2014年のグランプリファイナルが、先週末終了しました。
そこで、やや常識を超えた驚愕のものを披露してくれた、二人の才能ある選手に、エールを送ってみたいと思います!!
まずは、羽生選手! 優勝、そして体の”ほぼ”回復、本当におめでとう!!
ショートの登場の時から、非常に落ち着いていて、観ていて全然不安がありませんでした。
衣装のグラデーション部分の色がグレーから青に・・・ 中国杯より青く見えましたが、同じもの? 今までで一番良かったかも。
「羽生選手らしく」、やりやすく改良を加えたという演技も、見て納得。
何よりも、久々の明るい笑顔で終えられて、”幸せ”コメントが聞けたのが本当に良かったです。
冒頭の4回転トーループは滅茶苦茶キレイでした。跳んだあとがまたすごく良かった。久々にうっとりする演技。
4回転を着氷したその右足だけで、そのまま、左足を一度もつけることなく、音楽にきっちりと合わせてリズムをとって美しくターンを繰り返して滑り、(ここまででもう変人技)、ふわり、ピタリと柔らかく止まる。
音楽を感じながら滑ることが出来た、との演技後のコメントを聞いて嬉しかったです。 本来の羽生選手が戻ってきた感じ。
でも、さらに指先や腕の表現に磨きがかかる、あるいはポイントが入ると、おそらくさらに格段に魅力が変わると私は思いますが・・・(でも、羽生選手はもともと得意だったはず。振付の問題?)
最後のコンビネーションジャンプの軸の曲がり方が凄すぎて(笑)、全く羽生選手らしくなくて、その辺はまだまだ全然完全ではないことがよくわかりますが、(マスコミは「完全復活!」って煽っていますけど、羽生選手の「完全」はこんなもんじゃないだろう・・・!!って思っているファンは多いことでしょう)
それでも、今の羽生選手としてのベストを出せたであろうこと、すごく頑張ったこと、スケートをできる喜びが復活した、というのが、何よりも嬉しかったですね。完全復活という言葉が該当するのは、「スケートを滑る喜び」のほうのようですね。
私は今までも書いてきましたけど、羽生選手は音楽にピタリと合わせる能力が非常に高く、スケートを滑る喜び(意欲・積極性)が爆発的に出ている選手だと思ってきました。そこが抜きん出て凄かった。
だけど、中国杯で怪我のまま、泣きながらリンクを見つめてから、怖い顔で試合に向かった後は、羽生選手の演技の何かが根本的に変わっていってしまう気がして怖かったです。だから、今回は落ち着いて集中した様子で演技を開始した、元通りの羽生選手を見て、安心して見ていられました。
同じような気持ちのファンは、きっと沢山いるのではないかと。
またイーグルで前後を挟んだトリプルアクセルが試合でも見られる日が来るといいですが(フィナーレではやってくれました)、それはまだまだ先のこととして、(体調が良くなってできればいつか、でいいです)、 楽しみにしておきます。
フリーは、いつもより慎重に丁寧に一つ一つを滑っているのがよく解りました。何よりも昨シーズン苦戦した、4回転サルコウの大成功が、一番目を引きました。あれは本当にキレイでした! (なんとなく、NHK杯での村上大介選手の刺激が大きく影響したのではないかと・・・。)
4回転トーループは、あの怪我を思えば「凄い」んだけど、羽生選手はもともと4回転トーループの成功確率は9割を超えていて、「成功が当たり前」でした。成功できない状態でも無理して滑ってしまった先月こそが、本当に「異常事態」だったということ。 だから、「やっと振出しに戻った」というのが私の印象。
それでも、1か月前はまともに歩けなかったことを思えば、ビールマンスピンまで入れちゃって本当にもう、羽生選手は、私の想像以上に、間違いなく凄いヘンタ・・・ いやいや、 凄い”タイヘン”だったに違いないです!(笑) お疲れ様でした。本当に今後も油断せず、お身体を大事にして下さい。
今回の「オペラ座の怪人」は、冒頭のこのジャンプの連続で、ファントム登場の迫力が表現できるので、決まると非常にカッコイイですね。
NHK杯と同じく、ファントムというよりもは、やはり「羽生結弦選手」な印象の演技でしたが、「自分らしく演技したい」と仰っていたので、きっと予定通りでしょうし、1年ぶりにスケートを本当に楽しめたということなので、そこは本当に良かったです!
