読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

文字の話

2012-01-27 09:23:53 | 漢字

中国では鉄の使用は戦国時代から活発であったが

文字は少なくとも紀元前十四、五世紀には使われていた。

殷の武丁の時代以降、占いに使われいた亀甲や獣骨に

刻まれた文字が、その頃、その都であった殷墟(現在の河南省

安陽)から発掘された。その数は数十万片に及ぶ。

これらの亀甲、獣骨文字と共に優れた青銅器も発掘された。

それら青銅器にも文字が書かれ、金文と呼ばれている。

文字は、もとは絵文字であった。が、これら絵文字は言葉を

表すものではなく、ただ、絵によって事実を知らせるだけのもの

であったから文字とはいえないものであった。

文字と言うためには、一定の形が、一定の意味を表すと共に

一定の音を示すものでなくてはならない。

殷墟の文字は既にそうした条件を備えていたのである。

白川静の著書から



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