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さようなら  挨拶

2013-09-17 | 日本語百科
さよう は、然様 左様 を宛てる。
さようなら は、さようならば が変化した語と説明する。

別れの挨拶に用いる語として、さやうなら、ごきげんよう あるいは、はい さようなら と言う用法が見える。

日本国語大辞典の語誌に、さようなら の用法が近世中期以降になって使用頻度が高くなると解説がある。
それまでは、さらば と言う挨拶があった。

後撰、951~953頃、離別・一三四一、さらばよと別れし時にいはませば我も涙におぼほれなまし〈伊勢〉 

さらば の語誌には、つぎのように見える。
  
>中世後期では「さらばさらば」と重ねた言い方が多く見え、さらに近世中期には「さらばの鳥」のような名詞的用法が生じ、打ち解けた間柄で用いる町人言葉「おさらば」もあらわれた。近世後期になると「さようならば」から生じた「さようなら」が一般化したが、近代以降は文語的な表現として「さらば」が用いられている。

日本国語大辞典

さらば
別れの挨拶(あいさつ)に用いる語。さようなら。
*後撰〔951~953頃〕離別・一三四一「さらばよと別れし時にいはませば我も涙におぼほれなまし〈伊勢〉」
*源氏〔1001~14頃〕夢浮橋「うちつけに炒られんも、様悪しければ、さらばとて、帰り給ふ」


さよう‐なら[さヤウ:]
【一】〔接続〕
(「さようならば」の変化した語)それならば。しからば。
*歌舞伎・鳴神〔1742か〕「『御免なさい御免なさい』『左様ならあやまらしゃったか』」
*洒落本・道中粋語録〔1779~80頃〕「『そんなら行てきな』『はい左様なら水いらずに御咄しなさりまし』」
*雑俳・歌羅衣〔1834~44〕三「一膳末(まつ)座左よふならお相伴」
*五重塔〔1891~92〕〈幸田露伴〉二「ざらざらざらっと口の中へ打込(ぶちこ)む如く茶漬飯五六杯、早くも食ふて了って出て来り、左様なら行ってまゐります、と肩ぐるみに頭をついと一つ下げて」
【二】〔感動〕
別れの挨拶(あいさつ)に用いる語。
*洒落本・曾我糠袋〔1788〕「『さやうなら、御きげんよふ』『行ってまゐりやせう』」
*滑稽本・浮世床〔1813~23〕初・上「『ハイさやうなら』トまじめになる」
*人情本・春色梅児誉美〔1832~33〕後・七齣「ハイさやうなら。急いでお帰んなはい。お長さんまた此間に」
*灰燼〔1911~12〕〈森鴎外〉一三「『いや、難有う、大変失敬した、さやうなら』と云って、墓地の真ん中の道の方へ歩き出した」
【三】〔名〕
(【二】から転じて)
別れの意を表わす語。おわかれ。
*銀の匙〔1913~15〕〈中勘助〉前・三一「『あすまた遊んでちゃうだいえも』といふ伯母さんにさやうならをして、帰るみちみち」
*彼の歩んだ道〔1965〕〈末川博〉四「さようならを告げにホテルに行ったところが」

【語誌】
(1)「さよう」は中古よりみられるが、【一】の用法は主に「さらば」(和文)と「しからば」(漢文訓読文)によって表わされていた。中世末期においては「さらば」「それなら(ば)」が多く用いられ、「さようならば」の使用頻度が高くなるのは近世中期以降である。
(2)【二】の別れの挨拶の用法については、先ず「ごきげんよう」「のちほど」などの他の別れの表現と結びついた形で用いられ、次いで近世後期に独立した別れのことばとして一般化した。
(3)打ちとけた間柄での「おさらばよ」やぞんざいな言い方の「そ(す)んなら」に比べて、「さようなら」は丁寧な言い方。
(4)武士詞としては、【一】の用法では「さようござらば」が、【二】の用法では「しからば」が用いられた。【三】の名詞用法は近代以降に生じた。


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