冒頭のジャンプシーンはカッコよくて、羽生ファントムに惑わされてついていきそうに・・・(笑)
でも気が付いたら、いつの間にかそのファントムは姿を消して ・・・あららこれは元の羽生選手? (私は構いませんが。(笑))
コケても笑顔な謎のファントム(いや、素晴らしいです!)、勝利に酔って終わるファントム(いや、これはちょっとラストが違い過ぎ…(笑))、
とにかく中盤から後半になるにしたがって、「それはもう、全然ファントムじゃないでしょ!(笑) どっちかというと、普通に必殺技を繰り出すウルトラマン(超人)・ハニュー!(笑)」と思っていた私に同意して下さる方は、日本中に大勢いるに違いありません。
しかし、この演技を見ている間に、私には逆に、なぜあの「中国杯」での羽生選手が、一部の人々を異常なまでに熱狂させたのかが、私にはピンときました。今はここには、あえて書きませんけれども。
やはり、羽生選手があの時何を思いながら滑っていたのか、私は本音を知りたいですね。 落ち着いたら・・・でいいから、いつか話して下さるといいな、と思います。
中盤の「嘆きのシーン」及び、仮面を外してSoftly,deftly・・・と歌われるところ(オペラ座の怪人で、ファントムがクリスティーヌを誘惑する、最も官能的なシーン)は、中国杯のもののほうが表現面は凄かったように思うので、あれを「表現」として高められたなら、さらに凄いのではないかと思いました。
中国杯の演技は、怪人の演技というより羽生選手の「本物の感情」由来の演技に見えるから、誘引力が凄い。 けど、本当に壮絶で悲惨だから、そこが見ていてとても辛い。
だから、今度は「秀逸な演技」としての表現であってほしいと思います。
今回の演技は、どちらかというと・・・
「オペラ座の怪人」という音楽を背後に、仮面なんかカケラほどもいらないカッコイイ、「王者」だの「王子」だのの異名をもつ羽生ファントム。(←いいんです、羽生選手に仮面はいりません!何にでも変身できますから!)
冒頭でオペラ座の観衆を驚かすことにまんまと大成功した羽生ファントム、(2種類の4回転成功)、勢いに乗ったのか、もはや 嘆き?なんてものとは無縁で、スケートという名のクリスティーヌと、相思相愛のラブラブモードでハッピーエンド、演技終了後には、勝利の杯までもを、恋敵ラウルに思いっきり見せつけて終わり! みたいな・・・
ストーリーとしては、むしろ見事なまでに完全に破たんした・・・ そんな、「オペラ座の怪人」。(笑)
いや、まさに、「アッパレ座の怪人」でした!(笑)
さもなくば、最後ののトリプルルッツで倒れ、それでも、ニコニコして「シャキーン!」と立ち上がっていくあたりや、演技終了後の顔をくしゃくしゃにした勝利のガッツポーズまで見たら、やっぱりこの演目は・・・
バルタン星じゃなくて、「バルセンローナー」という異国の地で戦って復活してみせた、「アッパレ座の超人(=ウルトラ・マン!)」 だったかも?
・・・実に羽生選手らしいです。(笑)
20歳になって成人しても、「子供の心を忘れないでいたい」と、その夢(?)を語っていた羽生選手。
はい、羽生選手は立派な、正真正銘の20歳のウルトラマン(超人!)になりました! 子供の頃の夢と憧れがかなって良かったですね!なかなかこういう方はいないでしょう。羨ましいですね。(笑)
(注:幼い頃の羽生選手が、最初に作ってもらったプログラムはウルトラマンだそう。)
今シーズン始まる前に、うっかり羽生選手を、「あしたのジョー」みたいな人だのなんだのと書いてしまい、シーズン始まったとたんに、滅茶苦茶、もうこの上なく後悔する羽目になった私は、もう二度と書きません!
