2020年9月5日: 昨シーズンの4大陸選手権(韓国・ソウル)で、スーパースラム達成の回となった、羽生選手ご本人も納得のベスト演技「バラード第一番」の公式動画を、今回、さらに追加しました!
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最高おススメ演技 その20は、ショパン作曲「バラード第一番」(ジェフリー・バトルさん振り付け)です。
羽生選手がショートの歴代最高得点更新を、何度も何度も塗り替えてきた、異例中の異例の記録をもつこの演技。
2015年から2018年まで、男子シングル・ショートの歴代最高得点記録を樹立し続け、2018年以降の新ルールに変わってからも、2020年4大陸選手権で、再び新ルール下での最高得点記録を更新。
羽生選手の自身も「大好き」で「本当に大切なプログラム」と語り、羽生選手の演技の中でも、最もジャッジに高く評価され続けた、羽生選手の、まさに代表的作品ともいえるのが、この「バラード第一番」です。
羽生選手はこの演技を、2014-2015シーズンと、2015-2016シーズンの2シーズンにわたって演技して、ジャンプ構成を変えたり、振付を大幅に変えたりしながら、何度も最高得点記録を塗り替えたのですが、
平昌五輪シーズンである2017-2018シーズンにも、再びこの作品を選び、さらなる最高難易度への挑戦と芸術性の高みを目指し、さらに歴代最高得点を塗り替えました。
結果的には、この選択が何よりも、前人未到の「五輪2連覇」達成を確実なものにし、フィギュアスケート男子シングル・66年ぶりの歴史的偉業達成へとつながった重大なステップとなったと思います。
振付は、ソチ五輪の金メダルでも、平昌五輪金メダルにも、どちらにも大きく貢献した、元世界選手権王者・トリノ五輪銅メダルの、ジェフリー・バトルさん。
羽生選手は、ソチ五輪後は、自分の意見を柔軟に取り入れて共に作品を作り上げてくれるタイプの振り付け師であったこのバトルさんと二人で、何度も試行錯誤しながら、より高難易度への挑戦を繰り返しつつ、この作品を作り上げていきました。
平昌五輪後の 2019‐2020シーズンに、ショート「Otonal」が、フリーの演目と共に、衣装による執拗な妨害とプログラム破壊を執拗にやられたため、悩んだ末に、シーズン途中の年明けに、再び「バラード第一番」に変更を決意。
五輪2連覇の地となった「韓国」の首都ソウルでの4大陸選手権で、ついに「グランドスラム」の上の「スーパースラム」達成する快挙となりました!!
大変な試練を通らされた上で、強い決意と深い想いを込め、ベストを求めて演じたこのプログラムは、今までの「バラード第一番」の演技の中でも、そして羽生選手の全試合プログラムの中でも、羽生選手本人が一番納得し、理想を追い求めてきた中でも、満足できた演技内容になったため、他の演技でも「このようなものを目指したい」と、試合後のインタビューでも語っていたのは、記憶に新しいかと思います。
まさに、羽生選手のスーパースラム達成にふさわしい、「ベスト演技」、
「2020年・4大陸選手権SP『バラード第一番』」をどうぞ♪
とても動きも流れもスムーズで、羽生選手が、心から自由に嬉しそうに滑っているのが、本当に印象的でしたね…!
演技を終えた後の、羽生選手の幸せそうなインタビューが、何より良かったですね…♪(この動画には入っていませんが。)(4大陸選手権2020の独立別ページをご参照下さい。)
平昌五輪本番は、羽生選手は大変な怪我を隠したままでの演技でした。今回は、それと比べれば、足が自由に心配なく動かせているので、羽生選手本人は、圧倒的に自由を感じられる、幸せな演技となったと思います。
羽生選手が、少しでも自分の理想を目指せて、幸せに想える演技というのは、観ている側も、安心できて、幸せです。
このシーズン、この演技に変える前にいったい何があったのかは、別ページで、その「ほんの一部」を公開していますので、どうぞご参考に。
この後に予定されていた世界選手権2020は、COVID19(新型コロナウイルス)の流行により、試合の開催そのものが、直前に完全に中止に。
このシーズンはこの「バラード第一番」はこれっきりとなり、文字通りのベスト演技で終了となりました…!
