読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

足を洗う

2010-09-23 09:26:29 | 漢字
「足を洗う」と言う意味は国語辞典によれば、悪事や苦難の世界から脱することを言うとある。インドで托鉢僧が裸足で乞食をし、庵に帰ってから足を洗った後、法談をしたことに由来していると言う。が、漢字の字源からの研究からは「旅が終わる」事を意味する。人が氏族霊に守られている地から外出するとき、その地の外は邪霊に満ちて危険である。帰ったとき、その邪霊は足の裏に付いて自分の居住地を汚す畏れがある。その足を洗い流す必要が有るのだ。「洗」と言う漢字は「先」つまり足の先を洗う事を意味するのである。更に爪も切った。その中にも邪霊は潜んでいるのである。古代中国では足を洗うことは重要な儀礼であった。
白川静著「文字遊心」平凡社から


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