マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

よくある質問から

2009年12月08日 | インフルエンザ/ワクチン
━━「卵アレルギー」がある(あった)のですが━━

ワクチンの製造に鶏卵を使うことから、卵成分の混入をゼロにすることはなかなか難しいようです。
しかし、現行のワクチンは高度に精製されており、
卵成分は最大でも10のマイナス12乗グラム(ピコグラム)単位と聞いています。
最近はやりの「ナノ」は10のマイナス9乗です。
卵の混入を悩む必要のある量ではないのは明らかではないでしょうか。

卵を極少量摂取するだけでアナフィラキシーを起こしてしまうような激しいアレルギーでない限りは
接種自体に問題はないと考えています。
接種後に注意して観察するのはどのワクチンでもいつでも同じです。
卵アレルギーのある場合とない場合で、ワクチン接種後のアナフィラキシーの頻度に差はないとの報告もあります。

またうちのチビを登場させましょうか。
いまだに卵の除去を続けている2歳ですが、昨年も今年もインフルエンザワクチンを接種してます。
何もためらいもなく泣いてもらってますよ。



━━ワクチンは国産ですか?━━

こちらとしては意外でしたが、結構質問されます。
今現在接種できるワクチンはすべて国産メーカーのワクチンです。
どのワクチンにも言えることですが、食べ物と違って、
国産だから安心とか、輸入だから危険ということはありません。
確かに国内の審査基準は世界的にみると意味もなく厳しすぎるとの声もあるくらいなのですが。

新型ワクチンに関しては輸入ワクチンは免疫を高める「アジュバント」が追加されており、
発熱や発赤などはより頻度が高いとは思います。
これが輸入ワクチンの欠点とは言えないと個人的に考えています。
海外ではワクチン後に熱を出すのは当然という認識だそうですよ。。。

ただ、ひとつ輸入ワクチンで問題?なのは、国産と異なり、筋肉注射であることです。
皮下に注射する国産と比較して当然かなり痛いです。
小さい子どもにするのはちょっとかわいそう。。。とは思いますね。
その代わりとして免疫がつきやすいのです。
海外はほとんどの予防接種が筋肉注射ですし、
「痛い」以外で輸入ワクチンを否定する材料は今のところもっておりません。

何はともあれ、当面は国産での接種だけです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする