最高おススメ演技 その11は、2011年~12年のシーズンに、あのロミオと一緒に演じ続けられたSPの「悲愴」(スクリャービン作曲)です。
ファンの間で人気が高く、海をイメージしたといわれる、幻想的で流れるような美しいデザインの「青」の衣装で有名です。
羽生選手の写真や本の表紙、CMなどによく使われており、羽生選手に興味がなかった人でも、見たことがある方も多い衣装。
蒼い炎 | |
扶桑社 |
この「悲愴」は、芸術性が高い、このエネルギーは一体どこから出てくるのか、などと外国解説者たちには絶賛されていました。海のイメージと言われた通り、ひたすら流れるような動作が続く、流麗な演技です。
2011年~12年シーズンで大震災直後であり、羽生選手は、当時の複雑な思いを、この演技で「昇華」させようとしていたように見えました。 そういう迫力はとてもありました。
試合では、上手くまとめてきたグランプリシリーズ中国杯と、ショーの時の演技が、落ち着いていて、全体がより美しくまとまっている印象があるので、以下の3つをおススメです。
フレンズ・オン・アイスでの演技 ↓
上のこの演技の冒頭で、羽生選手は、4回転トーループ+3回転トーループのコンビネーションジャンプを跳んでいます。 羽生選手、当時16歳。
非常に落ち着いて、あまりにもあっさりと、高速で4回転跳んでしまっているので、思わず、「あ然」としてしまいます。
(羽生選手が、4回転+3回転のコンビネーションを跳べないのではと思っている方々が中にはいらっしゃるようなのですが、この動画で解るように、そんなことは全然ありません。)
また、続く3回転アクセルも流れに乗って美しいです。
こちらは、別のショーの演技。 ニコニコ動画です。(動画主様、拝借します。)
(動画説明の「ホーホー低減」っていうのは、観客の歓声やため息の雑音の音量を絞って下さったとの意味だと思います。)
ショーでは、青や紫の照明により、全体が幻想的なイメージになっており、美しく統一感をもって見える点が素晴らしいです。
グランプリシリーズ 中国杯
キス&クライでのコーチとの会話が鮮明に録音されています。
英語解説の翻訳はついていないですが、英語がわかる方はどうぞ。
解説者に非常に気に入られていて、とにかく絶賛されています。コンビネーションジャンプについてのとっさの判断力も褒められています。
次のものは、昨年秋のグランプリシリーズ「スケートカナダ」(GPシリーズ・カナダ大会)のエキシビションとして演じられたもの。↓
上の3つは2011年の羽生選手ですが、 こちらは2年経った、2013年の羽生選手。
冒頭のジャンプの失敗が残念ですが、比べてみると、体格や滑りの違いが明らかです。非常に力強くなり、以前とは別の形の美しさが醸し出されてきています。安定感が増しています。
カナダに渡って、スケーティングを基礎から鍛えなおしてきたというだけのことはあります。
でも、以前の羽生選手にしか出せない「独特の」流麗さ、類稀な「しなやかさ」も貴重な個性でしたし、どちらも素敵です!
最後に参考までに。 このシーズンの集大成として、ニースで行われた、2012年世界選手権でのものです。世界選手権には、この時が初出場でした。現地解説イタリア語版。(翻訳なし)
前半はイタリア解説者たちにも絶賛されていますし、いい感じだったのですが、中盤ジャンプの失敗が出てしまい、最後の羽生選手は、非常に悔しそうな表情で終えています。
でもこれがあって、この後のフリープログラム、あの伝説の世界選手権「ロミオとジュリエット」の演技(「最高おススメ演技その4」で紹介)に繋がっていくのですね。
こちらは、もっと画質の良い動画です。(フリー演技と表彰式もついています。)