美しい日本は文芸にあらわされるとして、ノーベル文学賞を受けた作家、川端康成の講演「美しい日本のわたし」に日本文学が紹介された。美しい日本語は、その文芸において表現に用いられる。
山川、田園、森林そして海という、さらに季節が織りなす自然に囲まれた、この風土である。目にするものに聞くものがあり、さやかに風が薫るのは、初夏であり、晩秋である。その彩には雪に覆われた野原となる、季節暮れ行く秋の装いに、対照的に春を迎えるその変化には目を瞠るであろう。雨風、月夜、陽光と青空と、どれをとってもうつり行く美しさがある。その日本風土、地域に日本語がある。日本語表現は響きをもって明瞭に繰り返す言葉の特徴がある。仮名文字による音表現は、世界の言語でも日本語に独特である。そのような言語を道具に、音節を巧みに歌として、古くから歌い上げてきている歌謡がある。日本語には特有のリズムが構成されて、それを聞くものには、単純でわかりよいモラ moraとなる。
美しい日本の私―その序説』(講談社現代新書、1969年3月16日)
カバー写真:浜谷浩。訳者:エドワード・G・サイデンステッカー。
作者肖像、受賞メダル(表裏)、賞状、草稿の冒頭部、受賞場面の写真掲載あり。
※ カバー改装後は、カバーデザイン:中島英樹。
収録内容:美しい日本の私―その序説、編集注記、Japan, the Beautiful, and Myself(英訳版)
英文版『Japan, the Beautiful, and Myself』(訳:エドワード・G・サイデンステッカー)(Kodansha Amer Inc、1969年。改版1981年)
道元(1200-1253)
春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて冷しかりけり
In the spring, cherry blossoms,
in the summer the cuckoo.
In autumn the moon, and in
winter the snow, clear, cold.
明恵(1173-1232)
雲を出でて我にともなふ冬の月 風や身にしむ雪や冷たき
Winter moon, coming from the
clouds to keep me company,
Is the wind piercing, the snow cold?
雪月花
日本三景 雪-天橋立 月-松島 花(紅葉を花に見立てる)-宮島 日本三名園 雪-兼六園 月-後楽園 花(梅)-偕楽園 ^ 矢代幸雄『日本美術の特質』(岩波書店、1943年)、(第2版(1965年)) 川端康成『美しい日本の私―その序説』(講談社現代新書、1969年) 風流 風花雪月
3キロバイト (489 語) - 2017年7月17日 (月) 12:16
ウイキペディアより
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『美しい日本の私―その序説』は、道元などの僧の和歌を引用解釈しながら、〈雪月花〉に象徴される日本美の伝統、こまやかな美意識、万有が自在に通う空、無涯無辺、無尽蔵の心の宇宙などの世界観のありようが、流麗な文章でとらえている。有無相通じる融道無磁の〈無〉の心が、〈一輪の花は百輪の花よりも花やかさを思はせる〉という美の秘密を成立させている趣旨に、スウェーデン・アカデミーの聴衆は深い感銘を受けた。文章内に川端の付けた小見出しはないが、朝日新聞では紙面に講演録を記載するにあたり、「雪月花に美の感動」、「『無』は心の宇宙」、「美の糧『源氏物語』」というおおまかな三段階の小見出しを付けている。
>音節文字
音節をそのままひとつの文字として表記する文字を音節文字と呼び、日本語における仮名をはじめ世界中にいくつかの文字体系が存在する。ただし、現代における大言語において音節文字を使用しているのは日本語のみであり、表音文字の大部分は音素を表す音素文字に属する。また、日本語においても完全な音節文字体系ではなく、表意文字である漢字と併用されて用いられる。日本語における仮名は、本来表意文字である漢字を、その意味にかかわらず日本語の一音節をあらわすために用いる、いわゆる万葉仮名から変化したものである。
山川、田園、森林そして海という、さらに季節が織りなす自然に囲まれた、この風土である。目にするものに聞くものがあり、さやかに風が薫るのは、初夏であり、晩秋である。その彩には雪に覆われた野原となる、季節暮れ行く秋の装いに、対照的に春を迎えるその変化には目を瞠るであろう。雨風、月夜、陽光と青空と、どれをとってもうつり行く美しさがある。その日本風土、地域に日本語がある。日本語表現は響きをもって明瞭に繰り返す言葉の特徴がある。仮名文字による音表現は、世界の言語でも日本語に独特である。そのような言語を道具に、音節を巧みに歌として、古くから歌い上げてきている歌謡がある。日本語には特有のリズムが構成されて、それを聞くものには、単純でわかりよいモラ moraとなる。
美しい日本の私―その序説』(講談社現代新書、1969年3月16日)
カバー写真:浜谷浩。訳者:エドワード・G・サイデンステッカー。
作者肖像、受賞メダル(表裏)、賞状、草稿の冒頭部、受賞場面の写真掲載あり。
※ カバー改装後は、カバーデザイン:中島英樹。
収録内容:美しい日本の私―その序説、編集注記、Japan, the Beautiful, and Myself(英訳版)
英文版『Japan, the Beautiful, and Myself』(訳:エドワード・G・サイデンステッカー)(Kodansha Amer Inc、1969年。改版1981年)
道元(1200-1253)
春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて冷しかりけり
In the spring, cherry blossoms,
in the summer the cuckoo.
In autumn the moon, and in
winter the snow, clear, cold.
明恵(1173-1232)
雲を出でて我にともなふ冬の月 風や身にしむ雪や冷たき
Winter moon, coming from the
clouds to keep me company,
Is the wind piercing, the snow cold?
雪月花
日本三景 雪-天橋立 月-松島 花(紅葉を花に見立てる)-宮島 日本三名園 雪-兼六園 月-後楽園 花(梅)-偕楽園 ^ 矢代幸雄『日本美術の特質』(岩波書店、1943年)、(第2版(1965年)) 川端康成『美しい日本の私―その序説』(講談社現代新書、1969年) 風流 風花雪月
3キロバイト (489 語) - 2017年7月17日 (月) 12:16
ウイキペディアより
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『美しい日本の私―その序説』は、道元などの僧の和歌を引用解釈しながら、〈雪月花〉に象徴される日本美の伝統、こまやかな美意識、万有が自在に通う空、無涯無辺、無尽蔵の心の宇宙などの世界観のありようが、流麗な文章でとらえている。有無相通じる融道無磁の〈無〉の心が、〈一輪の花は百輪の花よりも花やかさを思はせる〉という美の秘密を成立させている趣旨に、スウェーデン・アカデミーの聴衆は深い感銘を受けた。文章内に川端の付けた小見出しはないが、朝日新聞では紙面に講演録を記載するにあたり、「雪月花に美の感動」、「『無』は心の宇宙」、「美の糧『源氏物語』」というおおまかな三段階の小見出しを付けている。
>音節文字
音節をそのままひとつの文字として表記する文字を音節文字と呼び、日本語における仮名をはじめ世界中にいくつかの文字体系が存在する。ただし、現代における大言語において音節文字を使用しているのは日本語のみであり、表音文字の大部分は音素を表す音素文字に属する。また、日本語においても完全な音節文字体系ではなく、表意文字である漢字と併用されて用いられる。日本語における仮名は、本来表意文字である漢字を、その意味にかかわらず日本語の一音節をあらわすために用いる、いわゆる万葉仮名から変化したものである。