日本語文法論議23728
国語と日本語で文法単位に異なる定義があるのは困ったこと、文について説明に統一がないから混乱を招く。日本語の文には主語でなく補語があるとする議論は日本語教育文法で唱えられるようになる。基礎日本語文法にも文の説明には句点を以て文とするという。
これだけでなく文法をとらえる考え方の違いが議論として通じなくなる。それはまた、文法学者によって主張があり、主語j述語となる文を文法研究者の定義をもってその数を言い立てる議論もある。
国語の文の定義はゆるやかなものである。ゆるやかというとあいまいになるということを思うかもしれないが、それはそうでないものを前提とした考えがあるからである。国語で文構造をどのように定義にするかというゆるやかさを認めることである。
何はなにだ 何がどう 何がどうする 何に何がある 何は何が構文
国語教育で句点をうつことを文標識とする。これも、ピリオドを打つ文法の考え方で説明することに準じているようである。
辞書の解説に、次のように、句点を以て文とする説明があるのを引用する。
＞定義には諸説ある。西洋文法では、主語・述語を具えることが文成立の条件とされることがあるが、日本文法では必ずしもそれによりがたい。 精選版日本国語大辞典より
＞文字で表す場合には，通常，文の切れ目に句点「。」を打つ。 大辞林より
＞文字で書くときは、ふつう「 。」（句点）でその終わりを示す。 デジタル大辞泉より
＞文字で表すときは、ふつう句点でその終わりを示す。 明鏡国語辞典より
しかし、ここでその説明にある句点とは何か、なぜ文を示すのかという、句点であり、ピリオドであるが、文点という用語ではなかった。そもそも句読法についてのとらえ方にも、句点読点は漢文訓読の用語であったから、 punctuation、句読、句読法、句読点などと用いていても、日本語の句点読点区切り符号をパンクチュエーションとした議論がある訳ではない。
さて句点があるのは符合で言えば区切りであって、句を切ることであるから、その句を文というのはどうしてか。
いっぽうで長く解決がつかない文について議論があったからで、陳述を持つかどうか、表現内容、意味のとらえ方で、統一性，完結性を言ってきたのは文法議論の立場をちがいとしながら、文をとらえようとした、その現象はわたしたちに明白な事実である。文節などの簡明な理屈に納得するのは言語の音声と音韻のことであるし、完結、統一はその形式によってもたらされることを意識に持つからである。
文 ぶん sentence
＞単語とともに言語の基本的概念であるが，その定義はさまざまで定説はない。日本でも，陳述，統一性，完結性などを有するものと説かれてきたが，現在では，音形の面でイントネーションによってまとめられ，意味の面で完結しており，文法面で一つの独立した統合体となっているものといってよいであろう。 ブリタニカ国際大百科事典より
国語文法の議論を学派、学閥とあまりに権威に拠りがちな後継の研究者たちとによってそれぞれの理論を追求すると喚体、述体句、断句、連文節、言語過程、展叙統叙なる理論の統合になる学説はいっこうに見えてこない、現れてこないのは当然のことであろうか。その統合という理論の視野があれば国語の議論は実体は一つなのであるということに気づくであろう。
そのそれぞれの側面をみながら意味理論と形式理論、影響下にある言語理論と独自理論とを持つものとして日本語文法議論が国語議論日本語教育理論のなかで、あらたに統合文法として構築される。
