五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2014・7・20

2014-07-21 16:55:19 | 日記
もう初めて会ってから35年のつきあいになる女性編集者のYさんは、50歳になったのをきっかけに女優修行も始めて、芝居に詳しいし、以前のスペースで上演した私の芝居も全部見てくれていて、おまけにこの日記も読んでくれているので、私が今台本で何をどんな風に悩んでいるか行き詰まっているか分かる、唯一の人かも知れない。だから彼女が早い時間に店は開いてるのかと電話して来た時はまさに地獄でホトケで、勿論やってるよ、よかったらおいでよとさり気なさを装って答えたものの、内心では待ってたよ、Yさんと抱きつかんがばかりの気持ちだった。だからと言って会ってすぐ台本の相談をしたら営業じゃなくなって料金がとれなく(とらなく)なってしまうので、最初は老老ディナーにきた母も交えて職場のごみ捨て問題(こコンビニ弁当のケースは持ち帰るべきか否か)を、しばらくして日本の元プロ野球選手を経て米国マイナーリーグでプレーして、今は西麻布でストレッチジムを経営するTさんが来店してからは、マイナーリーグの苦労話を一緒に聞いたりもした後、彼も帰って終電車の時間が近づく頃になって漸く始めた台本の話。時間もなかったので30分もしなかった気もする。でも、それは価値ある30分で、彼女が「鉛筆」でサッーと引いた補助線は、私が直前まで悩んできた幾何の問題をあっけなく解決へと導いた。さすが有名国立大の理数系を卒業しただけのことはある。そう、補助線を求めていたのだ。何かが余分なのか足りないのか、迷路に入った問題は一本の補助線で解決するものなのだ。その意味で台本を書いている時は私には補助線をひいてくれる「女」が必要だ。台本の内容を細かい処まで分かった上で指示を与えてくれる「女性」が欲しい。最近親しい女友達は店に寄りつかないし、「女ッ気」が不足していたのだ。後片付けをしてから今日は一食してないのに気づいて近所でラーメンを食べてから40分歩いて帰宅。アルコールも飲んでないし、頭も冴えていたので、朝までにハコを作り直す。終わりが見えた。ラストシーンが浮かんできた。もう大丈夫、もうすぐゴールだとベッドで自分を励ましている内に眠っていた。

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