あれは全部、中国杯前の、「きのうのジョー・ダン(done/終了!)」だったということで、宜しくお願いします。 申し訳ございませんでした。
(え? レベル・アフォー認定? うわ~、ありがとうございます! ”ア~、ホッ”とした!(笑))
おっと・・・ 私の「スベる」技術までもが、戻ってきたかも・・・ (← いや、これは戻らなくていいという話。)
羽生選手が、中国杯前に 「悪いイメージの中に隠された、ファントムのピュアな心を表現したい」と言ってくれていた、今期の当初の目標は
シーズン最後まで楽しみに取っておきます。 (スケートへの純粋な思いを取り戻したのはその重要な第一歩かも?!)
回復してきた羽生選手、心からの笑顔も取り戻してくれてファンとしてはとても嬉しいのですが、でも本来の羽生選手は、
そして羽生選手が今期目標としていたファントムは、特に表現面においては、まだまだ全然こんなものじゃなかったはずだ~!遥かに上をいくはずだ~!と思っている私としては・・・ (課題は大きいですね~わくわく♪)
・・・あ、 いや、でも無理しないで下さい。 お身体第一です、絶対に!!
年末には、”年末時点での”ベストを期待しています! 喜びをもって滑れるのが一番!(笑)
ラウルに向かって完全勝利宣言しちゃうようなファントムはさすがにどうかと思うけど・・・ ラストが”幸せなファントム”は、歓迎です!
ところで、私はもちろん、多くの人が気になっていると思われる、「歌いながら滑る羽生選手」についてですが、インタビューで、理由の説明があったようです。↓
「別に歌うなと言われたら歌わないけど」と笑いつつ「流れてくると、自然と出てくる。自分の中でボーカル入りの曲は自分で曲を作り出さないといけないと思ってる。そういう意味で口を動かすのも、表現の一部かなと思う」と、説明した。 (羽生選手)
・・・歌うななんて、絶対に言いませんとも!(笑) ぜひ歌って下さい! 次回は胸元にマイクつきで・・・(←注:これは完全に間違ってます!)
私が「こえ~(怖)こえ~(声)ファン」なのかどうかなんてことはどうでも良くて、やはり「ファントム」(怪人)は、 歌で魅惑してこその「オペラ座の怪人」なのですから!!(笑)
羽生選手は、そうでもしないと、「アバレ座の超人」になりかねない!(笑) (← きっと、絶対、確かに、間違いなく、絶賛しているはずです!)
・・・真面目な話、特に中間の、羽生選手が仮面を外す場面から始まる曲は、ファントムがクリスティーヌを歌で官能的に誘惑していく場面だから、羽生選手は歌う側に回る心境で演じないとファントムになれない。
歌を”聞いて感じる”側に回っちゃうと、あっさりと、羽生選手はクリスティーヌの役になっちゃう危険が・・・!
ただでさえ、音楽に没頭しやすい羽生選手は、音楽に洗脳される側・誘惑される側に入り込むと多分、観ている側を、ファントムの世界には誘えません!・・・というわけで、
歌う羽生選手、素晴らしいです!!最高ですとも!!継続希望!!(・・・無理する必要は決してないですが。)
しかし、今大会、そんな喜びや選手たちの不断の努力にも、冷や水をぶっかけてくれるような「採点」の一部が、私は非常に気になりました。
・・・激しいブーイングの出る大会というのは、やはり気分が悪いものです。
同じ選手の同じジャンプを見ていながら、加点が「+2」をつけるジャッジと、「-2」をつけるジャッジが同時に出るというのは、やはり非常に残念です。
(ショートプログラムにおける、ロシアのボノロフ選手と、同じくロシアのコフトゥン選手の採点) ←どっちもロシア、わかりやすい・・・(苦笑)
+2と-2は、あまりにも意味が違いすぎる。 なぜこうなるのでしょうね。
真逆ですから。 こういうのは技術を正確に判定されているとは、とても思えないですね。
私の位置からは回転不足に見えました~、いえ僕の位置からは回っているように見えました~、などといい加減に言わせないためにも、回転不足だの何だのは、本当に早く複数のカメラを導入してコンピューター解析でもすればいいのに。
(私はこれをあまり細かくうるさくするのは、演技を委縮させるので良いとは思っていませんが、こだわるならそこまでやれば!という気分。)
前々からそうですけど、審判の匿名性は、採点不正や圧力を排するという、当初の導入理由からは、完全に裏目に出ているように見えます。
もはや今さらですけど、やっぱりちょっと悲しいです。 羽生選手が優勝をした大会だけに。
NHK杯後、私は、「羽生選手が真の王者にふさわしい人ならば、あり得ない奇跡も起こるでしょう」と書きました。
やっぱり羽生選手は、王者にふさわしい人なんだろうと、思います。 演技内容を見れば、それは解る。
でも、審判は決して神ではない。 それどころか、欠陥だらけの、弱さだらけの人間がやっています。・・・そして、制度も同じ。
それに翻弄される選手たち。 そんなことを、改めて象徴するかのような、一連の出来事でした。
羽生選手が、正真正銘の絶対王者と呼ばれるほどの存在になった暁には、かつてのプルシェンコ選手みたいに、こういう、フィギュアスケート界全体を腐敗させ、信用を落としていくような点にも堂々と切り込んでいけるような、真の王者っぷりを発揮するような方になってほしいな~と、ファンとしては、しみじみと思いました。 (巨大な課題!)
