goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

早めの別嬪さん

2008年08月09日 | 08 花たち


先の日曜日、涼を求めて善福寺川緑地まで足を伸ばしてみました。
読みたい本があったのでね。

手軽さを考えればマイリビングで充分なんですけどね、休日の喧騒は暑さを倍増させてしまいます。
夏休み中の子供たちがあげる歓声の数々は、負けじと鳴き交わす蝉たちのラブソング同様、一向に気にならないんだけど、楽器の音ともなれば、これまた別の話です。

基本的には、代々木公園内で電子音は禁止されています。
これには抜け道がありまして、スピーカーを通した若者たちのロックの演奏は、ひっきりなしに聞こえてきます。
抜け道も抜け道、公園の周りの道路での演奏は、お目こぼしになっているんです。
ただこちらの騒音から逃げる術はいくらでもあります。
懐深い公園内には、不快な音が届かない場所がたくさんありますのでね。

問題は電子を通さない楽器です。
太鼓ですよ、パーカッションですよ。
もともと休日の名物といってもいいくらい、パーカッションの音が響き渡っているんす、代々木公園は。
噴水へと続く直線のベンチがその定位置で、三々五々集まったとしか思えない連中(人種構成は黄色系とアフリカ系が半々でしょうか)が、日がな一日パーカッションのコラボをやっております。
数人、ときに10名を越えるメンバーがパンパカ叩いておりますのでね、側を通るともの凄い音量です。
踊りだす観客もいたりしますのでね、休日のパフォーマンスとして成立しております。

そのことに文句を付ける気はさらさらありません。

これまであまりいなかったんだけど、定位置から外れた場所でパーカッションを叩く輩が現れたんですよ。毎週ではないんだけどね。
全て日本人ですが、初心者マークを提げてます。
その連中がパンパカ、ドンドコやるもんだから、うるさくてかないません。

遠くから聞こえる激しいリズムの重奏には我慢できても、近くで発する初心者マークの生(なま)の太鼓の音は、暑苦しことこの上なしです。
こちらは観客じゃないからね。

ということで、日曜日には代々木公園には近寄らないようにしています。
夕刻間近の時間帯は、別ですけどね。


久々の善福寺川行です。大方1ヵ月振りになります。
水道道路を環七まで出て、そこから神田川を遡上し、浜田山の町を横切って善福寺川に向かう、いつものコースです。
出来うる限り日陰を探して、かといってのんびりでもなくマイカーを走らせました。
この暑さですのでね、最初から花関係はあまり期待しておりません。
目に付いたものをいくつかカメラに収めはしましたが、格別どうということもない花たちです。
案の定というか、少しの例外を除いて想定内の結果でした。


「少しの例外」を、ここで紹介いたします。


【シロバナサクラタデ・白花桜蓼】タデ科タデ属(イヌタデ属)

どこに出かけてもイヌタデの花を見かけるようになってきたので、今年もタデ科の花たちの季節がやってきたことを実感しておりました。

まさかね、まさかサクラタデが咲いていることなんか有り得ないだろうけど、現状はどんな様子になっているのか確かめてみようと思って、昨年初めて見た場所に顔を出してみたんですよ。
そうしたら、なんとなんと、シロバナサクラタデが咲いておりました。
人工池を挟んだ向こう側には、シロバナサクラタデの群生場所があるんだけど、そちらのものはまだ背丈も30cmほどと短くて、花が咲くにはもう少し時間が必要な状態でしたが、手前の一角に、数株ですが花を咲かせておりました。

シロバナサクラタデは、日本各地の湿地に生育する雌雄異株の多年草です。
在来種のタデ科としては大きいほうで、1mほどの草丈になります。
今回のは5~60cmってところかな。

直立した茎の先に、枝分かれした穂状の総状花序を1~5本ほど付けるのが、シロバナサクラタデの特徴です。
写真のものだと、3本の花序が付いていますよね。
サクラタデの花序は、ほとんどが1本だそうです。
花序の先端が垂れ下がるのも、サクラタデとは違うところです。

「シロバナサクラタデ・白花桜蓼」の名前は、「花色の白いサクラタデ」ということから名付けられました。
じゃあ、「白花のサクラタデ」と理解していいのかといいますと、そういうことではなくて、両者は別の品種です。
サクラタデには白花のものもありますが、そちらは「シロバナハナサクラタデ」と呼ばれるそうで、なんとも混乱の起こりそうな事態になっております。

咲いている花は・・・ 昨年見た限りでは、似てるとも思えません。
花が咲いていないときのだと、見分けがつかないくらい似ていますけどね。

雌雄異株ですが、出会ったものは雄花ばかりでした。
花びら(正確には萼が変化した花被)の長さは3~4㎜ですが、これでもタデ科の仲間としては大きいほうです。

花が全開しないのも、シロバナサクラタデの特徴のひとつです。
これで、目一杯開いた状態なんだよね。
見てるともどかしさを憶えることもありますが、この控えめさ加減がよかったりするんですよ。

ピンクの「サクラタデ」同様、「シロバナサクラタデ」もタデ科の別嬪さんと称されております。

今回は特別早く咲いているのに出会いましたが、華々しく登場するのは、もう少し先になります。
この場所にはサクラタデもありますのでね、昨年見逃した別嬪さんたちの競演を、今年は是非とも見てみたいなと、そう思っております。