今、我が家の南向きのベランダに立って、野鳥観察の人がする様に、双眼鏡を片手にポルトガルの国旗を数えてみると、その数は50を下らない。
ポルトガルのサッカー熱はもともとそうとうなものがあったが、今年のワールドカップの盛り上がりにはいっそう熱がこもっている様に思う。
そして、今のところ順調に勝ち進んでいる。
1次リーグでは苦戦つづきとは言え、負けなしの勝ち点<9>で決勝リーグに進出。
6月25日のオランダ戦でも<1対0>の勝利でベスト8に。
ワールドカップが始まる少し前から、大型スーパーのチラシには、その1次リーグの全試合スケジュールが表示されていたし、何かを買うと、国旗だの、応援マフラーだの、山高帽だの、キャップだの、キーフォルダーストラップだの、国旗カラーの顔に塗る絵具だの、クラクションだのがおまけに付いていた商品がずらりと並んでいた。
それとは別にそんな応援グッズばかりを集めたコーナーが中央付近に特設されていて子どもから女性、老人までで大いに賑っていた。
特筆すべきは、ポルトガルに混ざってブラジルとアンゴラの国旗やマフラーも売られていることだ。
我が家でもポルトガルの国旗を一つ買い求めて、東側の風呂の窓に取り付けた。
ここならセトゥーバルの街のどこからでも見ることができるのだ。
それと、初夏の暑い朝日を遮るカーテン代わりとしても、重宝している。
鏡に映る顔が少々緑っぽかったり、赤っぽかったりはするのが難点だが…。
大型スーパーばかりではない。
国道沿いにはまるでスイカ売りが商売替えでもした様に応援グッズ店が店を出しているし、もちろん露天市でも大々的に店は広げられている。
ポルトガルの国旗は赤、緑、黄色でひときわ派手だから、やたら街中がハデハデになっている。
まあ、渋い地味な国旗というものはあまり聞かないが…
国旗の他には国旗柄のTシャツ、バンダナ、キャップなども売られていて、街行く人たちもよく着ている。
もちろん、ポルトガル選抜チームと同じトレーナーシャツを着ている人も多い。
露天市では、ポルトガルの試合がある日は売り手も早くからそわそわし、試合の始まる何時間も前から、片付けはじめる。
売り手のジプシーの子供たちは、買物客にはお構いなしで、サッカーに興じている。
サッカーといっても、サッカーボールを使うのではなく、商品に使う、ビニール袋とガムテープを実に巧く使ってボールを作る。
それは決してサッカーボールを買うお金がない、と言う訳ではなく、サッカーボールでは転がりすぎで、この作ったボールなら転がり具合が露天市の人ごみに丁度良いのだ。
ポルトガル人が試合の動向に一喜一憂するのは当然で、オランダ戦で他の選手の靴のスパイクがクリスチャン・ロナウドの太腿を直撃、怪我をして途中退場したことに対して、「かわいそう」と泣きだす女性ファンが続出したとか…。
勝利を祝ってリスボンの中心地、ポンバル広場に大勢の人が集まり、そのモニュメントの銅像に若者たちがよじ登り、そこからまっ逆さまに転落という事故まで起こる始末。
転落した本人よりも下に居た人たちが巻き添え、骨折、重傷という話だ。
さて僕も人並みにワールドカップサッカーをテレビ観戦している一人だが、ゲームについての下手なコメントをしても仕方がないので、今回はセトゥーバル周辺の「国旗のある風景」の写真でも見ていただけたらと思いデジカメ散歩をしました。
01.サッカー関連応援グッズを売る露店。
02.メルカドの魚売場でも国旗がいっぱい。
03.ブラジル国旗のTシャツ女性がポルトガル国旗の下を。
04.丸煙突と国旗のシルエット。
05.国旗とオレンジ並木、赤い軽トラックがコーディネイト?
06.国旗の張られたセトゥーバルの家。
07.アヌンシアーダ教会。
08.ポルトガル国旗バンダナが似合う犬。
09.天井からはポルトガルやブラジルのランニングシャツが。
10.応援グッズを売る露店。
11.太陽の門への道
12.炭火焼の煙ただようレストラン通り。
13.国旗のはためく通り。クルマにも国旗が。
14.トレーナーを着た男たちが通りで試合の話に夢中。
さて、7月1日のベスト4を賭けてのポルトガル対イングランド戦は如何に?
VIT
(この文は2006年7月号『ポルトガルの画帖』の中の『端布れキャンバスVITの独り言』に載せた文ですが2019年3月末日で、ジオシティーズが閉鎖になり、サイト『ポルトガルの画帖』も見られなくなるとの事ですので、このブログに少しずつ移して行こうと思っています。)