せっかく羽生選手が、競技としての最高レベルを追求している真摯なアスリートだというのに、それを無駄にするような要素というのは、やはり事実上の、一番の「見えない強敵」に私には思えます・・・ せっかくの羽生選手の努力と結果が、無に帰しかねませんから。
羽生絶対王者時代がもし到来するのなら、それはやはり、競技としては、今よりもさらに公平で公正な、説明責任をも担えるような採点制度に少しでも近づいた状態であってほしいですね。
「課題大好き」「戦うの大好き」「壁を乗り越えたい!」な、帰ってきたウルトラマン(超人)状態の羽生選手を見ていたら、やっぱり・・・ こう叫びたくなりました。
行け!ウルトラマン・ハニュー! フィギュアスケート界に、不正や不公平をもたらす バルタン星人をやっつけろ! (笑)
地球に平和を取り戻せ!!(笑)
・・・次回につづく。
以上、グランプリファイナル2014における、「帰ってきたウルトラマン・ハニュー劇場」の感想でした!(笑)
・・・あれ? いや待って! ウルトラマンに何か弱点があったような・・・?
ガ・ガーン! エネルギーが3分間しか持たない!(爆)
・・・と、いうわけで、ウルトラマンは直ちに撤回します!! (おい、早すぎっ!)
超人・羽生選手。 これでオッケー!(←何が違うんだ!)
ウルトラ(超)なレベルの、普通の Man(人間)だった、ということで.
エキシビションのフィナーレで、本当はSPで前半に入れる予定だった、イーグルで前後を挟むトリプルアクセルを跳んでくれています。↓
何着ていようと、チャレンジャーな羽生選手そのまま。 さすがです。
2分40秒頃から羽生選手が画面端から登場し、2分50秒頃で、跳んでくれます。
さて、グランプリファイナル以降、羽生選手から色々な言葉がインタビューで出てきたようです。 また別にUPしますが。
中でも、私が一番安心したのは、こちらの言葉です。 ↓ → http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141217-00000018-spnannex-spo
「(全日本でも)構成を変えるつもりはない。 自分の身体を大事にしてあげたいから。 これでスケート人生が終わるわけじゃない。 来年の試合では、考えていきたい。」
「自分の身体を大事にしてあげたい」・・・ これ、これです! 私が聞きたかったのは、これだったと判明!(笑) ものすごく嬉しいです。
あ~!ありがとう羽生選手! 今日からゆっくり寝られそう!(笑)
・・・世界選手権まで、一つ一つを、階段を上るように、楽しみにしています!