それでもまだ、羽生選手にはこの先の、この上と呼べるほどの演技が待っているだろうと、私には思えます。それが、試合の場だろうと、試合とは全く関係ない別の場になろうとも、何の演技だろうと、きっと観ることが出来るでしょう…♪
こちらは、現地韓国公式動画
こちらも、会場現地韓国のスポーツコリア公式動画
さて、平昌五輪までの、3シーズン分を全て終えた時点で、この作品のベスト演技と私が思っているのは、やはり、「平昌五輪の本番」で見せ、五輪2連覇を確実なものにした、この演技です。
「平昌五輪」オリンピックチャンネル公式動画
なんといっても、五輪ですし、しかも2連覇のかかった特別な舞台で、大怪我で3か月試合に出られなかった後の最初の復帰戦となった演技で、これが出来たのだから、素晴らしいです。
本当はこの時も、痛み止めを使っていて足の状態は全然良くなかったのですが、それでも、五輪本番の舞台で、この演技。
他の時のどの演技よりも良かった点は、やはり演技を終えた後の羽生選手の、ホッとしたような、本当に心から嬉しそうな、今までになかったほどに素晴らしかった、輝いた笑顔で終えられたことですね!!
観ている側も、感無量でした…!!
上の動画は、会場となった韓国の現地解説を英訳して下さってあり、どんな風に現地で伝えられたのか、なかなか興味深かったので、こちらに、この動画の英訳から、私が日本語に変えたものを載せておきますので、ご参考までに。
次におススメできるのは、この平昌五輪シーズンが始まる直前に、アイスショー「ファンタジー・オン・アイス幕張2017」の3日目に見せた、4回転ループを入れて成功させ、ジャンプ難易度では文句なしに最高の演技となり、なおかつ情感のこもった、文句のつけようのない完璧な演技。
アイスショーですから得点はつかないですが、暗い照明の中でも余裕さえ感じられるすごい演技で、羽生選手ご本人も、終えた後にご自分でガッツポーズ!(笑)
これがもし試合だったら、一体何点出たのか… というほど、凄い演技でした。
本当は羽生選手は、このジャンプ構成で五輪シーズンをやり抜こうとしていましたが、シーズンに入る初めの怪我や、シーズン途中での致命的なほどの大怪我(11月)により、断念しましたので、羽生選手の本来の理想形のジャンプ構成がこれだった、という演技です。
それでも、表現面では、大変な試練を乗り越えた後の、平昌五輪での演技のほうが、これよりさらに良くなったと感じられましたので、良かったですね!
そして次が、男子シングルのショートの、歴代最高得点記録となっている演技、2017年9月のオータムクラシック・インターナショナルの時のものです。
この時も、直前に実は大変な怪我をして練習できなかったため、試合の棄権まで真剣に考えていた状態でした。当初は予定していた冒頭の4回転ループを、急きょ、羽生選手には余裕だった4回転サルコウに戻して、なんとか無事に乗り切ろうとした結果、逆に余裕も出来て 歴代最高点が出ちゃった!(笑)という演技でした。
演技後の羽生選手の表情(うん、まあまあ)や、スコアが出た時の羽生選手の表情(驚き!)が、それらを物語って面白いですね。(笑)
しかし、このことが、平昌五輪でのショートで、ループを入れずにサルコウにしても大丈夫だという羽生選手自身の自信に確実につながっただろうと思うので、今となっては、この試練があり、この決断があってこそ つながっていった「五輪2連覇」だった、ともいえるかもしれません。
さて、ここから先は、2014~2016年までの2シーズンの間に羽生選手が見せてくれた「バラード第一番」演技で、特に良かったものをご紹介していきます。
