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最高おススメ演技 その21 魂を揺さぶられる渾身のEX、「天と地のレクイエム」

2017-03-16 | プロアスリート羽生結弦・羽生結弦選手・最高おススメ演技集

 

最高おススメ演技 その21は、東日本大震災から5年が経過するシーズンに、

羽生選手が故郷の東北の被災地を強く思い、多くの魂を思い、生き残った人たちのことをも思い、それらを少しでも多くの人に伝えたいと願って選んだ エキシビション 「天と地のレクイエム」です。

このシーズン、羽生選手はEXでこの演技を続けました。

 

この演技は、東日本大震災という「現実」に起きたことがベースとなり、非常に繊細な、人の死がテーマとなっていたこと、観る側の人たちにも、それぞれが抱えてきた辛い現実を思い起こさせる側面があることを踏まえて、

だからこそ、どのような心の状態の人であっても、全ての人に問題なくお勧めできると思われる演技を中心に、ご紹介してみたいと思います。

 

 

私から見た、世界中の誰にでも勧められる「ベスト演技」は迷わず、シーズン最後の世界選手権のエキシビションとして披露された、こちらの演技です。

 

 

 

世界王者奪還のため、本気で頑張ってきた羽生選手が、SPぶっちぎりのトップから、フリーでまさかの2位に終わり、

「悲しみと喪失感」を感じたと語った後に演じてくれた、このエキシビション。

 

「レクイエム」には、本来は絶対に不可欠要素である、「極度の悲しみと喪失感」。

羽生選手に、しかも世界選手権で、これらの感情を感じてほしかったファンなんて、恐らく一人もいないでしょう。

 

でも、計らずも羽生選手の心に、それらが強く感じられた時に演技することとなったこの回は、

そのことが逆に、この時のレクイエムを「正真正銘の本物」にしたかのように、見えました。

 

本当に優しい、深い深い思いやりに溢れ、一つ一つの動作にも、洗練された美しさと丁寧さが際立ち、

観る者の胸を打ち、思わず息を呑むような、本当に素晴らしい、珠玉のレクイエムとなりました。

私はこの演技を初めてみた時、「宝物のような」演技だと感じ、涙が止まりませんでした。

このような演技をシーズン最後に観られたことは、本当に嬉しかったし、幸せに思いましたね。

 

演技の最後、羽生選手の目に、涙が光るのが、この映像からも解ります。

隅々にまでにじみ出ている優しさが、見ている側にも優しく届く、そんな温かい演技です。

 

実はこの演技、羽生選手は後に、

「エキシビションの日は、これが人生で最後のスケートになるんだというような覚悟で滑りました」と語っています。

(アイスジュエルズVol.4のインタビューより)

この後羽生選手は2か月近く、氷に乗ることさえできない、全く滑れない状態になってしまいます。

本当はかなり酷い怪我を負っていたのを隠した状態に加え、様々な心の痛みを抱えながら、羽生選手が精一杯演じて下さったこの回は、そのくらいの試練の連続の果てに、あらゆる覚悟を決めた上での、全身全霊、渾身の演技だったのですね。

 

「レクイエム」は、日本語ではアバウトに、「鎮魂歌」と訳されてしまうことが多いですが、

正確な意味での日本の「鎮魂」とは、「レクイエム」の本当の意味は、かなり異なっています。

「レクイエム」とは、『亡くなった方の魂の、天における幸せ(または死後の世界の扱い)を、天地創造主である神様に祈り願い、残された者たちの心を深く慰め癒す神様のその慈悲深さと素晴らしさを賛美すること』なので、「心さえあれば」、世界中の誰であっても、天に捧げることが可能です。

 

この世界選手権の時の羽生選手のエキシビションの演技は、世界中の方から非常に高く評価されたようで、全選手のエキシビション演技の中で、アメリカ・ボストンの現地会場での人気が、一番だったとの投票結果が出ました。

世界中の人たちにも、等しく伝わるものがあったのでしょうね…!

本当に素晴らしい演技だったと思います!!

