日本語文法は文を単位とする。語法句法はそれぞれ、名の通り、語と句を単位とする。日本語の文は近代になって文章とともに文法の単位としてとらえられたが、文章として捉えることに文のまとまりがあった。すでにあった文章に文をさらに単位にするのは、文章とは何か、文とは何かを分明にするためのsentenceの翻訳による、概念をあてることが捉え方として必要であった。つまり、日本語文法に英文法などの対照を以て説明するための文の分析であった。必ずしもそのように説明されてきたのではないが、日本語の文要素を英文法の主語述語の要素にあわせた説明となった。
英文法などで主語を必須要素とする文の説明に、日本語では文の要素とだけ説明をしたので、必須ではない考え方であったはずのものが、主語述語の対応で、英文法にある述語要素には、日本語の述語を対応して、そこに説明の違いが生じていたのだが、それをとらえることなく文の必須要素の説明が全く異なってしまった。つまり、英文法の述語には動詞だけが当たるが、日本語はそのようにいうことなく、動詞述語に相当する名詞、形容詞を、述語そのものの要素に置いたため、文に必須要素とはならない主語のことと、述語になる動詞とそのほかの品詞についての説明で、文そのものが単位として、文法説明の内容を対照した英文法とちがってしまってきたのである。それが国文法であったから、国文法の説明は独自に展開するものとなってきたにもかかわらず、英学者たち、文法学者たちから、国文法の文法概念を、日本語文法、英文法とその立場の主張において、文法概念に優劣があるかの如く説明をする風潮が、国語に対して向けられてしまったので、国語を扱うものがそれに抗しきれないままに、自らを失い、説明をできなくしてきてしまっている。
語法 句法 文法 文章法
文法を用語にする分野を並べてみると、語法、句法、文章法をあげる。句法と、文章法とは文学における文法に関連する。あるいは、句法は漢文の影響を受け、文章法は言語学の影響を受けてとらえる......
語法 句法 文法 文章法
2017-11-03 05:20:14 | 日本語文法
文法を用語にする分野を並べてみると、語法、句法、文章法をあげる。句法と、文章法とは文学における文法に関連する。あるいは、句法は漢文の影響を受け、文章法は言語学の影響を受けてとらえる。もと、語法は中国語の文法として見られたが、その見方考え方は日本語の文法をまずあらわしていた。語というとらえ方は、言との対応があり、古くに詞辞の大別を入れていたから、詩句、詞章、辞書などの呼称にそれぞれ、ことばを表している。
こう見てくると、文には広く文学の用法があり、文法となるのは時代を見ていくと、下がって近代のこと、翻訳語としての概念が現れる。文章法には作文、作文作法、作文法、文章作法、文章構成法などの広がりがあり、漢語の影響にあったが、そこに文章表現として日本語法が唱えられるようになり、さらには時代の影響に、概念が広がり、文章に構文、シンタクスをとらえようとする。