この時期に羽生選手は、ショートプログラムにおける、史上初の「2種類の4回転」を組み込み、そのうちの一つはコンビネーション・ジャンプにし、(1シーズン目では、トリプルアクセルの前後をスプレッド・イーグルで挟むという) かつて誰もやったことのない、史上最高難度へと挑み、ノーミスで成功させ、
それまでに自身が「パリの散歩道」で記録保持していた、「世界歴代最高得点」の大幅な記録更新を、複数回繰り返す偉業を成し遂げました。
試行錯誤の結果、同じ曲でも、演技が大きく変わっていくのがわかると思います。
グランプリ・ファイナル2015 (バルセロナ)でのもの「110.95」(2016年時点での世界歴代最高記録)と、ボストン世界選手権2016でのもの「110.56」が、得点の上ではほぼ同じで、どちらも甲乙つけがたいのですが、まずは、2016年のボストン世界選手権での演技をご覧下さい。
この演技の凄いところは、世界選手権という大舞台で、かなり緊張していたにもかかわらず、そして、本当は大変な怪我を抱えていたにもかかわらず、そんなことを微塵も感じさせないほどの気迫と情熱に満ちていて、振付も、細かいところまでピタッと音楽に合っていて、技術的にも、羽生選手にしかできないことが沢山入っていて素晴らしい点です。
羽生選手本人も、演技が終わった後のインタビューで、「とにかく、滑っていて幸せだった」「気持ちよく滑ることが出来た」とコメントしたほどだったのですが、それがきちんと伝わっていて、観ているほうも幸せな気持ちになれます。
特に、ロシアの名コーチで金メダル・メーカーとも呼ばれ、50年以上コーチをしてきた、タチアナ・タワソワさん(元・浅田真央選手のコーチでもあり、長野五輪金・クーリック、ソルトレイク五輪金・ヤグディンの当時のコーチ)が、
この羽生選手の演技を観て、「50年コーチとして働いてきた私が、この演技を観て、こんなにも幸せを感じられることに対して、感謝!」とまで語り、絶賛して下さったのは凄いです。(ロシアン・フィギュアスケート・フォレヴァさんの翻訳より →http://moscowm.blog61.fc2.com/blog-entry-945.html )
私が、この「バラード第一番」を見るときに特に気がつくのは、演技冒頭での「目を閉じている」状態のときに、羽生選手の周囲の空気が、とても澄んでいくように見え、羽生選手のアップの表情がハッとするほど、あるいは、息を呑むほどとても美しく見える時に、必ず素晴らしい演技をしている、ということです。
この世界選手権の時もそうでした。 だから、(これは良い演技になるだろう)、との予感が強くありました。
羽生選手は、この演技では「エネルギーを使いすぎてしまった」と後から振り返っています。
実際、この直後から足が酷く腫れ上がってしまっていたにも関わらず、インタビュー対応で長時間拘束され、すぐに冷やせなかったせいもあり、腫れが酷くなって、夜通し苦しんで眠れないほどの痛みに襲われてしまい、結果的にはフリーにまで影響してしまいます。
それでも、それだけの犠牲を払ってまでやっただけのことはある、それだけの特別な演技になっているように、私には思えます。
この世界選手権の演技は、直前に公式練習で他選手によるトラブルもあり、試練に次ぐ試練に襲われ続け、高い緊張状態と激しい精神的葛藤を乗り越えようとしているからこそのすごい気迫もあり、
繊細さ、柔らかさ、静けさの表現に加え、情熱、内に秘めた激しさ等までも、すべて音に合わせて表現出来ているような、そんな凄さがありました。
特にステップは、それまででは一番、曲のイメージと表現が合っていたように思います。(ほんのちょっと遅れ気味になる瞬間もあるのですが…)
それをまた世界選手権という大舞台で、史上最高難易度のものを、ノーミスで完璧に滑るという偉業を成し遂げ、(羽生選手に言わせるとそれでもパーフェクトではないそうですが)、羽生選手らしさも発揮された、かつて誰もやったことがないような、そんな特別な演技。
