読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「空海の風景」を大分前に読んだ。

2007-02-12 16:39:12 | Weblog

「空海の風景」を読んだ。文章の流れは「街道をゆく」
に似ていた。作者の司馬遼太郎は空海は余り好きでは
なかったらしい。空海の時代はただ茫漠とし過ぎている
と作者が言っているように資料で事実を調査し切れない事も
多く有った事も有ってか「この稿は小説である。」と
言う文が挿入されている。事実、この小説に出てくる
人物たちに多くの台詞を喋らせていない。三田誠広の
「空海」も読んだがこれと対象的だった。三田は「空海の
風景」を読んでから自分の「空海」を書いているが司馬
のその小説は漠とし過ぎているから自分の「空海」を
書いたと言うコメントをしていた。私は司馬の方が良い
と感じた。