる物ではなかった。

それがここへ来て、子供の同級生でやはり手汗をかく子が、手術を受けるらしいという話を持ってきた事で事情が変わってきた。

「へっ?手術で治るの!?」早速インターネットで調べてみたら、色々でて来る。これは希望が持てるかもしれない!!  つづく


道具の値段 おまけ

2014-06-22 14:45:18 | 道具、砥ぎの話
こうして見て来て戴いた通り、ここ10年程の間 特に普段一番よく使うと思われる価格帯の値段が、2倍近くに上がっているのが良くわかる。


その一方インターネットオークションをみていると、状態が悪くても高値で取引される人気商品があるかと思えば、きちんと丁寧な作りでも誰が作ったか分らない物が数千円で買えたりもする。

山口房一さんの天一目の様に45000円位していた物が1万円、同じく夢幻も25000円位だったが矢張り1万円で売っていて、随分と良心価格だと感じるのだが、何故かいつも入札者が殆どいない!(これもペンギンの行列の心理なのか)

話は変わるが、以前お世話になっていた方が、定価の1割が材料費 問屋に買い取って貰う値段が定価の3割5分になると言っておられた。
例えば、お客さんに10万円で売っている商品ならば、作った人の利益は材料費を差し引くと25000円で問屋さんは、品物を右から左に動かしただけで65000円の儲けがあると言う事。

それだけの格差があっても、自分で売り歩く事の煩わしさや、継続的に生活していく為には不利な条件を呑まざるを得なかった様だ。

今のご時世に、この様な割合がそのまま当てはまるのかは分からないが、電化製品や電動工具等の工業製品には大体当てはまっているのではないだろうか。

鍛冶屋さんの世界では生産者が消費者に直売りする事をタブーとしてきたようで、長谷川幸三郎さんの様な超有名な方でも必ず、問屋や小売り店を通しておられた。

私も作り手としてこの不平等な感じが嫌で、なるべく直に生産者に注文する様心掛けて来たが、とある道具屋さんに出会い少し考えも変わった。

自分の実力や知識が伴わなかったり、実際に使う場面が定まっていなかったりすると、折角作って貰ったものもイメージと違っていたり、使いにくいなんて言う事も何度かあったが、結局どこが良くてどこが悪いなんていうフィードバックも何一つ出来なかった。

初心者にとっては研ぎや仕込みがきちんと出来て、その人に合った道具をコーディネート出来る様な先輩はいてくれた方が心強いものだ。売れ筋商品ばかりを薦めるだけでなく、そんな良き先輩の様な道具屋さんが増える事を望む。

使い手側としても、無闇に情報に躍らせられないよう本当に必要なものを見極めたい。


道具の値段その3

2014-06-16 19:30:28 | 道具、砥ぎの話
鉋の値段つづき

2003年12月:  山口房一作 鍛炎寸八 56000円 京乃極も同じ 削朗會寸八 46000円

2004年2月:   碓氷健吾作 序乃舞寸八 95000円

2004年6月:   中屋平治作寸八 58800円  石社作寸八 54000円 2寸 72000円

2005年2月:   宮本雅夫作 天翔 12万円  男一代 85000円  横山邦男作 桜 37000円(東郷レイ号モデル)

2006年1月:   碓氷作 削ろう会10周年記念 寸八 7万円

2007年6月:   内橋圭介作 圭三郎青紙 寸八 36000円

2000年頃:    陣太鼓銘 48ミリ小鉋 8000円程(※当時5千円程で本職用が手に入ったので、これでも高い部類)

36ミリ際鉋 5~7000円

玄翁:

2000年頃:    長谷川幸三郎 磨き仕上げの物(鋼付かは不明)12000円 当時、千葉や埼玉辺りの大工さんに道具を見せて貰う機会が何回かあったが、幸三郎玄翁はみんな普通に持っていた。

鋸や他の道具は使う機会も少なく殆どチェックしていなかった。8寸片刃が1万~15000円位で買えたと覚えている。



さて何と言っても1997年に削ろう会が発足され、作り手、売り手、使い手にそれまで何となくだった情報が徐々に暴かれる様になってきた。

阿保さんや工藤さん等の名人が実際どんな道具を使っているかや、それまで完全に裏方として扱われて来た鍛冶屋さんに日が当たり出した。(舟弘さんや、も作さんの様なスター鍛冶屋さんが見出された)


また若手の内橋さんや石社さんの様に、デビュー当時から良い単価の商品が売れるなんて言うことは、それ以前には考えられなかった事である。

こうした良い事の反面、人気の商品の値段は物凄く跳ね上がったし、注文しても何年も待たされる事も珍しい話では無くなった。

そして気になるのが、鉋至上主義というか切れる鉋を作る人がもてはやされる様になってしまい、特に鑿鍛冶の人が本業そっちのけで鉋を作る様になった事だ。(素人目に考えても確かに鉋を作る方が鑿よりも利益になるのは、理解できるが…)

また高齢化に伴いお亡くなりになられる事も、更に値段を高騰させる要因になっている様だ。

2009年にかなり状態の良い中古の清忠鑿が、10本組で96000円だったのが今では20万以上しているし、2年程前8万円で売っていた碓氷作の華甲は、中古で16万円!!(普通ならば試し研ぎ程度でも中古と見なされて、新品よりもかなり値引かれるもんだが) 

お願いだから良い道具を職人から遠ざける事せんといてくれ!と祈るばかりである。


道具の値段その2

2014-06-10 20:37:51 | 道具、砥ぎの話
鑿の値段追記:問屋銘 陣太鼓で最上位クラスに陣太鼓清久があり通常の陣太鼓の2倍位の価格 追い入れ鑿10本組で8万円程