観ている側をすごい力で惹き込んでくれるような演技になっていると思います。
演技終了直後に、達成感で興奮しすぎたせいか、羽生選手が珍しく叫んでいますけど、それだけすさまじい緊張の中、大変なのものを乗り越えたのがわかりますね…(涙)
その直後、深々と観客に頭を下げて、いつも以上に本当に丁寧に挨拶する姿を見たとき、ハッとさせられ、どれほどの深い思いをもってそこに来ていたのか、ということを改めて思って、私は強く胸が打たれました。
羽生選手は、決して俳優さんでもなければ、誰かの理想像を演じることで、お金を稼いでいる芸能人やアイドルでもない。
フィギュアスケーターは、ややもするとそのように見られやすい側面がありますが、大変な危険と隣り合わせの競技でもあり、こちらの想像を超えるような、様々な困難を乗り越えながら、
ベスト演技を求めて、本気で真剣に努力しているアスリートであることが、より多くの人に伝わり、理解されていくといいですね。
さて、それと並んで、本当に素晴らしい演技だったのが、
こちら、2015年12月のグランプリ・ファイナル(会場:スペイン・バルセロナ)での演技です。
まずは、会場音のみの、解説ナシ動画をどうぞ。
絶賛されているイタリア解説日本語つき動画で、どうぞ。
この時の演技は、とにかく冷静さと落ち着きが素晴らしく、その中でも音の繊細さを巧みに表現してあり、
ジャンプやスピン等の技術にも全くすきがなくて見事で、全てにおいてセルフコントロールの効いた、まさに完璧という印象の演技です。
あえて何かを言うなら、4回転トウループ+3回転トウループに向かう時の、手の表現が、上の世界選手権の時の、情熱的な要素の多い演技と比べると、ちょっと寂しく感じられてしまうかも、というところぐらいです。
最初から最後の瞬間の表情に至るまで、見たところ冷静で集中力も凄く、何も言うことがない素晴らしい出来で、羽生選手自身が自分で演技に満足した証拠に、演技終了後に自分で自分に拍手しています。
私はこういう、羽生選手が自分で拍手できる形で終わった演技が、見ていて一番気持ちが良いし、嬉しいですね。
この演技を最初に観た時の私の感想は、もう、ただただ嬉しかった、という言葉に尽きます。
羽生選手の個性、良さ、才能の凄さが、全て最大限に発揮されたなと、初めて感じられたショートの演技でしたし、技術的難易度に置いても、芸術性においても、ソチ五輪金メダルの時の史上最高得点演技「パリの散歩道」を完全に超えたな、と感じられました。
次のものは、2015年の11月に行われた、NHK杯の時の演技です。
羽生選手は「パリの散歩道」で、自分が持っていた「歴代最高得点記録」を、「バラード第一番」で初めて更新する快挙を成し遂げたのが、この時です。
全体に、柔らかく優しい演技となっていて、特に演技後半に見せる、上半身による表現が素晴らしく秀逸です。
後半のトリプル・アクセルの着氷後、手を大きくつけてあるのはこの演技の時だけです。
また、その後のシットスピンでも、今までになかったような腕と手の表現をつけてあり、その見事な音楽との合致具合・印象的な表現の仕方の素晴らしさというのは、この時の演技だけのものでもあります。
その柔らかく繊細な表現の妙は、思わずため息が出そうになります。
しかし、ジャーン!という、最後の瞬間の羽生選手の表情だけが、まるでどこかの指揮者が激しい曲を指揮しおえた時のような眼光の鋭さになっていて、すごい気迫で臨んでいたことがわかります。
(私はそこだけがどうしても、何度見てもちょっと笑ってしまいます。(笑) カメラがアップじゃなきゃ、わからないのですけどね…!)
