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老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

紫陽花

2021-05-17 16:11:46 | シニア
     

我が家の紫陽花が開きかけた。

二~三日前から楽しみに毎日観察をしていた。
もっと濃い緑色から今日の微妙に違う薄緑。
ふとこんな句が

    ☆    あぢさゐやきのふの手紙はや古ぶ    橋本多佳子

変化と色を変えてゆく紫陽花。
心の内だって昨日と今日は同じとは言えぬ。

     

ベランダで咲かせる紫陽花。
小ぶりだが充分に私は楽しい。

     ☆    紫陽花や水のごとくに咲きそろふ    櫂

     ☆     紫陽花に秋冷いたる信濃かな   久女

          ☆     あぢさゐや姉妹のだれが雨女    赤松 湘子


久女、多佳子の句が身にしみる。



     📯    山あぢさい伏流水のにぢむ崖

     📯    水琴窟鳴りぬ紫陽花濡らす雨



ベンチに忘れた

2021-05-15 21:12:47 | シニア
     

人と待ち合わす。
ベンチに座って、たまたまリュックに入っていた句集を開いていた。

30分も待ったかしら。
待っていた相手が、車から私を呼んでいる。
急いで立って書類を渡しに行った。

別れて家の傍まで帰って、句集をベンチに置き忘れたことに気づいた。
杖をついて足の痛い時にこの様は、、、

嘆きながら川を覗くと、亀が川の中に岩に登って甲羅を干しているのに気が付く。

ベンチに忘れた句集はそのままに、、、あった。
春落葉が本にベンチに降りそそいでいた。
平凡な日常にも、色々な事が、、、
それはそれでよし。。。。などと振り返る今日の昼だった。


        🐢     亀鳴くや駒立岩に潮満ちく

    🐢     もしもし亀と欄干で振る日傘

    🐢     取るに足らぬ推敲亀の鳴きにけり


あおりで閉館中の、、、

2021-05-13 11:11:52 | シニア
    

何が悲しい?困った?
コロナの蔓延で我が町も蔓延防止政策の要請を政府に要求した。

その前に、市の関係機関の図書館、公園、美術館などなど全てが閉館されていることだ。
私がよく利用をしている図書館も五月中は閉館になった。

コロナ禍でこんな寂しい思いになるとは?
贅沢な悩みだろうが、、、

読んだ本も払えない。それよりか読みたい本も借れない。

受付のお嬢さんと挨拶を交わしてからエレベーターに。


    

エントランスホールの床にはイラストが。
楽しい図書館だ。
早く行きたい。コロナに負けないように日々の生活も大切に、、、。

     ☆    水買って図書館に入る夏休   宮下登

     ☆    図書館に知恵の静けさ冬灯    秋尾 敏

     ☆    新涼や図書館の灯は影生まず    片山由美子

    
        

この猫ちゃんは世界猫歩き出ていた マリブ ちゃん。
ハナちゃんが生きていたらこんな格好で塀の上から図書館から帰る私を待っていてくれた。
手をだらんとして、近づく私を見ていた(見えるのかな?猫の視力)

       🐢    鈴懸の花図書館をはしごして   葉

体力も気力も元気だった時に詠んだ句。
無い物ねだりの現在。

       🐢    籐椅子のかたはら文庫本三冊

       🐢    図書館はコロナ休館春愁

       🐢    本選ぶ眼生き生きマスクの子

       




卯の花

2021-05-11 20:11:21 | シニア

向こうの家の庭に咲いていたと、連れ合いが手折ってきた。

卯木の花だ。
園芸用の花だから、
「卯の花ににおう垣根に、、、」
の唱歌の卯の花と少し感覚的に違う、、があの卯の花なのだ。
少し花びらが派手でピンク色がまぢっている。

    ☆    卯の花のなだるる崖を切り通し   櫂 

          

木に咲かせた蘭の花。
宿り木のまね事をして、私が木の幹に添わせたのが毎年大きな毬となって咲く。
それを、連れ合いが折ってきた。
私にせっかく咲いている庭の花を見せたかったからと言う。

最近は私の身体の調子は毎日毎日、悪くなってゆく。何もやる気がおこらず、
そう、鬱、鬱、鬱と悩むことは少ないはずだのにと思うと、それが又悪循環となり自分を責める。

    

明日は「雨」と天気予報。
こんな日は、花々は良く香を放つ。
   
    🐢    卯の花のにおふ庭ぬち猫の墓


ばら

2021-05-09 22:13:08 | シニア
    

港の薔薇を観に行く。
真っ白い薔薇の清らでなんという美しさに魅了をされた。

今、西行花伝 を読んでいる。
西行さんと言えば桜の花。
薔薇は西洋では、古代の四大文明の時代までさかのぼるそうである。
イギリス王室の紋章であるし、聖母を「純潔のバラ」などと呼んでいる。

その薔薇の花を、さてさて西行さんは観たことあるや無しや、、、

      

そんな事を思いながら、薔薇の花を満喫した。

     ☆     薔薇園一夫多妻の場をおもふ   蛇笏

     

小豆島からの船が着いた。
コロナ禍で乗船者ま勿論のこと、薔薇園に来ている人もまばらである。

    ☆    薔薇に付け還暦の鼻うごめかす    三鬼

全くもって、この景に行き合わせた。
最初は何をしているのかと思った。鼻がピクピクと動いている。
コロナで匂いが云々、、、きっと鼻の試験か?私くらいの老体の男性。

   

白い部分は光の加減ではない。
中心の方が白のまだらになっている。こんな薔薇は観たのは初めてだ。

     ☆    太陽のもとに生まれて薔薇作る    櫂



アーチを潜るときは薔薇の香に抱かれたような気がする。贅沢な一瞬だ。

     ☆    薔薇の門くぐりて海へ近づきぬ    中嶋秀子

海風に押されるように招かれるようにアーチを潜ると瀬戸の海が光っていた。
今日はヨットもたくさん出ていた。


          


    ☆     しんと立つ薔薇の莟や薔薇の中    櫂

< 「古今集」「源氏物語」に(さうび)「明月記」に(長春花)とあるのは中国伝来の庚申薔薇である。先生の歳時記より。


薔薇は最も好きな花であるが一句も詠めない。
一句、ものにしたいとおもいつつ何十年もたった。
難しい花なのである。難しく考えすぎているのかな。