清久とは正真正銘あの清久作で私も寸2を1本持っていたが、確か1万2千円位だったと思う。

2008年1月:  国慶作追い入れ鑿8分 7700円


続いて鉋:






~2000年頃:  本職用の寸八が大体1万円前後で買えた。頭に槌目がある様な上物で2万円~  当時の自分の感覚としたら、高いなぁ~と思っていた。  碓氷健吾作 健明 5万円位


1998年11月: 削ろう会でオリジナル商品を山口房一作を青紙、白紙各22000円で売り出した。

2003年11月:  健明 寸八 65000円 2寸 7万円  晩悠も同じ。  雪の華 寸八7万円(全て碓氷作)

横坂正人作 楽山 寸八 4万円 2寸 45000円    水野清介作 越乃荒波 寸八 12000円

2007年9月:   も作 寸八 32000~36000円(台付)で売っていた頃、神田さんに直に注文したら、寸六で18000円
寸八で2万円 寸四で16000円 1寸小鉋が6000円で買えた。(全て共裏付き、刃のみ)    つづく


 


道具の値段

2014-06-09 20:11:27 | 道具、砥ぎの話
これから仕事を始めようという若い方は、道具の値段いったいどれ位に捉えているんだろうか?

人に勧められるがままに10万~20万の鉋を買う人も少なくない なんていうバカな話も耳にするので参考までに10数年前の道具の値段やその背景となっているんじゃないかなと私が勝手に思うことを書いてみる。

当時のネットショッピングの値段をプリントアウトした物が結構残っていて、そういった明確な物と記憶のみの曖昧なものもあるが、まあ大きく外れてはいないと思う。

まず鑿

2003年11月:  田斎作 追い入れ鑿10本組 12万円(税込み) 心童銘で8万円

2005年4月:   高橋和巳作 カネタケ追い入れ鑿10本組 66000円  カネタカで77000円

2006年11月:  同じくカネタケ追い入れ鑿10本組 85000円  カネタカで96000円

2009年頃:    田斎作 追い入れ鑿10本組 16万円※上記と同じ物  舟弘作も大体おなじ位だった

2000年頃:    地元の長野でプロが使うそこそこの上物が、陣太鼓銘 追い入れ鑿10本組 4~5万円 同社の廉価版 市秀銘で約半値

地元で開かれる展示会に8~10万円が最上位クラス。それでも高いと誰も買う人はいなかった。

全国展レベルの展示会で1度だけ市弘 追い入れ鑿10本組が20万円程で売っていたのを見た事がある。当時にしては珍しく穂も柄も無塗装で、「ザ・本物!!」という印象だった。

その他清忠さんが廃業した直後で、追い入れ鑿10本組 12万円ほどだった。        つづく

口コミ情報に踊らされる私

2014-06-08 17:10:17 | 心に残った話、出来事
インターネットが普及し道具関連の情報も15年程前に比べて飛躍的に進歩した様に思える。

例えば、千代鶴是秀のような超有名人でも会った人はおろか作品を使った人が何人いたのだろうか?

刃物の切れ味という曖昧な事にどうしてこうも振り回されるのか? こんなにも情報化が進んでいても結局の所、口コミ情報しか無かった時代と本質は変わっていない気もする。


それはさておき、この人それぞれに感じ方が違うはずの要素に、科学的データや物語を付けて自分の選択に理由を付けてる様な気がしてきた。

或いはテレビ番組でも言っていた、ペンギンが仲間がいる方へ近づく習性があり、人間も行列がある方に信頼性や安心感を感じる為か

又は以前外国人から指摘された様に日本人がモノカルチャーの為か(つまり旅行に行っても皆同じホテルに泊り、同じメニューを注文するみたいな事。彼らにとってはかなり異様な事に感じるらしい)

そしてこれらの習性が合体した時、今流行りの○○とか注目の△△とかを買っちゃたり、気になって仕様がなかったりしている。

当然、売り手側がこういった事を見逃すはずも無く、気付けば何処の店頭にも右へならえの品物が並んでいる。


最近の傾向で気になるのは、アクセス数の多いブログで取り上げられた物をそっくりそのまま売れ筋商品に仕立て上げている業者が多い事だ。

値段を吊り上げたり、一通りブームが収まった頃に、今迄見向きもしなかった物を急に売り出したりして来るのも気になる。

では、金井 東郷レイ号 犬首鋼 青紙2分寸 片嶋圭三 山本健介 貞時 中惣 長光

では、家紋清久 錦清水 高昇 常弘 正繁 

その他 天水ナイフ等々が最近の注目品といったところか


殆ど京都のあの方や兵庫のあの方、三重のあの方など道具好きなら大体見ているブログで紹介された物ばかりで、研ぎ関連では、北海道のあの方が紹介した830pやサンヨー6000番 大阪や愛媛のあの人達が使っているキングハイパー等が挙げられる。

私も予算の許す限り気になったものは試す様に心掛けているが、結果的に言える事は他人には最高でも、自分にはあまりしっくり来ない物も多い。

仕事で使われいる方はさておき、研ぎも仕込みもしない人達の、ただの噂話に振り回され無い様な心眼を身に付けられるのは何時になるやら。

皆さんも 受け売りの話を鵜呑みにせずに必ず実行しましょう!


余談だが、今オークションを見ると人気の片嶋鉋が手頃な値段で出品されているが、前述のペンギンの法則か入札者ゼロがかえって警戒心を産んでいるのか珍しく売れ残ってしまいそうだ。