読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

白川静の言葉

2011-11-29 09:42:31 | 漢字
「漢籍が学校の教科から外されて、半世紀に近い。千数百年にわたって、わが国の文化の中に存した漢文は、今は枯渇した状態にある。漢籍を古い文献に過ぎないと思うのは古典の本質を知らぬものである。古典は常に新しい。平安期の人にも明治大正の人にも漢籍は生きた文化財であった。その時代なりの吸収の仕方があり、活用もされてきたのである。中略、漢籍の受容は、欧米の知識の受容によって代えうるものではない。むしろ、それによって養われ、わが国の独自の文化を培養する豊沃な土壌を用意するものであった。」
白川静著「桂東雑記拾遺」平凡社から
私は上掲の本のこの部分を読んで明治期、日本が諸外国から多くの知識を移入したとき、役立ったのは英語でもフランス語でもドイツ語でもなく漢字の造語力であった事と、中江兆民もこの為、漢字の塾へ入りなおしたと言う事実を読んだ事を思いだした。


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