読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

7、日本女子留学事始め

2012-05-18 09:31:48 | 歴史
 3年生のときに10年の留学期間が過ぎて、日本政府から帰国命令が届いたが、
あと一年で晴れて学士号を手にして卒業したいとの固い決意を日本政府に書き送り、
1年間のみという条件で延長許可を得た。

 その年のクリスマス・イブの日に、80歳間近のベーコン牧師が亡くなった。
牧師の写真を送ってくれたベーコン夫人に、捨松は次の手紙を書いている。
清らかな人柄がにじみでている文章である。

「ベーコン牧師のお写真を送って下さり有り難うございました。あまりにも良く撮れているので、
お写真を見る度にベーコン牧師が私に話しかけて下さっているような気がします。
机の前のちょうど私の頭の高さの壁にお写真を掛けたので、机に向かって勉強しながら眺めていると、
ベーコン牧師が私に多くのことを教えて下さった尊い美しい日々が思い出されてきます。」

「ベーコン牧師が私にいつも望んでおられたような、誠実で正直な人間になりたいとお写真を
見る度に考えます。このお写真は私の宝物として大事にしていきます。」