芭屋框組(はなや かまちぐみ)

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台打ちをしてみての発見(その3)

2008-10-29 22:04:56 | 道具、砥ぎの話

鉋身のねじれや片刃砥ぎがどのような影響を及ぼすかについて、上の画像のピンクのラインがねじれた鉋身をそのまま裏押しした時の刃裏のライン。

画面左側はいわゆる縦裏といわれる木端にそって、縦方向にあらわれる接地面があるのに対し、画面右側は縦裏がなく代わりに刃横部分の接地面積が左側に比べ、大きくあきらかに左右非対称になっているのが写し出されている。

この刃がどうなっているかというと、右側の刃先と左側の縦裏部分が接地しており、左側の刃先と右側の縦裏部分は、浮いている状態。つまり鉋身がねじれているということ。

鉋の刃はご存知のように、左右の押さえ溝の仕込みが命といって良いほど重要なポイントである。刃裏の接地部分がこのように左右不均等ならば当然左右不均等に鉋台の方にも影響を及ぼす。

いくら表なじみをいじった所で、肝心の押え溝の硬さが左右で違っているのだから、刃が真っ直ぐ出入りしないばかりか、なおしてもなおしても、いつまでも台が狂うことは、容易に想像してもらえると思う。


もう一方の画像は、自身で砥ぎもされる鍛冶屋さんが作られた、裏刃の様子。刃のひずみは全く無く、裏の出具合も、もちろん左右均等で理想的な状態といえる。

次回へつづく

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