子どもはあなたに大切なことを伝えるために生まれてきた。 | |
池川 明 | |
青春出版社 |
この本を読んでいて、気がついたことがあります。
私はなぜ本を読んでいるのかです。本を読むということだけでなく、何をしていてもなのですが、それは、生まれてきた自分自身を肯定したいのだと、この本を読んで気がつきました。
ずっと前に、友人が何気なく、「帝王切開で生まれた子どもはよくないらしい」と言ったことがあります。親しい友人でしたが、彼女に私が帝王切開で生まれたことを話したないはずなのに、なんで知っているのだろうと驚くと同時に、自分を非難されたようで、傷つき悲しみました。
なんてことはない。友人は、当時のマスコミかなんかから聞いた、はっきりしない情報を、無責任に伝えてくれただけだったのです。まさか該当者が目の前にいると知らずに。友人にとって帝王切開は、そうして生まれた人が私しかいないほど、珍しいことのようでした。
悪気のない無邪気さゆえに、むしろ残酷さは増したように思います。
友人はすぐに謝ってくれましたが、そのとき深く傷ついた私の心は、時間がだいぶたっても消えてはいなかったのです。もちろん、いつも思い出しているわけではないけれども。
「帝王切開を選んで生まれてくる子もいる」
この本のこの文章に出会って、救われたと思いました。前世の記憶や胎内記憶はおろか、幼児の頃のこともあまり覚えていませんが、この文章で、私は、私自身が肯定されました。
でも、今までがそうだったように、ふと思い出して悲しくなることがあると思います。そうしたら、また、自分を肯定する。
その繰り返しが人生かもしれません。まだ達観はできません。