このNHK杯から、羽生選手は、「自分なりの色を見つけた」と語ってくれましたが、その通りに、それまでと比べて明らかに、「羽生選手らしく」なったと、私も強く感じました。
このプログラムの振付師は、「パリの散歩道」と同じ、ジェフリー・バトルさん。
どちらのプログラムも最初の頃は特にそうだったのですが、羽生選手のプログラムというよりもは、バトルさんの色が非常に強くなってしまっていて、どうしても、見ていてバトルさんの姿がチラついてしまう印象がありました。
(時々、かつてのバトルさん現役時代と全く同じ振付が入っていたりするからでしょう…)
彼の現役時を知らない人たちは全く気にならないでしょうけれども、「これ、羽生選手っていうより、どう見てもバトルさんの演技だよね?」というイメージがついてまわるところが、私には少し残念に思えていました。
やはり、「バトル・カラー」の演技なら、バトルさん本人がやるのが、一番最高になると思えるからです。
しかし、パリの散歩道、も2年目にはかなり「羽生選手らしく」なったように、今回のバラード第一番も、このNHK杯の演技から、とても「羽生選手らしく」なりました。
「演技が羽生選手のものになった」感じがしましたし、音楽を感じながら、無理なく、心から楽に表現出来ているように見えるし、全身全霊で楽しそうに滑っているように見えるのです。
技術的に、自分の目標内容をしっかりと盛り込めた充実感もあるのでしょう。
当初感じられた、「硬さ」を克服しただけでなく、さらに羽生選手が本来の自分らしさを活かし、プログラムに練り込みつつ、羽生カラーの「オリジナルな演技」に仕上げられた点は、演技構成点にも、確実に反映されていっただろうと思います。
そういったところも、世界歴代最高得点を最初に更新した理由に繋がったはずです。
この2015年のNHK杯以降の演技では、音楽的感性もそうですが、ジャンプとスピンの天才としての羽生選手の凄さが遺憾なく発揮されています。
さて次は、シーズン1年目(2014-2015)の時の、「バラード第一番」を見てみます。
上に紹介した2年目の演技と違って、ジャンプの構成も大きく異なっていますし、演技全体の中で配置されている位置が大きく異なっています。
こちらは、「バラード第一番」の1年目、2014年—2015年シーズンの中の演技で、羽生選手本人が「1シーズン目の完成形だと思う」と「蒼い炎Ⅱ」の中で語っていた、2014年12月のグランプリ・ファイナルの時の演技です。
この大会の直前、中国杯での衝突事故により、NHK杯では全く思うような演技が出来ず、悔し涙を流した羽生選手が、
やっと身体が動くようになってきて、滑る喜びに溢れていて、本当に嬉しそうに滑っています。
最後のコンビネーション(トリプル・ルッツ+トリプル・トウループ)ジャンプで、ちょっと転倒してしまいますが、それでもとても嬉しそうにニコニコとしたまま立ち上がり、演技を終えています。
その喜びのままに、演技終了後も、自分でやっと納得できたような、こぼれるような笑みがずっと見られます。
最後にご紹介するのが、同じく1シーズン目の時のラスト演技となった、国別対抗戦の時の演技です。
スピード感の凄さと、特に演技前半の、動きのキレ味が素晴らしいので、ご注目下さい。
これは羽生選手のせいではないのですが、最初のジャンプ・「イーグルで挟んだトリプル・アクセル」の、着氷後のインサイド・イーグル(内側のエッジを使って内向きに円を描きながら滑るイーグル)で滑っている時に、
本来なら気持ちよく滑らかにいくはずのところ、氷の溝か穴かにエッジがはまったようで、羽生選手の身体が途中でガクッと揺れてしまいます。
そこだけは残念でしたが、後はとにかく、動きが機敏で鋭くて、見ていてカッコイイ演技になっています。
世界選手権で満足して終えられなかった分、羽生選手がこの演技にかける思いが伝わってきます。気迫が凄いですね。
最後のジャンプは見るからに痛そうな巻き込み方で、残念でしたし、ご本人も終わった後に残念そうに天を仰いでいますが、その後の、日本チーム仲間への「ゴメン」ポーズが、なんとも言えず、いいですね。(笑)
個人的に思ったのは、手術・入院明けとなった2015年に入ってから以降は、演技における羽生選手のスピンとその表現の仕方が、以前にも増して非常に素晴らしくなったと感じました。
また、ジャンプの回転軸が非常に洗練されて全く隙がなく、正確で素早い、もはや職人技と呼べるような領域になってきたのが、2015-2016シーズンでした。
バラード第一番で使用された衣装は、3シーズンの間に色々と変化がありましたが、フィギュアスケート男子としては、極めて王道路線なもので、曲のイメージにも合っていたし、デザインも色合いもシンプルだけど上品で、安心してみていられますし、羽生選手に、とても良く似合っていた素敵な衣装だったと思います!
ご注意: バラード第一番の衣装は、もともと伊藤聡美のデザインでも衣装でもありません。別のベテランの男性デザイナーによるものです。誤解なきよう。
脅迫と強要下で、嫌がらせと名誉毀損、信用毀損を仕掛けられ続けた伊藤聡美を強要されてきた羽生選手の心を、本当の羽生ファンの皆様はよくお考え下さい。