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遠隔授業の心得

2020-06-11 | 新語・社会現象語

ライブ・オンデマンド型授業実施の心得 とあるが、何を言う。
引用は、次である。

教員が気を付けておくと良いこと 2020/04/09 公開(Ver.3)


https://www.citl.titech.ac.jp/resource/prepare-for-online-class/
Zoom等遠隔授業

実際の教室授業を念頭に置いたモデルですが,オンライン授業に示唆あるものです。とても簡単に説明すると,学生の集中力が続く時間を考慮して,10~12分の講義時間と3~4分の活動時間を組み合わせていくといった授業展開をモデル化したものです。

 学生は提示されたスライドの内容を読んで,それから話されていることに耳を傾けて聴こうとします。スライドを分割したほうが,理解しやすいかもしれません。また,話す速度や話し方の癖を認識しておくと良いでしょう。中には難聴の学生もいるかもしれません。

配信環境の確認
 ライブ配信元となる教室や居室が,実際の配信時間に騒々しくないかの確認は必要です。聴くという行為がオンライン授業では重要なためです。学生の耳にノイズや騒音が混ざっては,集中力が落ちてしまい,せっかく準備した授業が台無しになってしまいます。

 次のこと(ブックエンド・アプローチ)をヒントに短い動画教材の作成も検討してみてください。
冒頭では動画教材のロードマップ(視聴の見通し)を示す
これまで伝えてきた(視聴するには長い)普段の内容を短く仕切り直す
学生が(視聴し終えたことで)内容を検討できる熟考用の質問を挿入する
そして,
カメラの向こうにいる学生へ話しかける

オンデマンドとはいえ,動画1本が10~15分となるように仕上げると良いでしょう(15分だと少し長いかもしれません)。
授業で伝えたい内容が多くあるので,時間がもったいないと思えるかもしれません。とはいえ,学生の授業に対するエンゲージメント(我がごととして主体的に授業を履修すること)を授業進行にあわせ高めていくために,最初はゆっくりと始めるくらいが良いかもしれません。

GRIPが表わしているのは,Goal(目標や成果),Role(参加者の役割),Impact(背景や意義),Process(進め方や手順)です。
OARRは,Outcome(成果),Agenda(進行や項目),Role(役割や心構え),Rule(場の約束事)を表わしています。

 授業中に寝ている学生を起こすことや別のことをしている学生を注意することなどは,普段の教室授業であれば可能かもしれませんが,オンライン授業では至難です。毎回の課題提出を義務づけるなどは先ず思いつくものですが,提出を求めるだけでなく,オンライン授業において,「優れた学生」「非常に良い学生」「良い学生」「平均的な学生」「努力が必要な学生」を,それぞれどのような学生としてそのように評価するのかについて示せれば良いでしょう。
 オンライン授業に限りませんが,「最後に試験を行います」「レポートの提出を求めます」と伝えるだけでは,学生が主体的に授業へ参画するとは限りません。各回のオンライン授業へ出席する学生のモチベーション維持へつながるように,目指す姿を示すことが肝要です。

 さて,初回で確認した「授業科目の学修目標,意義,計画」は,2回目以降の授業冒頭で確認することも有効です。教員から,学生に授業の見通しを与えると考えてください。
 その授業回の学修目標,その目標の意味,授業で扱うトピックの順序,学修の構造(例えば,授業中に見る動画教材と講義の関係,そこから学生に考えて欲しいことなど),学生への期待(例えば,主体的に参加することなど),オンライン授業の履修における約束事(例えば,ネットがダウンして授業を中断せざるを得ない場合の対処,チャットへの質問や書き込み,授業中の飲み物などの可不可など)。

オンライン特有の負荷
 何も伝えないままオンライン授業が始まり,ただただ教員が話し続け,いつ一段落がつくのかもわからず,ずっと画面に(目も耳も)集中することは,学生の負荷が大きくなるばかりです。きっと教員も疲れるはずです。リラックスによって,学修が促進されることを念頭に置きましょう。
ペース
 ブックエンド・アプローチが示す冒頭部分を終えて,小さな講義がスタートしています。始めは,ゆっくり丁寧な発声だったにもかかわらず,熱が入ってきたおかげで,普段の教室授業のような話す速度や話し方になっていなければ大丈夫です。ペースを守りましょう。先生の喉もそうですが,小さな画面で熱心に視聴している学生の目や耳が酷使されていることも忘れないでください。
トーン
 学生は講義内容を吸収し処理しています。おそらく初めて聴く内容です。普段の教室授業であれば,教室のトーンや学生の雰囲気などを素早く察知して,説明ぶりに変化をつけたりもできますが,オンライン授業では難しいところです。実際の教室授業で感じる一体感をオンライン授業でも実現したいと思いがちですが,オンライン授業なりの一体感があるのだろうと考え直しましょう。

「聞こえていますか」
「速くなったら教えてください」
「説明をもう一度して欲しい人は手を挙げてください」
「少し,ストレッチしようか」
「3分休憩します」
「目薬さしても良いです」
「ここ集中するところです」

レスポンス
 小さな講義を終えれば活動の時間を挿入してみましょう。チャット機能は簡単に活用できそうです。直前の講義内容と関連して出題したクイズの解答や講義内容に対する質問などを学生が書き込みます。すべてに応じることは難しいですが,普段の教室授業であれば得難いレスポンスが目に見えてくることでしょう。
授業中の小課題
 また例えば,小さな講義を終えて学生に考えてもらいたいことを教員から提示し,学生は自身が考えたことをワードなどでメモとして作成する。授業で起きたいくつかの活動が記述されたドキュメントを授業終了後に学生は提出する。タイプできない手書きの場合は,スキャンしてから提出することを指示します。
 事前に示していた「優れた学生」「非常に良い学生」「良い学生」「平均的な学生」「努力が必要な学生」の基準に従って,オンライン授業への参画を評価する。授業の最後にまとめて書かせると,最初のほうの活動の記憶は薄れがちです.その都度書かせることで,どの内容に躓いたのかも把握しやすくなります。

 オンライン授業では,事後課題(あるいは事前課題)が重要なステップです。




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