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194   当面する間

2013-08-02 | 日本語新百科
日本語誤百科 37 ページ 当面の間   を、例題にしている。

ひもとく 日本「誤」百科 というコラムに、日本語新百科をこしらえようとして、日本語はどうなっているかと、日本語百科を書いてしまいました。コラムの著者には解説を簡潔に書いていくという制約があるでしょう。ご苦労を思いつつ、このようなブログを書くきっかけをくださって感謝いたします。

37 当面の間 を、例題にしている。
解説は、当面 当分 このふたつを取り上げている。
当面のあいだ と言うなら、当分 でよいとする。

これは、放送研究と調査、2012年9月の記事解説にあるように、その用例があるようだ。
原発事故に関連した表現にあらわれた。
コラムの解説はまた、これを誤用とするかどうかを保留している。

おそらく事態の深刻さとその復興を願うから時間的表現だけでは済まされないのだろう。
そう思うのは、当分と当面との違いを捉え、そこに辞書にあるように当座についての使い方を見てみても、当面するという語にはもう少し意味内容があって、それは場合によると副詞的な時間の捉え方だけではない、当面する、直面することがらへの言及でもあると考え、それをもって、重大事の解決を図りたいという意味内容が表されている。



デジタル大辞泉の解説
とう‐めん 〔タウ‐〕 【当面】
[名](スル)
1 じかに向き合うこと。まのあたりにすること。直面。「難局に―する」
2 (副詞的にも用いる)さし迫っていること。さしあたり。「―の急務」「―問題はない」
→当座[用法]


とう‐ざ 〔タウ‐〕 【当座】
1 物事に直面した、すぐその場。即座。「―の知恵」
2 さしあたっての、その場。目下のところ。「借金で―をしのぐ」「―の間に合わせ」
3 しばらくの間。一時。「上京した―は苦しかった」
4 「当座預金」の略。
5 歌会・句会などで、その席上で出される題。また、その題で即席に詠まれる和歌・俳句。席題。即題。⇔兼日(けんじつ)。
6 居合わせている、その場、その席。「―の一族三十余人」〈太平記・一〇〉
[用法]当座・当分・当面――「これだけあれば、当座(当分・当面)間に合う」など、しばらくの間の意では、相通じて用いられる。◇「当座」には「開店した当座は客も少なく苦しかった」のように、過去のある期間を表す用法もある。◇「当分」は、やや長い期間を表す。「当分会えないよ」「当分の間、入院することになった」など。◇「当面」には「当面する課題」のように、時間の長さではなく「今・現在」を表す用法がある。◇類似の語に「さしあたり」があり、「さしあたり生活には困らない」のように、「当面」「当座」と同じように用いられる。




ことば・言葉・コトバ 当面(の間)
www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/kotobax3/pdf/088.pdf‎

>東日本大震災から1年半になる。時間がたつのが速いと感じる人も遅いと感じる人もいるだろう。将来の時間を表すことばに「当面」「当分」がある。「当分の間」とも言う。これに加えて去年は「当面の間」ということばを見聞きすることが多かった。朝日,毎日,読売,産経の全国紙4紙と共通信の記事を検索したところ,去年1年間に使われた「当面の間」はあわせて538件で,おととしの214件の2.5倍である。2009年342件,2008年259件,2007年237件で,去年の数字が突出して多い。特に際立っているのが被災地の新聞だ。福島民報(去年71件,おととし2件,09年6件),河北新報(去年51件,おととし3件,09年4件),岩手日報(去年28件,おととし7件,09年15件)となっている。明らかに震災・原発事故の影響で増えている。
「当面の間」は,「『当分の間』と『当面』の混交表現で誤用だ」,「いや誤用とは言えない」という両方の意見がある。去年のNHKニュース原稿の使用例を見た。「堆肥や腐葉土について,当面の間,販売や使用を自粛するよう要請しました」「○○県内のすべての漁協は,当面の間,○○漁を中止することを決めました」「取り除いた土を当面の間,校庭の一角に保管することになりました」などがある。
このころの省庁や自治体などの文書にも「当面の間」が多く登場する。たとえば,厚生労働省,経済産業省,環境省の連名による去年5月の文書に「避難区域及び計画的避難区域の災害廃棄物については,当面の間,移動及び処分は行わない」という文がある。また,計画停電に関連し,金融機関のお知らせには「当面の間,ATMコーナーの営業時間を短縮します」という表現がたびたび登場した。いつまで続くか,現時点では判断できないという戸惑いがにじむ。「当面」は「今のところ」,「さしあたり」という意味を含む。「当面,問題はなさそうだ」「当面,人員は足りている」といった使い方をする。一方,「当分」「当分の間」は「当分,家へは帰れない」「当分の間,入院することになった」のようにある程度長い時間がかかる場合に用いられる。
原発事故対応,がれきの受け入れ,高台移転などを考えると,「当面」の時間では解決できない問題が多い。そこで,「当面」より長く,「当分」より短い印象を与える「当面の間」が多用されたのではないだろうか。しかし,震災から1年半がたつ。「当面の間」「当分」「当分の間」はいつまでも使い続けられない。被災地の人たちは,「忘れられることが怖い」と言う。目標時期をあいまいにすることは忘却につながる。復旧・復興の進捗や暮らしの再建に関心を持ち続けよう,と自戒も込めて思う。   吉沢 信(よしざわ まこと)


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