さて、ここで一転して、舞台はガラリと変わります。 照明も背景も、ガラリと変更。
この大会で、もう一人、その演技で私の胸を強く打った、ものすごいウルトラマ・・・ じゃなかった、「ウルトラ悲劇の青年」と化した、とんでもない才能を見せつけた選手がいました。
町田選手です。
大会直前に、「なぜ氷に乗っているのか、再考することとなった」と語っていた町田選手・・・
「・・・な、何があったのかしら?」と思わせるこの意味深なセリフを残し、なおかつ絶不調で試合当日を迎えたらしい町田選手ですが、
ショートは、まさに冒頭から、いきなり別世界に惹きこんでくれる驚異の熱演ぶり。 → http://www.dailymotion.com/video/x2cgwo0_%E7%94%BA%E7%94%B0%E6%A8%B9-tatsuki-machida-2014-gpf-sp_sport#from=embediframe
本当に「悲恋の極北」と呼んでも恥ずかしくない・・・そんな演技で、本当に感動したし、楽しませてもらいました。
思わず、( 町田選手は、極北レベルの悲恋を体験したことがあるのだろうか… )と、そんな余計なことまで一瞬考えてしまいましたよ。
バイオリンの哀愁、美しい旋律・・・ 浅田選手の演じたイメージが強かったこの曲ですが、町田選手にかかると、それをも忘れさせて、青年の悲恋を本当に表現できてしまうのだということに、心底驚嘆。
ラストの方で、少し技に対して慎重になった様子がうかがえて、そこだけ一瞬気持ちが途切れたけど、それにしても表現力が素晴らしかったです。
出された得点以上の「観る価値」「満足感」が、 この演技にはあったと、私は個人的には思っています!
さらに、ジャンプ惨敗してしまったフリーの「第九」。 → https://www.youtube.com/watch?v=DE_dVeJMydY#t=11
なんというか、こちらは「悲”劇”の極北」になってしまった演技ではありましたが、こちらもまた、その気迫の凄さに、冒頭から目が釘付けに。
演技開始後わずか数秒で目を見張り息を呑むほどの気迫 ・・・私にこんな思いをさせてくれたのは、羽生選手の白鳥やロミオ以外に、男子選手ではほぼ記憶がない。
ジャンプの間に見せてくれた「表現」「一つ一つの動作」の「美しさ」も、高得点だったスケートアメリカの時よりも、「格段に」「段違いに」素晴らしくなっていて、その点でまず、大感動。
すごいですね! 一体全体、どれほどの努力を重ねたのでしょうか…
ジャンプの失敗が何度続いても、全く微動だにしない「美しさ」を最後の最後の瞬間まで維持しようする、その情熱!
指先から足のつま先まで神経を行き届かせながら、
執念なのか信念なのかわからないほどの勢いで最後まで演じ続けた町田選手に、未だかつて見たことのないほどの、凄まじいまでの情熱と本気度を見て、特に演技中盤のあたりから強く胸が打たれて、不覚にも、涙がボロボロこぼれて止まらない状態に陥ってしまいました。観客の拍手も暖かくて。
いったい何を見せられたのか・・・
町田選手が、何を思いながらこれを演じていたのか、その”心”をぜひとも聞いてみたいと思いました。
そこで、インタビューでの言葉をチェック! ↓
http://number.bunshun.jp/articles/-/822284?page=2
2つ、抜粋してみます。
「滑る前はリラックスして肩の力が抜けていたし、無心に近い状況でできていた。非常に良い感じでいいイメージで臨めた。でも自分で作った(『第九』の)壁は高いです」
「でも何回も失敗して何回も転んで、最後まで余計なことを考えずに純粋に第九を滑りきると突き進んだ自分がいた。挑戦するものは挑戦して、失敗したのだからしょうがない。結果を受け止めるしかない。後悔はありません」
・・・凄いですね! カッコイイ!
キーワードは「無心」「余計なことを考えずに純粋に」 というあたりでしょうか。
この町田選手の演技で、私が流したのは、悲しい涙じゃありません。 完成してはいなくても、完成過程にある芸術への、「ものすごい情熱」を垣間見せられて、衝撃を受けて圧倒されたという感じの、涙でした。
「第九」の音楽を表現するのって、とんでもなく大変だろうと思うのですが、音楽に負けないほどのものを、初めて町田選手の全身から強く感じました。
身体は絶不調で、本当は「歓喜」「喜び」とは程遠い状態だったはず。
だけど、音楽に負けない印象を持ったのは、それほどまでに町田選手の内側に、全身全霊での「何か」があった、ということなのではないかと、私は思っていました。
「無心」「純粋に」ーーーということだったようです。
本当に、表現を徹底して追求しようとする妥協なき姿・姿勢に、「ブラボー!」と私は叫びたい。
正直、羽生選手の美しさを超えられる男子選手というのは、私には今まで全然想定できなかったのですが、町田選手は今回、その部分においては完全に超えられるところまで仕上げてきていると私は感じました。
ジャンプを決められたら、羽生選手は、決してうかうかしていられませんね。
羽生選手は、スケートへの情熱が炸裂していましたけど、町田選手は、演技・表現への情熱が炸裂している印象でした。
以前、町田選手は「オクサナ・バイウル」選手のようなのを目指しているのでは?と書きましたが、いや、これはもう、「男性版オクサナ」に表現面で到達していると私は思いました。 スケート的な美しさとの調和も考えて、頑張って練習してきた跡がすごく見えました。
しかし、今回の町田選手の得点のいったいどこに、見せてくれたあのスゴイ「美」への正当な評価が反映されているのかと・・・ どう見ても、反映されているようには思えません。ミスの影響を差し引いても、全く足りないくらいです。 今の採点制度の大欠陥、それとも、今回のジャッジの感性は、私や、同じような感想を持つ方々とはあまりにも違いすぎるのか。
本当にもったいない。残念なことです。
この「第九」は、どう見ても凄まじいプログラムなだけに、疲労が半端じゃないようで、卒論も抱えているという勤勉学生・町田選手の多忙さと体調も気になるところですが・・・。(出場辞退届を出したらしいですが、怪我以外の理由だったので、却下されたのだそう!)
