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朗詠  附 日本語観 

2013-07-17 | 現代日本語百科
朗詠  附 日本語観

歌い上げるものとして貴族の宴席に流行った。
吟じることで、その伝統はいまも受け継がれるものである。

そしてそこには言葉そのものへの具体実践があったと見る。どのようなものか。

和漢朗詠集に伝えられる。藤原公任撰、寛仁2年、1018年頃成立した。巻末の内題に倭漢抄ともある。和歌216首と漢詩588詩、漢詩には日本人の作ったのを入れて、合計804首。

これはその影響として、漢字と仮名文字の両方で当時の流行歌が書いてあることから、寺子屋などで長年読み書きの教科書としても用いられた、と解説があり、さらには、イエズス会によって出版されたキリシタン版の上巻が、スペインのエル・エスコリアル修道院に残っていると言う。

次いで、新撰朗詠集が編まれる。藤原基俊撰、鳥羽天皇、1103年-1156年、ころ成立、漢詩540首、和歌203首。
和漢朗詠集にならったという。漢詩540首、和歌203首。

これ以前に宮廷の雅楽に行われていた、フリー百科事典の解説は次のようである。

>平安時代になると雅楽寮の規模は縮小され宮中では左右の近衛府の官人や殿上人、寺社の楽人が雅楽の演奏を担うようになった。貴族の間では儀式や法要と関係のない私的な演奏会が催されるようになり、儀式芸能としての雅楽とは性格を異にする宮廷音楽としての雅楽が発展していった。この流れの中で催馬楽、朗詠、今様など娯楽的性格の強い謡物が成立した。


朗詠
朗詠(ろうえい)は、日本の歌曲の一形式。
概要
平安初期に、催馬楽と、ほぼ同時に発生。和漢朗詠集等からの漢詩に曲を付けたもの。通常、雅楽に含まれる。



デジタル大辞泉の解説
わかんろうえいしゅう 〔ワカンラウエイシフ〕 【和漢朗詠集/倭漢朗詠集】
平安中期の詩歌集。2巻。藤原公任撰。長和2年(1013)ごろの成立か。朗詠に適した白居易などの漢詩文の秀句約590首と紀貫之(きのつらゆき)・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)などの和歌約220首を、四季・雑に分類して収めたもの。

しんせんろうえいしゅう 〔シンセンラウエイシフ〕 【新撰朗詠集】
平安後期の詩歌集。2巻。藤原基俊撰。鳥羽天皇のころ成立か。朗詠用の和歌・漢詩を集め、和漢朗詠集に倣って編集したもの。新撰和漢朗詠集。

ろう‐えい〔ラウ‐〕【朗詠】
[名](スル)
1 詩歌などを、節をつけて声高くうたうこと。吟詠。「人麿の歌を―する」
2 平安中期から流行した歌謡で、漢詩文の一節を朗吟するもの。中世以降、雅楽化された。詞章となる詩歌を収めたものに「和漢朗詠集」などがある。





世界大百科事典 第2版の解説
ろうえい【朗詠】
雅楽の歌謡(うたいもの)の一つ。漢詩にフシをつけて朗誦し,これに笙,篳篥(ひちりき),横笛(竜笛)など雅楽の管楽器が助奏を行う。催馬楽(さいばら)に比べると拍節も定かではなく,むしろ,ゆるやかに流れるフシのみやびやかさを鑑賞すべく考案されたもののようである。宇多天皇の孫にあたる源雅信(920‐993)がそのうたいぶりのスタイルを定め,一派を確立したと伝えられており,その後,雅信を流祖とする源家(げんけ)と,《和漢朗詠集》《新撰朗詠集》の撰者藤原公任,藤原基俊などの流派である藤家(とうけ)の2流により,それぞれのうたいぶりや譜本を伝えた。


大辞林 第三版の解説
ろうえい【朗詠】
( 名 ) スル
①詩歌を声高らかにうたうこと。朗吟。 「漢詩を-する」
②雅楽の一。漢詩に曲節をつけてうたう自由なリズムの謡物。平安以降,管弦の遊びの折などに行われた。その詞章となる詩歌を集めたものに「和漢朗詠集」「新撰朗詠集」などがある。

しんせんろうえいしゅう【新撰朗詠集】
詩歌集。二巻。藤原基俊撰。平安末期成立。「和漢朗詠集」にならって編まれ,部立・分類とも似通う。漢詩文約五五〇句,和歌約二〇〇首を収める。詩文は白楽天が最多数を占めるが,概して本朝文人の作が多い




世界大百科事典 第2版の解説
わかんろうえいしゅう【和漢朗詠集】

平安中期の詩歌選集。2巻。藤原公任撰。寛仁(1017‐21)ごろの成立か。平安前期から,文人貴族は《白氏文集》など中国の漢詩文を規範として模倣し,とくに華麗な対句や四六駢儷(べんれい)文の秀句は,もとの作品から切り離して作文の手本にされたり朗詠されたりした。そうした秀句の摘句選集は,中国に先蹤があるが,日本でも大江維時撰《千載佳句》などが編まれている。本書もそうした選集の一つで,白楽天を尊重し多くの詩句を採るが,ほかに菅原道真,菅原文時など日本人の漢文学作品からも摘句し,さらに《拾遺和歌集》をはじめ,三代集その他から選んだ和歌を並列させている点が特徴的である。


世界大百科事典 第2版の解説
しんせんろうえいしゅう【新撰朗詠集】
平安後期の詩歌撰集。2巻。藤原基俊撰。成立年不詳。藤原公任撰《和漢朗詠集》(寛仁年間(1017‐21)に成立か)の続編的性格をもち,部類の名称や配列など,公任の編集方法を模倣するほか,唐人の作では白居易の詩句を重んじ,和歌では《拾遺集》はじめ三代集から多く採る点で共通するが,日本人作の漢詩文は,公任の村上朝重視と異なり,一条朝のものを主とする。以後の日本文学への影響は少ない。【川口 久雄】


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