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つつしんで

2020-03-15 | 日本語百科

3.11日東本大震災によせて、追悼式が行われなかったことに寄せて、いま、その式ではなく、慎んでの言葉遣いに意見があるのを目にして、ここに考えてみる。謹んで 慎んで この表記の違いである。それを言葉遣いにして、間違いを起こすことに、校閲者が言う。文字の意義で、 謹む を敬う言葉としてもちいよ、ということらしい、いわく、謹んでお悔やみを申します、となるか、慎むを用いる追悼文がおかしいというのだが、御冥福を慎んでお祈りいたします、という言い方が用字法をまちがえているということらしい。

さて、いかが。
いわば、追悼の気持ちを、うやうやしくかしこまるように、というのか、あやまちや軽はずみなことがないように気をつける、慎重に事をなす、というのではないのか、校閲者は、度をすごさないようにする、控えめにする、節制する、というふうに、この用字を理解しているようであるから、控えめにすることではないだろうとばかり、意見するわけである。文字の使い分けで、意味の違いがあるように説明するものがネットサイトでも散見されて、それに従うのは辞書義のよるところで、定型例文、挨拶文句にもなるから、校閲者のように固まってしまうのである。

ここで、イメージをもって、恭しく儀礼的にする謹んでのことではないと、大げさにするものでもないのだが、と、その言葉の印象を説明しても、固まった、かたくなな思い込みには通用しない。儀式だからそれでよいとする理屈が出てくれば、恐悦至極なことである。この上なく喜ぶことを表す、畏まった表現で、相手に対して、敬意をこめて感謝の意を述べる際などに用いられる。

冥福を祈る気持ちは慎んではならない、という結びを、言上するかのように、謹んで申し上げるのか、哀しみに慎みをもってすることを、このままの言葉遣いでは、度を過ごしてやりなさい、と言っていることになっている文意である、とは、ここにもじったコラム名、校閲至極などと、あげつらいをする仕事ではなかろう、おのれの編集記事にある校閲者自ら思い及ぶところ、表現には意志のあらわれがある。

といっても、謹んでお悔やみ申します、謹んで、といれても、プロセッサの文字選びが、こうしか出ない、変換を自動にする世の中になってしまって、儀礼文の学習だったりで、それはそれでよいのであるが、それでもなお、ことばに慎み深くいることのわたしたちでありたい。

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あなたはわかる? 「謹んで」と「慎んで」の意味の違いとは 【もう間違えない! 定番ビジネス敬語集】
2016/12/13電話・メール
■シチュエーション別! 「謹んで」・・・・・・


出典:デジタル大辞泉(小学館)
つつし・む【慎む/謹む】 の解説
[動マ五(四)]
1 あやまちや軽はずみなことがないように気をつける。慎重に事をなす。「行動を―・む」「言葉を―・みなさい」
2 度をすごさないようにする。控えめにする。節制する。「酒を―・む」「暴飲暴食を―・む」
3 (「謹む」と書く)うやうやしくかしこまる。「―・んで御礼申し上げます」→謹んで
「君達 (きんだち) さへ余り―・み給て、今は目も見せ給はねば」〈狭衣・四〉
4 物忌みする。斎戒する。
「ながき物忌みにうちつづき、著座といふわざしては―・みければ」〈かげろふ・下〉

「慎む」・・・過ちを起こしたり、限度を越さないように抑えめにすること
「謹む」・・・相手に敬意を表して、かしこまった態度をとること

・言葉を慎む
・口を慎む
・身を慎む
・私語を慎む
・おそれ慎む

・お酒を慎む
・暴飲暴食を慎む
・偏食を慎む

・謹んで承る
・謹んでお悔やみ申し上げます
・謹んでお慶び申し上げます
・謹んでお詫び申し上げます
・謹んでお受けいたします

https://mainichi.jp/sunday/articles/20200312/org/00m/040/002000d
校閲至極
/89 大震災追悼式で繰り返す間違い
2020年3月15日 05時00分(最終更新 3月15日 14時35分)
サンデー毎日
>「本日、3月11日、東日本大震災から8年を迎えました。改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福を慎んでお祈りいたします」
 この「慎んで」という漢字はおかしいことに気付かれましたか。『三省堂国語辞典』などによると「慎む」は「ひかえめにする」ことであり、これでは「控えめに冥福を祈る」ことになってしまいます。同辞典は「謹んで」を副詞として立項し、「礼をつくして、うやうやしく」という意味とします。つまり談話の「慎んで」は「謹んで」の誤りなのです。
 実は、この誤りは昨年だけでなく、2013、14、16、17年にもあり、計5回繰り返されていました(15、18年は「謹んで」)。官房長官だけではありません。安倍晋三首相の13年の記者会見冒頭発言でも「大震災によって愛する御家族を失った皆様に慎んで哀悼の誠を捧(ささ)げます」となっています。


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