現代日本語百科   けふも  お元気ですか

gooブログはじめました!日本語百科です。
現代日本語百科 ⓒ2013gooksky

万葉語り24

2014-02-26 | 万葉語り
万葉集の成立には原本がある。

それには伝承されている逸話を記録する。

それが歌としての詞の宇宙であったのである。

うたは、芸術、技術、文芸といってもよいが、叫びでもあったろう。

題詞をつけた、一つのその小宇宙には物語があったろう。

をみのほきみ、伊勢の国のいらごのしまに流さゆる時に、人のかなしびて作る歌、第23番歌である。

 うちそを をみのおほきみ あまなれや いらごのしまの たまもかりなす 

そして第24番歌は、麻続王、これを聞きてかなしびて和ふるうた、とある。

 うつせみの いのちをおしみ なみにぬれ いらごのしまの たまもかりはむ

かなしびはは、哀傷、感傷の文字遣いに同じ訓をつけている。

のちの編者は左注に、右は日本紀をかんがふるに、として次のように言う。

麻続王に罪あり、因幡に流す、ひとりの子をば伊豆の島に流す、ひとりの子をば血鹿の島に流す、と。

これを引いているのは、伊良湖に流されたのではなく歌によって誤り記した、とも注釈する。


歌の引用は国歌大観番号、角川日本古典文庫を用いる。
    この書の注釈と解説による。

    伊藤博校注 万葉集 上下巻 角川書店


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。