
0404_25 散髪をした。散髪とは何ぞや。床屋に行くと10代のころには、なんと70年も前の語彙で、それには言葉の持つ意味の古めかしさにかまわず、生活の言葉だった。そういえば髪結いに行くといって母がパーマネントやと言い始めた。やはり昭和30年へ、その風景のセピア色になるのは夕日の3丁目だったか。というふうに、さかのぼっていくと、明治のころか、もっとそれ以前の言葉である。それをいまも散髪したと、漢字で書かず、さんぱつやと表記するのがいい。
調髪するほどの毛髪もなし、理髪するにはやぼったく年寄りの風情、4000円も5000円もするご時世に60分、70分のサービスを受けるには高いのやら、シルバー値段と言ってそれを1800円の手ごろ感は時間にして20分かからない、これは効率の良さというべきか、顔そり洗髪をつけての手際よさである。カットやは10分がとこ1000円だったのが値上がりしていて、そちらは洗髪も何もない。ずっと愛好していた調髪には何年前か、定年退職とともにいかなくなってしまった、それは数年、8年も前になるかな。ひと月のサイクルをカット専門で安くして2週間でいあたものを、おなじペースで切っていたから、どうも床屋の名残はその心地よい空間にあるらしい。おしゃべりがあるわけではないから、サービスのほどほどがよい。つまり何もない。もとより油をつけなくなって、ヘアトニックのすっきり感もいらず、店を出れば風に吹き上げる髪を感じて、はいそれまでよと颯爽とする。なんだか髪結い床にはポマードなるものがあったっけ。きょうは強い冷たい風が吹いていた。バスに乗り、これ1時間に一本、地下鉄を乗り継いで行った、なになになに交通費は路線の無料パスがある市のサービス、敬老様様。
どういうのだろう、さんぱつや と言わなければ、バーバーズなるか、理髪店と言うか。散髪は髪切りになるから、髪を切りに行った、とでも。もう床屋はあり得ない。となると、ヘアカットという言い換えでこれはもう訳が分からなくなる。男性に限らず女性にある美容、これは逆か、女性に限ったことではないタイリストがいる美容院というのがこの語にはふさわしく、男性のスタイルをそこで見るとなると、美容院ヘアカット部門散髪専門となる、理髪師がそこにいるということに。あれ、理容師法とある国家資格だから理容師の名称が良い。
AI による概要
>理髪師(りはつし)とは、頭髪を刈ったり結んだり、ひげを剃ったりするなどの整髪を職業とする人のことを指します。理容師とも呼ばれ、理容師法に基づく国家資格が必要です。
ウイキペディアより
>理容師(りようし、英語:barber)とは、髪を切って整える等の理容を行う仕事を司る職種である。日本語で、理髪師(りはつし)、床屋 (とこや)とも俗称される。
>日本の理容
日本語では、古くは髪結いと言い、江戸時代から明治時代にかけては「理髪業従事者」の総称であった。その後も伝統的日本的髪型の理容と理容師に限っては「髪結い」の呼称は死語とはならず、現在に至っている。また、「髪結い床(かみゆいどこ)」という自分の店を持つ者は床屋とも呼ばれたが、「床屋」は理髪業従事者とその店の俗称となって現在なお通用している。また、力士の髷や役者の鬘を結い上げる職業は床山と呼ばれる。
現代日本の理容師法では「理容を業とする者」をいうと定義されている(理容師法1条の2第2項)。現代日本における国家資格については理美容師を参照のこと。理容師の定義や資格、理容所の設置については、理容師法によって定められている。同法に違反する営業や理容行為については罰則がある。
さて、理容室、理容店というなかで、床屋はあってもどうも散髪屋だけは30件あたりまでヒットしない。散髪の語そのものの意味内容が髪を切ることだけに収束しているか、切るか、結いをほどくとざんばらになることでもあったから、話し言葉に伝わってきている。
ざんばら髪をさんばら髪と辞書項目にする。はて、これはまたどうしてか。
散髪脱刀令などの用語に見える。
髷の元結が結えないので下ろした髪で活躍した力士が近頃は話題になったりするので散髪のイメージは確かである。
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