 

個人的には、羽生選手がこのシーズンで本当に伝えたかったもの、心の奥の願いが、実は一番叶えられ、世界中に伝わった瞬間だったのではないかと…  そんな風に、私には思えました。

 

 

 

次は、羽生選手がショートとフリーの両方で、世界歴代最高得点を更新した、2015年NHK杯の時のエキシビション。

日本の長野で行われたこの時、羽生選手は、試合でも非常に優れた演技を見せましたが、試合だけでなく、エキシビションでも本当に素晴らしい演技を見せてくれました。

 

 

 

強い気持ちで臨んだことが解るような、とても優しい、本当に優しいのに、羽生選手の真剣な思いがヒシヒシと伝わってくるような、胸にグッとくる渾身の演技になっています。

日本会場ですので、その分、込められている思いも、それまでより深まっているように思え、

人々の心の琴線に触れるような、癒しと慰めにつながるような、そんな演技に見えました。

最後が、ほんのりとした希望を感じさせてくれるような終わり方で、印象に残りますね。 

 

 

こちらは、2015年全日本選手権の時の、エキシビション。 

全日本4連覇を成し遂げた羽生選手が、作曲者とは別の奏者による「生演奏」で滑ったため、曲の雰囲気が少し他の演技とは異なって見えますが、生演奏特有の臨場感と共に、これもなかなか素晴らしい演技でした。

音楽に合わせ、羽生選手はいつも本気で、ありったけの想いを込めて演じて下さっているのが解ります。

 

 

 

トリプル・アクセルが、イーグルで入り着氷後もすぐイーグルにする難易度の高い技を、試合のみならずEXでも披露して下さいました。

この動画の最後には、アンコールで演じられた、「SEIMEI」のコレオ・シークエンス部分がついていますので、その点でもおススメの動画です。

衣装がこのままなせいで、ちょっと不思議な感じもありますが、レクイエムとは逆に、羽生選手の強さや、喜びが伝わってくるような、迫力に満ちた素晴らしいアンコール演技でした。

 

 

 

こちらは、シーズン初戦で2位に終わり、悔しい思いをしたはずの、スケートカナダの時のEX.

しかしさすがは羽生選手、そういった感情をこの演技に持ち込むことなく、むしろ良い形で影響したようにさえ見えました。

この演技は、カナダで行われた会場には震災と関係のない外国人も多かったためか、辛さや悲しみを前面に押し出すような演技にはなっておらず、とても穏やかで丁寧に、優しく、羽生選手の持つ深い思いやりと、震災に対する真剣な感情が伝わってくる演技で、激情はあえて抑えて演じてあるように見えましたが、その分細部にまで神経が行き届いていて、非常に美しくもカッコイイ演技となっています。

グランプリシリーズ最初の試合でしたが、羽生選手のこのエキシビション演技にかける想いや本気度が、本当に良く分かった回でした。

 

震災とは関係のなかった方たちの心にも、あるいは、日本から遠い国々の人にも、自然にその思いが伝わり広がっていくと思われるような、多くの人に受け入れられる形の演技になっていたため、羽生選手の本来の願いが実現されるという観点から見ると、文句なしに素晴らしい出来のレクイエムになっていたと、私は個人的には思いました。

 

特にこの映像は、「本当に美しい」という言葉がピッタリで、画面に映り込んだ背後の光や、虹色の光彩までもが、心を込めて丁寧に演じる羽生選手を包み込み、その未来を、まるで神様が祝福しているかのように私には見えました。 

この後、現地会場の外では、なんと本当に、地平線から地平線までの巨大な半円の虹が見られたそうですから、

この時の試合結果は2位に終わったものの、私はこのレクイエムを見た後で、非常に強い希望を感じました。

 

そしてこの大会の後から、羽生選手は、歴代最高得点を更新する演技を連発させることになっていきました。

 

 

これらの演技が、演じて下さった、羽生選手自身の心の癒しにもつながっていたら、嬉しいですね…! 

 



「 わたしたちの本国は天にあります。」

(フィリピの信徒への手紙 3章20節  新約聖書: 新共同訳より)

 

「 We  are citizens of heaven. 」 

(Phillippians 3:20   Today's English Version)




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