ミスが続いて得点が伸びず、さぞかしがっかりしたことでしょうけれども、観ている者の中には、審判とは違った視点から見て、得点がどんなであろうとも、関係なく、心から感動している人も沢山いるんだよ、ということを、町田選手はもちろん、選手の皆様には知ってもらえれば・・・!!と思います。
その意味において、「無駄な演技」などというものは、選手が本気で取り組んで下さっている限りは、絶対にないと私は思います。
何やら意味深な言葉を残したらしい町田選手が、今シーズン限りで引退したりしないでくれることを、そして、その努力が報われて、町田選手の完成した「舞台芸術作品」、その美と表現を極めた、独特な世界観を観られる日が来ることを、心より願っています!
やっぱり、飽くなき向上心の塊の羽生選手のためにも、町田選手の存在は欠かせない!!(笑)
極限の技を追求して、他を寄せ付けない勢いの羽生選手。
極限の美を追求して、他は真似できない勢いの町田選手。
・・・すごいです。 でも、お二人とも、どうかお身体をお大事に。
しかし、グランプリシリーズ中、背後にずっと流れていた奇妙な「グランプリシリーズ”狂想曲”」のおかげで、
今週の私の疲労はついに極限にまで到達。
今シーズン・グランプリシリーズの私の感想を一言で表すと、まさに ”疲労の極北”でした。 ・・・笑えない。
商業主義が凄すぎて、羽生選手が、商品化・産業化していくような、一抹の寂しさと悲しさがあります。
羽生選手のためになるなら・・・それが応援につながるなら・・・ と思って、色々ブログでも取り上げてみましたけど・・・
さて、もう一人の日本人出場者・無良選手ですが、フリーはファントムらしさが良く出ていて、得点以上の価値と魅力のある、そんな演技だったというのが、私の率直な感想です!
無良選手の今期のプログラムは、フリーもショートも、どちらも素敵なハマりプログラムだと思います!!頑張って下さい!!
ジュニアもものすごい活躍を見せている日本男子。
シニアにもまだまだいる逸材の宝庫。
日本男子には優れた人材が多すぎて・・・ 次の五輪では、日本の枠を5枠ぐらいにしてもらいたいくらいですね。
でも、かつて羽生選手の語っていた夢が今、まさに叶いつつありますね。
だからこそ、羽生選手から、一時的にでも「スケートを楽しむ」喜びを奪ったもの、その”一番の”原因は、何だったのだろう・・・
それが、気になります。
「スケートをしていて、本当に楽しかった。試合でこんなに幸せに滑れたのは、何年ぶりだろう…」と言っていましたけど、最後の記憶は、いつのどの試合だったのでしょうか・・・
どうかそこを忘れず、その喜びを失うことの決してない、これからの数年間であってほしいと願います。
年末の全日本選手権、
羽生選手も、町田選手も、他の選手の皆様も、無理をし過ぎずに、でも着々と頑張って下さい!!
羽生選手の心からの笑顔がまた見られるのを、楽しみにしています!!
全日本選手権では、さらなる喜びに溢れて、納得の演技が出来ますように・・・!!