読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

母の日に、アメリカシングルマザーの状況

2012-05-14 19:53:12 | 暮らしの中で
wsj日本版から

15%――これは、未婚もしくは離婚や、配偶者と別居している、
子供を持つ米国女性の2011年の失業率だ。

 母の日が過ぎたばかりだが、米国では200万人を超える母親たちが、
リセッション(景気後退)で疲弊した労働市場で苦戦していることに
今一度目を向ける必要があるかもしれない。

 米労働省が最近公表した報告書によると、昨年は、18歳未満の子供のいる女性で、
就職を希望しながら職が見つからなかった女性の数は約230万人に達した。
子供を持つ米女性の昨年の失業率は9%だった。これに対し、女性全体の失業率は8.4%だった。
シングルマザーの失業率が特に高くなっている。

 結婚している女性の就業率がシングルマザーより高いという結果が出たのは
、2010年が始めてだった。そして11年にはその傾向がさらに顕著となった。
昨年はシングルマザーの就業率は63.4%で、結婚している母親の場合は64.6%だった。
シングルマザーの就職が一層難しいことが背景だった。
シングルマザーの昨年の失業率は15%。一方、配偶者と暮らしている
子供を持つ女性の昨年の失業率は6%だった。

 人口動態の他のグループと同様、結婚している女性もリセッション時には苦戦した。
08年と09年には、配偶者が職を失うなかで、一層多くの結婚している女性が労働市場への
復帰を目指し、こうした女性の失業率も米国民の残りの部分と同様に上昇した。
しかし、より広範な市場の回復に伴い、結婚している女性の就業率は幾分改善した。
10年と11年には結婚している女性の労働市場への参加率は長期的水準に戻り、
失業率も低下した。


 シングルマザーの苦難はさらに続く。子供のいる結婚している女性の数は、
シングルマザーの2倍近いが、失業している母親全体に占めるシングルマザーの
数は半分以上(120万人)に達している。

 また、景気回復が始まってからも、シングルマザーの失業率は引き続き上昇しており、
07年以降では7ポイントも上昇している。
シングルマザーの多くが職を探すのを諦めたにもかかわらずだ。こうした就職市場からの
離脱トレンドが失業率の低下の背景となっている。
もっと多くのシングルマザーが職を求めて労働市場に戻ることになれば、
今年の失業率は上昇する可能性さえある。

 こうした格差の一因は、人口動態の違いだ。シングルマザーのほうが、
子供を持つ結婚している女性と比較して、マイノリティーである公算が大きいと共に、
教育水準が低い傾向がある。高卒の女性の昨年の失業率は8.7%だったのに対し、
大卒は4.3%だった。一方、黒人女性の失業率は11.9%だったが、
白人女性の失業率は6.5%だった。

[リアルタイム・エコノミックス(Real Time Economics)では米経済、
連邦準備理事会(FRB)の金融政策、経済理論などに関する
独自取材ニュースや分析、論評をリポートする]

記者: Phil Izzo